紙の本
小説かと
2019/09/04 10:30
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
思ったら現実の話で、びっくりした。しかし、ワーキングプアという、どうにも悲しい状況の人々(自分も近いかも…)もいてるので、何を持って貧困だと感じるか考えた方が良いかもしれない。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
専業主婦は、社会的立場があまり良くないので、難しい問題だなと思いました。しかし、手当が厚いとも思うんだが。
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専業主婦は、旦那がムッチャ稼いでいる家庭だは多いだろうが、実は、貧困家庭と分類される世帯でも多い。
それは、家族の健康面などの問題はあるが、実のところ、望んで専業主婦でいる。その人たちは経済面での不安を感じながら、幸せを感じている。
ただ、それは、本当に様々な条件を加味しての、合理的な判断なのだろうかと問いかける。
確かに、人間てのは常に全ての条件を理解して、最適な判断をしているわけではない。その論は、本件にかかわらず大変に面白い。社会としても考えることは山ほどあるな。
ただ、専業主婦が本来働いて入れば得られる損失利益は2億円だと言うのだが、誰がその2億円を払うのだ。
その方が2億円稼ぐとすれば、誰かが2億円失おうのではないのか。専業主婦が働くと、市場が2億円拡大するのか。
その辺はちょっと疑問。
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貧困専業主婦。周燕飛先生の著書。女性であろうと男性であろうと、働く働かないは個人の自由だし、専業主婦や専業主夫になる権利は誰にでも平等にあるはず。でも、今は少子高齢化でどこも人手不足。貧困専業主婦や貧困専業主夫であれば、主婦や主夫ではなくて働いて収入を得るという選択肢もあると思う。それに、欧米の先進国と比べると時代遅れで周回遅れの日本社会も女性の社会進出がようやく認められきたから、女性でも能力や経験を活かした活躍ができる職場が以前よりも増えてきているし。
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専業主婦のライフスタイルを世帯年収や幸せ度など様々なデータで紹介されていて説得力があります。
専業主婦を選ぶ女性に見られる概念がいくつか紹介されていて、制度的な問題も参考になりました。
・欠乏の罠
日々の生活で精一杯になっている時には、人々は将来のことを考える余裕がなく、近視眼的に行動してしまう。
・制度的罠
専業主婦世帯向けの税や社会保障制度面の優遇政策は、いつの間にか多くの日本家庭を「専業主婦」モデルの枠内に捕えてしまう。
・貧困の罠
生活保護制度などの低所得者のための生活援助制度を利用している家庭が、就労するなどしてそこから脱却しようとしても、援助が打ち切られたり、減額されるなどして、かえって苦しい生活に追い込まれる。
・サマリア人のジレンマ
苦しむ人々に惜しみない同情と援助を与えると、困っている人の自助努力を弱め、さらなる援助への期待を助長するジレンマを招く可能性がある。
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データが示されているが投げっぱなしではなく、例えば、専業主婦のほうが共働きより幸福度が高くなっているが、実際話してみると専業主婦の幸福の水準が著しく低かったりするという話が興味深い。最終学歴等やら年齢層やらいろんな切り口で分析されているが、知能指数別でちゃんと分析されていたら尚良かった。
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「貧困」と規定された専業主婦像を通して専業主婦全般を語るストーリーに議論の混乱を感じるところがある。ただ、それでも社会の歪みを考えるひとつの示唆となっている。
少子高齢化を背景に普く労働力の拡充が求められる現実がある。社会の仕組みが適応しないために女性が働くことで少子化が進んできたのか、そのあたり、本書の議論の背景を構成すると考えられるところへの言及はない。
専業主婦は社会悪なのだという価値観が少々強い印象がある。このあたりは一般的意見の違いが多いところだろう。
日本経済が凋落の度合いを増す情勢において、本書のようなテーマが本当に増えてきた。伝統的な専業主婦を抱えきれなくなった日本経済。であれば、本書ももっとエッジの効いた議論を提示してもよかったのではないか。例えば、子育てを家庭からすべて外部化して、生まれた子どもはすべて子育て施設へ完全に預けられ、家庭は子育てから解放されることで完全な市場生産主体となる日本社会というのも極端ではあるが選択肢のひとつだろう。
一方、やはりこの手の著書にありがちなこととして、子どもの目線からの話は皆無である。
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日経の書評で知った本。
図書館で予約して借りたが、何名か先に予約があり待たされた。その割には、地味で堅苦しい装丁。暗いタイトルとも相まって、即返却したい気分にもなったが(笑)、頑張って読んだ。
序盤はあまり面白くないと思ったけど、後半になるにつれ、説得力のある内容に、肯かされることしきり。
山口慎太郎さんの「家族の幸せの経済学」に類似した内容に感じたけど、こちらの方がより著者の伝えたいことが凝縮されていて、ググッと頭に入ってくる。
なぜ、貧困な家庭なのに働きに出ず、専業主婦なのか?
