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2019/06/08リクエスト
先日のテレビ放送見られなかったのが本当に残念。
とてもいい内容です。
前作もとてもよかった。
私自身も難病持ちなので、考えることは多いです。
残された家族の想い、それも大切だし。
家族の苦しむ最期の姿を見たので、頭から離れない。
私自身は家族にそのような姿を見せたくない。
笑って感謝の気持、さようならを伝えたい。
セデーションも、身近で見たので、あれが最善だとも思えない。
何しろ人生にそう何回も、そのような場面が訪れることはないので、起こったときは真剣に向き合わざるを得ないし、それでもあとあと後悔したりもする。
難しい内容にも関わらず、うまくまとめてあると思います。
多くの人に読んでほしい素晴らしい本です。
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NHKスペシャルを観て、衝撃を受けました。
映像で観る小島さんの姿は、話し言葉や口調から知的で聡明な女性だと感じました。
そんな彼女が何故安楽死を選んだのか、そこに至るまでの経緯を知りたくなったのです。
番組内では描き切れなかったであろう安楽死を遂げるまでの裏側、そして小島さんご本人、ご家族の方々、著者、安楽死を施す医師、各々の心情が書かれてます。
もし私が彼女と同じ立場になったとしたら、私も安楽死を選ぶと思います。
ですが、安楽死に辿り着くまでの道のりは今の日本ではとても困難です。
小島さんの安楽死は想定外の早さで進んでいくのですが、人生はタイミングの連続だと考えると、やはり小島さんは選ばれたのかもしれませんね。
客観的にみると、やはり著者の影響も大きかったのかなぁと。
最後の時、自分でスイッチを入れ、家族と互いに感謝の言葉を口にしながら旅立つ。
映像で観たせいか、私自身の中に印象深く刻み込まれてます。
事故で突然亡くなったり、闘病の末に身体がボロボロの状態で亡くなったり、そういうケースと比べると本当に死にゆく者と残される者の互いが納得できる亡くなり方なのかなと思いました。
延命治療に意義があるとは思えない私は安楽死賛成派です。
自分の人生の幕を、自分でおろして何が悪いのか。
「私が私であるうちに安楽死を施してください。」
彼女の言葉が胸に刺さる。
最後になりましたが、小島ミナさんのご冥福をお祈りいたします。
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スイスで安楽死を遂げた日本人をメインにしたノンフィクション。NHKスペシャルで見たが、同時取材だった。あの番組で疑問に思ったいくつかの点が解消された。たとえば彼女に付き添ってスイスまで来た2人の姉のこと、言葉の問題、お金のことなど。本人が希望しても家族の同意がなければというのはわかるが納得はできない。治療する医師が命を奪う手助けをするのは相当な負担だろうと思う。患者だけの問題ではないのだ。前著で安楽死を取り上げたことで、希望者・実施者双方から助言を求められる立場になってしまった宮下氏の困惑も伝わってくる。
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日本ではあまり議論されていない死の選択について、とても丁寧に取材されたノンフィクション。
欧米各国では安楽死を認める法律が制定されている国も多い。この本では、日本人が持つ死生観と欧米のそれとの違いを扱いつつ、日本における死のあり方をもっと議論するべきだと主張しているように感じた。
実際に、安楽死を選び実現した日本人の方がどのようにそこにたどり着いたかと同時に、たどり着けなかった、最終的に選ばなかった方が何を思ったかも描かれている。
死の選択は個人に委ねられている部分は多分にあるものの、関わる家族や医療関係者とも、意思を分かちあう必要がある。
近しい人が、自分が、近い将来命が終わることを知った時、一体どうすることが一番幸せなのか、自分の願いではなくその人の意思を尊重できるのか。その瞬間になるとおそらく冷静な頭では考えられない。多分本当は日頃から自分はどう生きたいのか、死ぬ時にどうありたいのかを考える機会が、もっと頻繁にあると良いのだろうなと思う。
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NHKスペシャルの番組を観て、なぜ彼女が安楽死(自殺幇助)を選んだのか知りたくて手に取った。
不治の病いを患って「もう50年も生きたから、まぁいいか」とのことだったけど、私だったら「まぁいいか」とはまだ思えない。
どう死ぬかを考えることは、どう生きるかを考えること。
自分の生き方について考えさせられた。
