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ニューベリー賞受賞作だし、きっといいに違いないと思って読んだのだが、なかなか乗れず、もう止めようかと何度か思ったが、真中あたりから面白くなるという噂を聞いて、頑張った。
なぜ乗れなかったか。まず話が細切れに動き、なかなか集中できない。それから、そもそも魔法使いとか、龍とか出てくるんだから、それで10歳以下が対象ではなさそうな物語なんだから、何らかの存在理由というか、リアリティがほしい。のに、ない。ゲド戦記とか、トールキンの作品とかにはあるじゃない。
そしてなんだかディズニー的な魔法使いや龍。沼坊主というのが出てくるのだが、これは怪物でも妖精でもなく、創造主なんだな。だったら沼坊主じゃなくて、もう少し重い名前にすれば良かったとは思うが、主人公と家族づきあいしており、仲良しなんだな。神のようなものでは無い。何なんだ。
あと、後半になるに従って母と子の絆みたいなものがやたら強調されてて鼻白む。たとえどこにいようとも、あなたを見つけ出す!的な。(恋愛における「運命の人」「君のためなら死ねる」みたいに、思い込んで至上のものみたいになってる。)なんで母だけなんだ。魔女ザンにしても、狂った母にしても、エサインにしても、身を呈してでも子どもを守るというような母の愛の神聖化がそこかしこに書かれているのが、私にはイヤな感じ。そうじゃない母もいっぱいいるし、こういう母が子どもを苦しめることもある。
ハリウッドで映画化されそうな話ではあった。主人公は黒人を思わせるので、アマンドラ・ステンバーグ(だとちょっと年上だけど)みたいな若い黒人アイドルにやってもらって、悪役のイグナチアはニコール・キッドマンとかアンジェリーナ・ジョリーみたいなちょっと年取った白人美人女優がやる。イマドキのハリウッド映画にありがち。CGたっぷり。
私としては映画化を待って読めば十分だった。
ニューベリー賞ってこんなもんだっけ。
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毎年、生まれたばかりの赤ん坊を魔女の生贄に差し出さなければならないという町では、悲しみが空を覆っていた。しかし、魔女には森に赤ん坊が捨てられている理由がわからず、赤ん坊を拾うと、ほかの町の親切な家族に託していたのだ。けれどもある年、拾った赤ん坊に心を奪われた魔女は、うっかり月の光を飲ませてしまい、赤ん坊の体に魔法が流れ込んでしまう。魔女はこの子にルナと名付け、自分の孫として育てることにしたのだが…。
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町から毎年赤んぼうをひとり差しだすとか、森に住む魔女とか、塔に閉じこめられた狂女とか、いろいろよくあるモチーフが出てくるんだけど、少しずつひねりをきかせてユニークな物語になっている。
「悲しみ食らい」のような人物は今もいるんじゃないかな。というより、ほとんどすべての人間のなかにそういう要素があるんじゃないか。人の悲しみを糧に延々と放送されるニュースやワイドショー。それを消費する我々。ルナはみんなの力を借りて、その悲しみ食らいの心の奥底に秘められた核を探しあてたわけで、なんだかそこがこの物語の核のような気もする。
そう考えると、やはり寓話的なのかな。よくできた物語ともいえるけれど、登場人物が駒のように動かされている感がつきまとうのも、そのせいなのかもという気もする。
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2020/12/11再読
1年ちょっとしかたってないのにほとんど忘れていたのがおそろしい(^_^;; あらためて読むと、いろいろな人物の視点から描いた物語を最後にひとつにまとめあげて、よくできたお話だなと思った。
でもよくよく考えると、保護領の体制を作ったのも、悲しみを集めることでそれを何百年も保ってきたのも、ひとりの人物ということだよね。その人の不在をきっかけに、体制にほころびが生じるわけで……。
あと、ザンが、すごい魔法の力と英知を持ちながら、すごく人間的な弱さもあって、直面したくないことは「ないもの」と思いこもうとするところが、かわいいやらもどかしいやら、であった。
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毎年その年に産まれた赤ん坊を森の魔女に捧げることで、魔女の魔力から町を守ってきた。ある年の生け贄の母親は、娘を取り上げられたことで気かふれてしまい塔に閉じ込められてしまう。
しかし、実は魔女は赤ん坊を食べてしまうわけではなく、別の町の優しい両親の元に託していたのだ。だが、塔に閉じ込められた母親の娘は、あまりのかわいさに月の光を飲ませてしまい、魔女の孫として育てることになる。
魔女の魔法のお話というよりも、家族の愛のお話。
魔女の生け贄の真相がわかるところから急展開する感じ。そこまでは、ちょっと入り込みにくかった。
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その本のある町では、1人の小さな赤ちゃんをいけにえとして魔女にわたします。その赤ちゃんは月の光をのんでしまい、魔法を使えるようになります。そしていろいろな人と出会って、魔女として生きていく、少し不思議なお話で、すごく面白いです。
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あとがきに「読み手が誰に共感するかによって、主人公が変わってくる」と書かれています。
そのせいなのか、私には読みにくいお話でした。
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いろいろと、今様な。一昔前だとこういう風には書けなかったろうなあ。ファンタジーもけっこう時代が出る。
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毎年、魔女にいけにえとして赤ん坊をささげる、ところが、魔女はなぜそんなことが起こるのかも知らずに赤ん坊を助けて他の町で育ててもらう。
月の光を飲むと魔女になる、魔女になった赤ん坊がかわいい。思いつめると魔女にもなれる!
設定はとっぴでおもしろい。
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魔女になってしまう少女。外国の文章なので少し表現が難しいなと感じるところもあったが、比較的読みやすい。
物語の中でさえ、親(おばあちゃん)から隠し事をされたり少し違和感を感じると、関係のギクシャクは出てきてしまう。という難しさを知れた。
この先どうなってしまうの?と思うシーンもたくさんある。
最後には伏線もしっかり回収しきって終わるので読み終わりスッキリでした。
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「悲しみにとざされた町がありました。毎年、赤ん坊を生贄に捧げなければならないからです。森には悪い魔女がいて、赤ん坊を差し出さなければ町の人は皆殺しにあう、と信じこまされてきたのです。しかし、本当は善良な魔女ザンによって赤ん坊は救われ、ほかの町で幸せに暮していました。ある時、助けた赤ん坊の愛らしさに見とれたザンは、うっかり月の光を飲ませてしまいました。ルナと名づけられた少女はザンに育てられ、やがて不思議な力を示すようになります。家族とは? 勇気とは? と問いかける2017年のニューベリー賞受賞作。」
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魔女ザンは,生贄の赤ん坊(ルナ)を助け育てる。ルナは月の光を飲み魔力をもつ。
生贄を望んでいない魔女に濡衣をきせる身勝手さが許せない。
(沼坊主グラーク,竜の子フィリアン/悲しみ喰らい)
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「魔法」な扱われているけど、今まで出会ったことのない「魔法」だった。
悲しみと幸せのバランスが崩れるだけで、大変なことになること。
難しい心の動きなのに、話にのめり込んでるから理解しやすかった。
どのキャラクターも主人公に成りうる、みんな輝くキャラやった!!
面白かった!!