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【キャッシュレス大国の光と影】キャッシュレスでは日本の先を行く中国。ほとんどの支払いがスマホで済む社会を詳しく紹介した上で、利便性の影にある問題を指摘する
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2019.05.06読了
昨今、中国で無人コンビニや自動化されたレストランが増えているとの話しを聞き、実態や発展の背景を知りたく購入。現地に長年滞在する日本人経済学者が著者ということで内容に信頼を感じて手に取ってみた。
中国での生活における不便さや安全性の低さがあったからこそ 、現在の技術によって一足飛びに快適さや信頼度合いを得られる状態になるため、爆発的にITを使った発展を遂げていると感じた。
◆へーと思った点
・アリババがECタオバオで成長したのは、第三者決済サービスの提供により、購入者と販売者の間に入り、取引の安全性に責任を持つ信用の担保を提供したから。
・テンセントのウィーチャットが浸透したきっかけの1つであるプロモーションはホンバオ(ご祝儀)争奪戦だった。
・現在の二大プラットフォーマーはアリババとテンセント
・11/11(双十一、ダブルイレブン)、アリババの2018年の1日の取扱高は3.4兆円。楽天の2017年の年間流通総額3.4兆円と同等。
・荷台に果物野菜を積んだ馬車にまでQR決済は浸透している
・空港に無人カラオケボックス、団地敷地内の広場に無人ジムボックス
・国家主導で個人の信用情報を管理する動きがある。(逆にここは意外だった点。中国の統制は厳しい認識があり、当局が厳しく管理、規制しているものと思ったが、イノベーションを推し進めている現在の中国では、過度な規制は掛けずに、大まかな方針や方向性のみを示す政策を取ってきていた。その結果アリババやテンセントがここまで発展したと言える)
・自動化、無人化の裏では、人件費の安い農民工(農村からの出稼ぎ労働者)が動いている。シェア自転車の回収、配置。無人コンビニ、無人カラオケボックスの清掃、メンテナンスなど。こうした労働集約型で成り立っているビジネスモデルは先進国で同様に成立させるのは難しい。
◆覚えておきたい用語
リープ・フロッグ(かえる飛び):インフラやサービスが整備されていなかった途上国が、先進国が徐々に進めてきた技術発展の過程を一気に飛び越えて最先端技術に達する現象。
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中国のテクノロジーの消費生活への普及状況を記述。不便なことを技術で改善し続ける様子は既得権益と規制に阻まれている日本とはかなり異なる発展具合。基本的にはスマホのアプリで決済、予約がすべてできるようになっている。
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アリババ、テンセントのサービスを中心に、中国におけるキャッシュレスサービスの状況を紹介。現地に住んでいる著者ならではの、生活者目線でのレポートがとても参考になる。
ちょっと前まで、ぼったくりや、おもてなしとは程遠いサービスが一般的だった中国において、逆にそれを社会問題として、こういうサービスが出てきて、一気に普及したことは興味深い。政府主導が容易という環境はあるが、問題があるところにニーズがあるということでもある。日本においても、少子高齢化、働き手不足といった問題は、ビジネスチャンスになりうるのではないかと考えてしまった。
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中国の今が垣間見れました!
