紙の本
日本社会に、著者が果敢に異議を!
2019/09/01 17:44
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男は仕事、女は家庭」という、日本にはびこる社会思想に、著者が果敢に異議を唱えようと発信している著書です。データにも基づいており、目からうろこが落ちました。
ジュニア新書なので、内容も噛み砕いているため、大人なら一気に読み切れます。もちろん、子どもにも読んでほしい1冊です。
そして、題名は「男子」とありますが、「女子」にも読んでほしい内容です。
紙の本
どうしても読みたかった本
2020/12/05 15:33
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投稿者:感謝 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大型書店まで行ってやっと購入できた本。田中先生の「男性学」には以前から注目していてどうしても買って読みたかった。
「男らしさ」「女らしさ」「大黒柱神話」「3歳児神話」など、現代日本の社会人の生きづらさの源を男性学の立場から解説している。
自分は著者と同世代だから、随所に挿入されたギャグも含めてすごく「刺さる」感じだけれど、若い人にはどうなんだろう、響いてくれるといいなー。
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対象は、兄弟に女の子がいない人の本のような気がします。女性に対して、どう対応するか?が、一番学べる本です。
社会人には当然となりつつあるP36”さしすせそ”ですが、
「さすが」
「知らなかった」
「すごい」
「センスいいですね」
「そうなんですか!」
を、女性は男性に対して、部下は上司に対して
利用します。
そして、特に女性が男性や先輩に、上司に言う場合には
「すごい」と書いて「馬鹿だね」と、読むことを
知っておく必要性がありますね。
女性は、単に従順にふるまっているわけではなく
男性はおだててあげないと不機嫌になるので
「すごい」と口に出す必要がありながらも、
心の中で”バカだね”と、思ってうさを晴らしているわけです。
この辺りの裏を考えるスキルというか
考え方を持ちたいものです。
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題名で10代をターゲットにしているが、日本で男としての役割や、ジェンダーの考え方とその変遷について、参考文献を紐解きながら、述べられているだけで、考える材料提供、問題提起てきな本である。なにかのヒントが得られる本ではないので、知識や経験の少ない10代が読んでも当然参考にならない。なんらかの考える指針が書かれていればよかったと思います。
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安心と自由という観点から、この問題を考えることもできます。社会学者のジグムント・バウマンさんは安心を増やそうとすると自由が犠牲になるし、自由は安心を犠牲にしないと手に入れらないと述べています。その上で、「自由のない安心は奴隷制に等しい。一方で、安心のない自由は、見捨てられて途方にくれることに等しい」と述べています。(p.123)
性別によって役割が明確に分けられていれば分けられているほど、自由と安心の割り振りが極端になってしまいます。逆に言えば、<男らしさ>/<女らしさ>という二分法にとらわれなければ、自由も安心もほどほどに確保できる可能性があるわけです。(p.124)
どの問題でも共通しているのは、こちらに合わせてお前が変われという一方的で自分本位な態度です。無関心に基づく「やさしさ」は、「異質」なものと実際に接触すれば簡単にその裏にある不寛容が露呈します。それに対して、積極的寛容には敬意と開放性という特徴があります。相手に敬意を求めるのであれば、自分も敬意を払う必要があります。相手に変化を期待するのならば、こちらも変わらなければなりません。保育園は近隣に配慮しなければなりませんが、住民にも保育園に気を使うことが求められるということです。多様性が認められる社会には、この意味での「やさしさ」が必要なのです。(pp.153-154)
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10代(というか高校生)女子へのアドバイス的な新書はよく見かけたが、同じ世代の男子に対する本はこれが初めてかもしれない。どの世代でも「全く男子ってヤツはしょうもないなあ!」と様々な面において悩まされてきたものだが、昭和が過ぎ平成が終わって世界はこんなに変わったのに、未だ男らしさの呪縛に囚われた男子たちは多く、しかもその過ちに全く気づかない者も多いことに考えさせられてしまう。今は誰もが辛い時代。そんな時代にジェンダーを考え、より良い明日を作ることが急務とされているのだから、この本をきっかけにこれまでの「男らしさ」について考え、見直していこうとする若い男子が増えることに期待したい。いっそ来年の課題図書にしちゃってもいいんじゃないの?