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Nスペでも取り上げられてた実際の小島ミナさんの安楽死に至るまでの経緯が丁寧に書かれている。
うーん、テレビで見る限りゆっくりだけど話せて意志の疎通もできてまだまだ”死”のタイミングではないような感じを受けたんだけど、この本を読んでとにかく間に合わなくなることを恐れていた(スイスの行く体力があるうちにというのが大きかったみたいで)もしこの期を逃したら多分自殺を実行していただろう。(ネットで一緒に死んでくれる方を真剣に考えていたらしい。)
いろんな奇跡が重なって(キャンセルが出たり)安楽死のが実行されたことは(語弊がるかもしれないけど)小島ミナ氏にとってすごく幸運だったんだと思う。神に感謝したくなるくらい。
いくら条件がそろっていても望む人みんなが安楽死をできるわけではない。
ほんとにケースバイケーシで。安易に語るものではない難しい課題だ。
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前著から、さらに深みを増した取材。労作である。このやうな著作にはなかなか出会えるものではない。
日本人の例をいくつか取り上げながら、色々考えさせられたし、小島さんの例は心をかき乱された。 nhk スペシャルを見ていたことも大きいが。たしかにもっと死について、死にかたについて、話しておく必要がある。
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安楽死を遂げた日本人。宮下洋一先生の著書。生きる自由と死ぬ自由、とても難しい問題だけれど、心身共に追い詰められて絶望して死にたいと思う気持ちは尊重されるべき。世界では安楽死が認められている国も増えているし、日本でも安楽死を選ぶ人が安楽死できる社会が来る日はそう遠くないと思います。
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本を読み始めた時から、死に関するテーマは強い関心を持っていた。自分の本棚には「法医学」「ホスピス」「エンジェルフライト」「救命医療」「災害死」といったテーマの本が並んでいる。
今回の本については、「NHKスペシャル 彼女は安楽死を選んだ」を見て衝撃を受け、もっと知りたいと思い手に取ったものである。
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20190602
本書にある丹念な取材と率直な描写により、テレビでは見えなかった当事者の葛藤、死生観、動機などを知ることができた。自分のなかでより深く考えることができるようになったのは間違いない。
末期がんに侵された場合、自分は安楽死ではなく尊厳死、もしくはセデーションを選ぶだろうな、と思う。苦痛を和らげ寿命に身を任すのは、自分、家族、関係者ともに納得感が一番高い逝き方だろうと考えるからだ。
自分は最後をどのように迎えるか? 選択するうえで欠かせない。本読みを趣味としてよかったと再確認できる一冊。
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自分は現在のところ安楽死は考えていないが、尊厳死は望んでいる。
この本で驚いたこと。この本で描かれている内容から感じる幡野広志の人柄と、ほぽ日の記事から感じる人柄が全く異なったこと。自分でも接する人によって人柄が変わると思うが、今回の落差は大きかった。
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タイトルを読むだけで気が重たくなって読みたくないなぁと思ったけど読んでみた。安楽死、尊厳死、緩和ケア、延命治療など命や生きることについて考えさせられた。
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前作でスイスの自殺幇助団体ライフサークルを舞台に安楽死の現場を徹底的に取材した著者は、身体の機能が次第に喪失するという難病を抱えた一人の日本人女性から連絡をもらう。本書は彼女が様々な障壁を乗り越えて、遠いスイスの地でライフサークルによる安楽死を遂げるまでを取材した続編である。
難病を抱えて姉と妹に介助され、数度の自殺未遂を経て彼女が行き着いたのは遠い異国の地の自殺補助団体、ライフサークルである。治る見込みのない難病などから安楽死を希望する患者は、ライフサークルのような団体による安楽死の計画が決まることでかえって心身の安定を得ることがあるという。本書で描かれる女性もそうであり、”いつでも安心して死ねる”という選択肢を持つということが、あたかも金融におけるリアル・オプションのように、患者の不安を軽減するというのは、このような話を聞くまで、全く知り得ない世界であった。