客観的データだけでなく、筆者の体験談も多く書かれており、とても読みやすかったです。
これを読んで自分の目でも中国が見てみたくなったので、この夏は中国に行ってみようと思います。
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中国での「QR決済ビジネス」などがどのように進められてきたかがよくわかる本である。「燎原の火花も荒野を焼き尽くす」との毛沢東の有名な言葉を思い起こした。まさに勃興するビジネス、「蛙跳び(リープフロッグ)」の実例である。
宅配ビジネスの膨張も凄い。小生は昨年観光で訪中した時に北京市内を爆走する電動バイクの大群に驚いたが、本書によると免許も登録も要らないものだという。政治は統制するが経済は自由化というキメラの「国家資本主義」に驚いた。
ただ本書は「光と陰」とはいうが前半の印象の方が圧倒的に強い。「陰」をよく考えるとうそ寒い思いを抱く。個人情報の保護やデータの国家統制の怖さについてもう少し突っ込んだ内容も知りたいと思った。
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中国では「アリペイ」か「ウィーチャットペイ」
を持っていないと生活できないと言われていま
す。
そのくらいキャッシュレスのんスマホ決済が
進んでいるのです。屋台で饅頭を買うのでも
スマホ決済が可能ですからね。
そういう社会はそれまで現金では手間がかかっ
ていた「不便」をリカバリーしようと、起業家
がイノベーションを起こして生まれた結果と
考えられています。
この部分では中国は日本のはるか先を行って
いると断言できます。
逆を言えば、日本の来たるキャッシュレス社会
に先んじて壮大な実験をしているともとれます。
つまりキャッシュレス社会にも負の部分は当然
あります。
そんな中国のキャッスレス社会から我々は何を
学ぶことができるのか。大いに考えさせられ
る一冊です。
いずれにしろ現金には膨大なコストがかかって
います。
製造された現金が我々の手元に届くまでに、
輸送や警備、保管など多くの「手間」がかか
っていることは想像に難くないと思います。
キャッシュレス社会は必然なのです。
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キャッシュレスで時代の先を行く中国。アリババやテンセントの二大プラットフォーマーが牽引する。レストランやジム、カラオケなどでひとの省エネ化をもたらし、支払いをスマホひとつで済ませることができる。中国で病院にかかる場合の煩わしさには驚きでしたが。
一方でレイティングにより個人の格付けが進む。
政府による国民情報の一括管理の怖さ。共産主義とマネー経済の実体との解離への矛盾。これを考えると中国がどこに向かおうとしているのかも気になりました。
それでも中国の変化の速さと国民の逞しさに改めて中国の凄さを実感。
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タイトルのキャッシュレスは、本書での骨格になってはいるが全体は現在の沸騰する中国社会・経済の実態が生き生きと描かれている。
最近は、中国という国に対してのネガティブな面が多く報道されているため(新疆ウイグル自治区でのムスリムに対する非人道的な迫害など)中国の変化成長の激しさやネット利用の高度なことなどが忘れられがちになっている。
この本を読むことで中国の経済、人々の生活の変化のスピードを感じ取ることができる。巨大な国家国土面積で25倍、人口14億人、最近の大学卒業者数800万人弱、民族数56というエネルギーの凄さ。
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中国の大学で教授職を担っている日本人の著者による、キャッシュレス国家中国についての、主にアリペイとウィーチャットペイの二大スマホ決済についての本。
本当、中国キャッシュレス事情はいろいろすすんでるんだなと思えた。全部が全部とはいわないけど、日本も見習ってもいいんじゃないかと思う部分はあった。
あまりにキャッシュレス文化すぎて、現金を持ち歩かない日があり、地下鉄の交通カードチャージしようと思ったら現金がないことに気づいた時の話はちょっとほほえましかった。通勤客数名に声をかけたけど誰も現金をもっておらず、駅員の女性に説明すると、5元を渡してもらえた上に、返さなくていいといわれたらしい。会ったのがそれが最後ではないどころか、顔なじみになったのだそうだけど、ずっとお金をもらってくれないらしい。そんなこともあるのか。
ミニカラオケが中国で流行しているのは知ってたけど、ミニジムボックスなんていう、ランニングマシンが1台あるだけのボックスが増えているというのは初めて知った。カラオケは日本でもやったらいいのにと思うけど、さすがにちょっとランニングマシンだけのボックスはいらないかなと思う。
後、中国の病院は前払い方式ということを初めて知った。しかも、診察前、検査前、薬を受け取る前と3回も払わなきゃいけないらしい。面倒くさいなと思ったけど、日本でも診察後と薬をもらった後で二回は払わなきゃいけないこと多いからそこまで不自然じゃないのかも。
それと、eスポーツも結構盛んなんだとか。北京オリンピックのメインスタジアムで大会が開催されたこともあるらしい。まあ、悪い影響もあるみたいだから規制も増えてるそうだけど。