簡単に言えば、家事・育児が大変で仕事との二足の草鞋が目先の生活に満足をもたらさないからだ。
ましてや、貧困にもかかわらず、無業状態である妻の多くは、低学歴、社会経験の乏しさ、専門資格の欠如などで働いても賃金が低い。
それでも、著者は働いた方がよいと考える。弱い経済的立場から脱却できるし、子どもも保育園に通わす事で、多動性・攻撃性傾向が減り、母親の「しつけの質」も高める効果があるからだ。
ところが、人は、複雑なことには合理的判断を下しにくいし、誘惑に弱いし、環境に流される。中長期的視点で判断をすることは、なかなか難しい。
だから、行政が賢い選択へと軽く誘導するおせっかいをしてあげるべき、と説く。
見た目と違って、読みやすい良書でした(笑)
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「旦那さんの稼ぎが良いのに、なんで仕事を辞めないのですか?」
「子供は3歳までは母親が見てあげるべき」
そんな風に、子育て中のワーキングマザーに言う人は、今でも少なくなく、その多くが同性から言われている。未だに、専業主婦というカテゴリーは、勝ち組的なイメージがついているようだ。
実は、専業主婦の8人に1人が貧困に直面している現実。
そして、自分がメンタル疾患を抱えていたり、子供が待機児童であったり、病気の子供や親の介護が必要であるなど、働きたくても働けない「やむを得ない理由」を持つ専業主婦は、全体の2、3割に過ぎず、残りの大多数は、働けるのに「子育てに専念したいから」という理由で専業主婦をしている。
(子育てを頑張りたいという意思は尊重するが)
でも、一旦、正社員のキャリアからハズレると、元に戻るのは、かなり難しい。それが、今の日本の女性キャリアの典型。
大卒から定年まで正社員で働いた場合と、途中で退職をしてパートで働いた場合との生涯年収格差は、少なく見積もっても1億円以上。
日々の生活で精一杯になっている時には、人々は将来のことを考える余裕がなく、近視眼的に行動をしてしまうという「欠乏の罠」。
その結果、貧困専業主婦が発生してしまう。
そして、その貧困は、大事なはずの子供の教育、将来にも大きな影響を与えてしまうということをキャリアの中断をする前に、是非とも考えて欲しい。
生涯年収格差についての知識はあったが、貧困専業主婦の存在や、専業主婦でいる理由の中身は知らなかった。
この本で紹介されているケースの貧困は、ほんとうに驚くくらいの貧困。
キャリアカウンセラーとしては、キャリア中断のクライアントには、「欠乏の罠」にハマるのではなく、どうやったら中断せずに両立できるか?を一緒に考えるカウンセリングがしたいと思った。
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貧困層の専業主婦が想像より遥かに多いこと、しかもやむを得ない事情でなく、自ら望んで就業していない人もかなり多いことを知り、全く理解できず唖然とした。
しかしながら、それでもなお幸福度はかなり高いことが示されており、更に驚かされた。
確かに、3歳児神話を盲目的に信じ、合理的判断が出来ていない可能性はあるが、自ら選択し、しかもその結果に幸福を感じているのであれば、無理に働かせることが本人にとって良いことなのかについて自信がない。
それでも食べることに困るような貧困状態はあってはならないので、このような家庭にも援助が必要であると思う。(自助努力の好きな日本人の多くには受け入れられない意見だとは思うが)
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専業主婦もキャリアウーマンも,おそらく全ての人が薄々感じて分かっていることを,とても見にくい分かりにくいグラフで説明してくれていた.生涯賃金の差はそこまでとインパクトがあったが,だから保育所に預けて働けという主張には現実感がない.おそらく中国の子育てと根本的に違うのだろう.むしろ,子育てのブランクを経験と捉え,パートではなくフルタイムの職場復帰にこそ国が力を上げて取り組まないといけないのでは?
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一見、収入の多い家庭の方が多そうな専業主婦。実は貧困な家庭の専業主婦は高いという。その現実から背景、女性の能力の活用まで広範囲に分析し提言した一冊。
専業主婦であることで失われる損失、逸失利益は実は大きいという。子育てや病気などの理由で専業主婦となることを余儀なくされる主婦。また子育て一段落後の復帰の道も狭い。
専業主婦が日本経済を支え、それを誘導してきたとも言える政府や大企業。
当事者にならなくては気づきにくい多くの現実を明らかにした一冊。
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出てくる例が極端だった。年収200万で子供3人とか、父親が60歳で子供2歳とか。。そりゃ貧困になるわ。子供産む勇気がすごい。。食事にも困るなんて可哀想。
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今の日本は、「大黒柱」が「柱」でなくなっている。にもかかわらず、柱を陰で支える専業主婦を自ら選ぶ人が少なくありません。
私の娘が3歳前後だった10年前は、まだまだ「3歳児神話」が台頭していました。今では少しトーンが落ちたかもしれませんが、ママ向けセミナーなどでキャリアの話になると、やはり3歳児神話は健在です。
「女性は外で働けば働くほど、自らの余暇時間が減る」
誠にその通り。疲弊しているママのいかに多いことか。
第7章で、専業主婦になる理由が述べられています。
貧困であっても、専業主婦には、なりたくてなっている人が多い。母親自身の経験から、思い込みで、就業するより子育てをすべきという理由で、専業主婦を選んでいる。また、日本の社会の完成度が高いために専業主婦が多いと考察しています。
施策として挙げられている「お試し保育」は、私も有効だと思います。働いていないと保育を受けられないという不可思議な制度は廃止し、ゆるい預け方、働き方にも柔軟に対応できたら良いと思います。
結論部分に書かれていたように、仕事との両立が難しい子育て初期に、夫の家事・育児参加の機会を増やすことも効果的だと思います。
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多くのデータをもとに、「好んで専業主婦になることは、個人ベースでも社会的にもマイナスが大きいともっと個々人に浸透するよう働きかけるべし」というメッセージを伝えた本。
わかるんだけど、パート主婦当事者としては、そんなこと言ってられないくらい大変だし、助けはないし、主婦を選んだ女性の自己責任だけにしないでほしいと強く思う。
望まない転勤、休めない長時間労働など男性側の働き方が変わらないと、有職主婦になったところで不可は妻にのしかかるだけ。
それをおそれたら、今度は子どもをもつことに回避的になるおそれもあると思う。
わかるけど、わかるけど…という歯痒さが残った。
少子化にしても晩婚化にしても、当事者の責任と切り捨てられるのはつらい。「そうせざるを得ない状況がある」というメッセージがあれば救われた。