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サントラを聴いて、それから映画を見て本を読んだ。という順番です。
映画を見た人なら、もう一回映画を見てるように感じるくらい(脚本がベースなので)作中に出てくる歌の歌詞まで網羅
読んだ感じだと、上手いこと映画で主人公達が喋ってた速さ、間とリズムが再現されてると思います。
両親を亡くした主人公達四人が出会いバンドを組んで成功して…といった話です。何故両親を失ったのか?その経緯(4人)とブルース・ブラザーズばりに思い立ってバンドを始めてから起こる変化が語られていく。
バンド結成後は、映画で弱めだった広告業界感が色濃くて、映画を捕捉する部分も多いけど、最初読んでて余計な情報のように感じた。実名のメディアや人も出てくるのが知らない人には「?」な文章に読めなくもない…
ちょっと省略してもいいような…
だけど、それが結構じわじわ響いてくるのは、なんとなくこの物語から見える大人と子供の要素
大人達と思惑とは、全く別の次元と温度ですぎる子供達の時間が引き立つ。
子供達にとってはどうでもいいことばかりで話を進めようとする大人達
監督の中の二人
(主人公のようにいじめられていた経験のある子供の自分/広告業界で働く大人の自分)が存在して、子供の方に焦点を当てた(歌を歌う、映画を撮る)話なのかと思ってたけど、それだけではなく子供と大人の狭間にいる人間(適当に生きてきたマネージャー)の考てたこととか映画で見えなかった視点とか、あまり気がつけなかった部分もある。
映像美や斬新さや懐かしさに彩られた映像にはない部分が強調されている。(文字だけなんで)
映画を見て、モヤモヤした気持ちを埋めるように答えが知りたくて読んだのに「答えあわせ」にはならずむしろ程よく間が埋まっていて、映画がつまらなくならずに済んだ…のが変な感じで心地よかったです。
映画にもあったように、どうにも「今、今、今!」の話で、今読まないとどんどん鮮度が落ちて時代を感じてしまい読み取りにくくなりそう。
普遍的なテーマ(家族の死、感情、生きること)が根底にあるから大丈夫かな
そして、本を買う金額で映画観れるので見るなら「今」です。(結局そうなる)