…でも自分の知ってる男子はこういう本を読まない輩が多いから、どう勧めていこうか考えちゃうなあ。
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高校生男子向けに書かれた本で、12歳の息子のために借りてみましたが、彼には少し早かったかな!? 私が読んでしまいました。面白かったです。
性別役割分担が固定化してることの影響を、良いことの裏には悪いことがあるという視点で書いています。10代に向けて書いた本とは言っても、専門的な知見を分かりやすく平易な文章で書いてあって、読みやすいし、いろいろと、自分はどうかな、と振り返る機会を得ました。
最近の私は、だんだんとオジさん化が進み(私は女ですが、家庭の事情で主に家計を担っているので)あと少しで、仕事さえしてればいい、に飲み込まれそうになっていたかもしれないけど、そうじゃなかった、フルフルと首を振って、気持ち新たになりました。
うちの子にも、もう少ししたら読ませたいな。まあ、彼はうちが普通の家とは若干違うので、読んでも、それがどうしたという感じかもしれないけど、それならそれでいいのです。
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現在も日本社会で生きていく男性には総じて、「進学校」の高校から「難関大学」、そして「一流企業」への就職を両親や先生から期待される傾向にある。筆者はとりわけ高校生男子を対象に男性が抱える問題を説明する。
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女性に家事を押し付けることで、男性は仕事をしなくてはならなくなるなど、女性差別により男性も不自由になっており、男女平等は男性をも救うこととなる。
他人に関心がないやさしさから、他人を尊重するやさしさへ転換しよう。
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34歳男サラリーマンです。男性学の入門の入門といった位置付けとしても面白かった。1人でも多くの10代に届いて欲しいと思う。
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刊行日 2019/07/19
「「男らしくあれ」という見えない圧力に窮屈な思いをしていないだろうか.進路や将来の選択に「自分らしさ」がどれだけ反映されているだろうか.性別によって求められる役割や期待のされ方が違うことに気が付かぬまま大人になる若者が多い日本で,男性学の視点から進路・生き方をとらえなおすとともに,新しい生き方を提言する。」
はじめに
「進学校」って何?/「難関大学」に進学した場合の選択肢/「一流企業」で働くと「いい家庭」を作れる?!
第1章 日本社会で「男」として生きること
男子がスカートに着替えたら/ジェンダーとは何か/保育園や幼稚園の先生は誰でもできる?/偉い人は「男」だらけ/性別役割分業が「普通」の日本/男女平等の理想と現実/新小学校一年生の就きたい職業/親が就いてもらいたい職業/「らしさ」はあなどれない/〈男らしさ〉・〈女らしさ〉とは何か/女子が言う「すごい」に隠された意味/男ならではの不自由
第2章 「男は仕事,女は家庭」の過去・現在・未来
性別役割分業の歴史/「夢」としてのサラリーマン/「夢」から「平凡」の象徴へ/「私,作る人,僕,食べる人」な社会システムへの抗議/二四時間たたかう亭主は,元気で留守がいい/リストラと新規雇用の抑制/女性の社会進出をめぐる現状/進む未婚化/草食男子の本当の意味/家族像の行方
第3章 泣けない男の一生
〈男らしさ〉と涙/コミュニケーションの深度/恋愛との向き合い方/恋愛における加点式と減点式/社会人という言葉の意味/平日昼間問題/生命・生活・生涯/「きょうよう」と「きょういく」が大切だ/仕事の両義性/孤立する男性
第4章 「やさしい」のに「やさしくない」日本社会
ジェンダーの視点から社会を見る/なぜ多様性が重要なのか/変わる職場/日本におけるメンズリブ運動/不全感と攻撃性/比較をやめる/見栄とプライドの違い/自分のなかの多様性/積極的寛容と消極的寛容/「やさしい」社会の実現で変わる男性の生き方
主要参考文献
おわりに
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読みやすくスラスラと最後まで読めます。高校生の男子を対象とした本のようなのですが、男女問わず将来について、考える時期に読むといいなと思いました。
この日本で、男子として生きることについて書いてあり、読んでいてなるほど…と思いました。自分の頭で「あたりまえ」について考えるきっかけになる本だと思います。読んで良かった。
第一章の【女子がいう「すごい」に隠された意味】 のところは面白かったです(笑)