件の女性は介助してくれた姉たちに看取られ、静かにスイスにて息を引き取る。本書に収められた写真からも、その安らかさが痛切なまでに伝わってくる。
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遺伝子までいじる事が出来るようになった現在も、死だけは回避する事は出来ません。
死ぬ事は全てが無に還る事、この確かに活動している精神活動が一瞬で終了してしまう事。愛しい人々とも永遠に別れる事。自分を取り囲む全ての事から切り離される事。
死ぬことはとても怖いです。だからこそ毎日毎日に感謝して生きています。
翻って、寝たきりになって全ての生命活動を他者に委ねなくてはならなくなった時に、それでも生きていたいかと言われれば答えは「否」です。
この本は「安楽死」をスイスで遂げる事が出来た女性を主な登場人物として、安楽死を望みつつ果たせなかった人、今現在も望んでいる人。そして安楽死を受け入れる家族の精神のあり方。安楽死と尊厳死、そして緩和ケアの考え方の違い。色々な事を考えさせられて読みやすい本なのに、決してさくさく読める本ではありません。
安楽死自体を僕は概ね肯定しています。そしてこの本は安楽死を遂げ、家族に愛されつつ最後まで自分の意思を貫いた姿に胸を突かれます。が、読んでいる最中自分なら安楽死したいけれども、家族がしたいと言った時に受け入れられるかと考えた時にとても戸惑いました。
この女性は次第に小脳が委縮し、体の全機能が働かなくなる病です。本書の末期では言語障害、体を動かす事も困難になり、排せつも何もかも家族に任せなければならない状態でした。それでいて思考は明晰な状態なので、このまま意思表示出来なくなる前に死にたいというのは物凄く理解出来ます。
しかし意思の疎通が出来る彼女を見送らなければならない家族の喪失感を僕は想像出来ないし、想像しようと試みましたが、手足が冷たくなって考える事頭が拒否している感じでした。
わざわざ他国まで行って安楽死をしなければならないというのは、その他国からしてみれば自国内で行って欲しいというのが偽らざる真実でしょう。しかし日本国内でそれが認められるかと言えば本当に難しいと思います。
全体主義が染みついている我々は、死に向かう時でさえ残された人の事を考えるし、なんなら死ぬ寸前でさえ自分勝手だと誹られる可能性があるくらいです。これは自分もその一人であり、個人主義に一気に鞍替えするのはとても難しい事だと思います。
しかし誰でも死ぬという事から逆算した時に、死に方を自分で選ぶことが出来ないという事は当事者からすると、とても理不尽であるとも感じました。難しい、とても難しくて自分の中でも答えは出ません。でも読んで本当に良かったと思う本でした。
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送り主は、神経の難病を患う女性だった。全身の自由を奪われ、寝たきりになる前に死を遂げたいと切望する。彼女は、筆者が前作『安楽死を遂げた日本人』で取材したスイスの安楽死団体への入会を望んでいた。実際に彼女に面会すると、こう言われた。「死にたくても死ねない私にとって、安楽死は“お守り"のようなものです。
安楽死は私に残された最後の希望の光です」
彼女は家族から愛され、病床にあっても読書やブログ執筆をしながら、充実した一日を過ごしていた。その姿を見聞きし、筆者は思い悩む。〈あの笑顔とユーモア、そして知性があれば、絶望から抜け出せるのではないか〉
日本で安楽死は認められていない。日本人がそれを実現するには、スイスに向かうしかない。それにはお金も時間もかかる。四肢の自由もきかない。ハードルはあまりに高かった。しかし、彼女の強い思いは、海を越え、人々を動かしていった――。
患者、家族、そして筆者の葛藤までをありのままに描き、日本人の死生観を揺さぶる渾身ドキュメント。
〈 編集者からのおすすめ情報 〉
NHKスペシャル「彼女は安楽死を選んだ」(6月2日放送)も、この女性を特集しました。同番組には、筆者が取材コーディネーターとして関わっています。【目次】
第一章 我が運命の支配者 第二章 孤独と歩む
第三章 幸運を祈ります 第四章 焦りと混乱
第五章 最高の別れ 第六章 家族を取り戻した男
第七章 遺灰
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ルポルタージュ自体あまり読んだことなかったけれど、引き込まれた。NHKでの番組を見ただけでは分からない感情などが描かれており、安楽死される場面は自分も泣きそうになってしまった。「死」は常に自分の近くにいるかもしれない、ということに気づくことができない日本という場所に住んでいる今の自分たちは、死生観について今一度考え直す地点に来ているのかもしれない。