後気になったのは、海底撈という飲食店について。パナソニックと連携して、スマート火鍋店をオープンしたそうなのだけど、厨房はロボット化されて、おもてなしについては人がやってるらしい。ロボットと人の協同といったところなのかな。この海底撈という会社は、「サービス至上、顧客至上」というのを理念に掲げて、おもてなしを大事にしているそう。松下幸之助に影響をうけたそう。松下幸之助自体は、中国の孔子の影響を受けた部分もあると思うのだけど、逆に松下幸之助の思想が中国の経営者にも影響を与えてるということなのか。
ただ、松下幸之助って今の時代にはあわないことも多いとは思うけどね。水道哲学とか、エコじゃないと思うし。
ちなみに、スマート火鍋店かどうかは分からないけど、海底撈の店は日本にもあるみたいで、心斎橋にもあるらしい(https://kaiteirouhinabe.owst.jp/)。ちょっと気になるので覚えておきたい
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図書館に行き、読む本を探している中で、近年急激に日本でも進んでいる「キャッシュレス化」に興味があったものの、活用できていない自分がいるので、目に止まった。
日本よりも何年も先にキャッシュレス化が導入されていることにとどまらず、巨大な中国という国の変化のスピードを感じることができる作品で、興味が湧いたのと同時に、自分自身の周りも変化はあるし、それを見逃している事にも気付いた。
今後より早まる変化に対応していくという思いがまずを持つきっかけとなる本だった。
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前書きで「支付宝」や「微信支付」などの決済手段について触れてくれているので、昨今の中国人観光客の増加に伴ってよく見かけるようになった謎の表示の正体がわかり、以降一気に読みやすくなった。
これらの決済手段の普及=現金の信用性のなさ、と安易に結びつけていたが、読みすすめると、それが間違いだとわかった。自分の中で中国に対するイメージが90年代で止まっていることを痛感した。
政府が結果的に握ってしまっている個人情報の活用方法や、若者の高学歴化が労働力にもたらす変化など、まだまだ注目すべき点は多いと感じた。
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中国でいかにキャッシュレスが進んでいるか、リアルな現場の話も織り交ぜた説明でわかりやすい。
良し悪しは別として、とにかく中国ははるかに日本より進んでいる。
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自分の中の中国に対するイメージが10年くらい前で止まっていたことに愕然!急速な経済発展とかデジタル化の進展とか、聞いてはいたもののここまでとは・・・
多くの驚きや発見があり、面白く読み進める事ができました。
イノベーションに対する決断や浸透の早さ、貪欲さは凄いと思うものの、便利さと引き換えに個人信用スコアを巨大な政府国家が集中管理することに怖さも感じました。
今年のコロナ禍を経てさらにどのように変化していっているのかも知りたいです。
あとがき(おわりに)の著者経歴、タフな中国人に引けを取らないパワフルさがあって、サスガという感じでした。
2020/8/30読了
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内容紹介 (Amazonより)
現金が消えると、どのような社会になるのか!?
「キャッシュレス国家」中国の実態を、北京在住の日本人経済学者が徹底分析!
いま日本では国をあげてキャッシュレス化を推進しているが、そのはるか先を行くのが中国だ。スマホの決済(支払い)アプリが広くいきわたり、いまや電子マネーで払えない場所はほとんどない。買い物はもちろん、お年玉もご祝儀もキャッシュレス!
こうした経済システムは中国で「新経済」と呼ばれている。
本書では、いま中国で続々と誕生している新ビジネスを紹介。カーシェアリングやシェア自転車といった有名なものにはじまり、料理や食材のデリバリー、無人カラオケ、小型フィットネスジム、さらには病院の受付、支払いまでスマホひとつで済んでしまう中国の今が分かる。
では、なぜ中国で「新経済」が発展してたのか。
その背景にはイノベーションによる経済成長を目指す中国政府の後押しがあったことを、データを駆使して示す。また山積する社会問題にこそビジネスチャンスがあり、そこでイノベーションが起こっているという中国の実情を、生活者の視点で詳細に解説する。
そして今、「新経済」はビジネスの枠を超えて、中国政府の社会統治(ガバナンス)に活用されようとしている。キャッシュレス経済とは個人情報を利便性と交換するシステムだ。だからプラットフォームには必然的に個人情報が集まる。個人の信用情報を用いた壮大な社会実験に取り組む中国の現状を考察する。
最後に指摘するのが新経済の「影」だ。中国では新しいビジネスが数多く誕生しているが、成功ばかりでなく、失敗するケースも少なくない。そうした現実を指摘した上で、日本が「中国新経済」と、どのような協力関係を結べるのかを考察する。
子供が大学の授業の為に購入して読んでいた本です。とても興味があったので 借りて読んでみました。
自分の思っていた中国という国が とても古いものだったのだと痛感させられ 中国ははるか先をいってるんじゃないかと思いましたね。
驚くことばかりで とても勉強になりました。
ただ日本人はそこまでプライベートを簡単には知られたくないのではないかな?と思います。