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上野の国立西洋美術館の公式ガイドブック。
常設作品の紹介を始め、美術館の案内図や基本情報まで収録されており、
全ての文字は日本語と英語で併記されていて、本当にガイドブック然とした作りになっている。
松方幸次郎の夢から始まった国立西洋美術館。
この美術館は、日本で唯一のル・コルビジェの建築作品でもある。
松方コレクションを始め、14-20世紀の西洋絵画が沢山展示されている。
・14-18世紀のオールドマスター絵画エリアでは、宗教画、神話画、風俗画、風景画などが展示されている。
私が中でも見たいと思ったのは、ベルギーのブリューゲル父子の風俗画。
・そしてメインの19-20世紀の近代絵画エリアは有名どころが揃っている。
コロー、ミレー、クールベ、ブーダン、マネを始め、ルノワールの初期の代表作、ベルトモリゾ、ドガ、ピサロなどなど、バルビゾン派、印象派の作品も沢山。
モネはポプラ並木、睡蓮など名画が何作か展示されている。
・後期印象派は、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホの「ばら」、新印象派ではポールシニャックなど。
・ナビ派では、「日本かぶれのナビ」と言われたピエール・ボナールや、ドニなど。
当時、ヨーロッパは日本趣味がちょっとしたブームだった。
掛け軸を連想させる縦長の構図、女性のしなやかな曲線や草木、花や蝶などの平面的な表現が絵に盛り込まれている。
・もっと現代に近づいてくると、ピカソと共にキュビズムを追求したフランスのジョルジュブラック、シュルレアリスム抽象画スペインのミロ(ミロは、常に自分の絵を説明しなかった。どう解釈するかは観る人の感性に委ねていたという)、
原田マハさんの小説の題材ともなった、アメリカのジャクソンポロックの作品も。
(ジャクソンポロックは抽象表現主義。床に広げたカンヴァスに、絵画を直接垂らす、ポーリングが彼の持ち味)
ピカソ、ロダンの「考える人」などの彫刻も充実。
・巻末は、日本のその他も国立美術館の紹介も掲載されている。
この公式ガイドブックシリーズは図書館に何冊か並んでいたので、少しずつ読んでいこうと思います。