紙の本
この本と、別のもう一冊の本の購入を決めた瞬間について
2019/10/29 02:11
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:1ベクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
書店のレジ近く、並べられた本を眺めていたら、著者である内田樹さんが帯になっている本を見つけた。「…」手にとってぱらぱら。うん、買おう。そしてあの本も買って帰ろう。そう思えたのは、次の一節に全身がぴたっと止まったこと。
「クロード・レヴィ=ストロースは論文を執筆する前に必ずマルクスの著作を書架から取り出して任意の数頁を読んだそうです。そうすると「頭にキックが入る」のです。」
「この感じは僕にもよくわかります。マルクスを読むと「賢くなる」というより、「脳が活性化する」のです。」(p.255)
購入を決めたもう一冊の本のタイトルは、安藤貞雄先生著・『現代英文法講義』(開拓社)。これから先も、これら二冊の本を手にするたびに、このときの自分のことを思い出すだろうし、また、この日の出費を後悔することはないだろう、と思った。手元に置く価値のある本です。
紙の本
「火星人にサッカーを教えるように、生きる意味を自分に問おう」
2019/10/02 22:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに興味を引かれて手に取ってみたのですが、「生きづらさを考える」というテーマを掘り下げた本ではなく、内田氏が色々なメディアに載せた文章を集積した感じの一冊(あとがきによれば「エッセイのコンピレーション本」)でした。
しかし、様々な論考が集められており、興味深く読みました。
わりとオススメ本です。
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これまでに発表されたエッセイをまとめたもの。この人の著作を読み始めた頃には、なんとなくフィットしなかったけど、最近はそうでもなくなってきた。内田さんが言うように、人文学は大事だと切に思う。亡くなった加藤典洋との意外な交流に驚いた。
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いま自分の住んでいる国がどうなっているのかということについて、何を優先的に考えなければならないかという知見を与えてくれる人がいる幸せを思う。
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恩師本! タイトルがいつもかっこいいですよね。安冨先生の「生きるため」シリーズと読み比べたい意図。サンデー毎日の連載がメインの、社会・時事問題でまとまった本でした。全然ちがーう! こんな力強い知性が粘り強く警告を発しているのに世の中悪くなる一方、という意味で、暗くなる。生きる力が湧いてくる本ではなかったのでした…。あとがきの「敗戦国の戦後世代のメンタリティ」のお話が面白い。安冨先生の「靖国の母」の「戦争を知っている世代はまだいい、自分が嘘をついていることをわかっているから。次の世代に欺瞞として受け継がれていく」論と自分の中で繋がりました。賢人は同じことを言っているのだ(2019-09-10)
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内田先生が様々な媒体に寄稿されたエッセイのコンピレーション本なので、初見のものは少なかったように思う。
以下本文とは関係のない読後感
20代のころ"生きづらさ"を感じていた時に、『ためらいの倫理学』を読んだ。それは自分の言葉では言い表せない、他人に共感してもらえなかった思いを語ってくれる"大人"に初めて出会った瞬間であった。
先生の考えはいつも複雑で優しい。人の世はしばしば単純で厳しいことが正義となる。その単純さは誰かの一部を切り捨てる。その傷は、本人すら気付かずに生きづらさを生み出しているのではないだろうか。
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いつもの内田先生のお話・・
その分、ちょっと新しさがないような気がしました。
でも面白さはいつもどおり
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あちこちに書かれたエッセイをまとめたもの。私にとっては初見のものが多く良かった。
タイトルにも惹かれる。
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内田さんの本は自分にとって読みづらい事が多いが、それはやはり自分が極端に政治、文学、思想に興味が無いからかもしれない。
その中でも、自分に響く言葉がいくつも出てくるのは、自分の知らない分野で培った知識経験の賜物だと思う。
自分の興味が無い分野でも、完全にシャッターを閉めるのではなく、著者の主張に耳を傾ける事で世界が広げることが出来る事が分かったのは大きな収穫でだと思う。
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本のタイトルから読みづらい本を想像していたがコラムがいくつも掲載されている哲学書という形式で読みやすかった。
内田節も炸裂していた。
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この国の「暗さの原因」がわかれば、次に打つ手が見えてくる-。時代がどうあれ生き延びてゆくためのウチダ流哲学&ニッポン再生論。さまざまな媒体に書いたエッセイを集成。
さらに生きづらさは続く。
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現在の天皇は「公共」というものを体現している、というお話が面白い。昔は「能力や実績さえあれば多少性格や行動がねじ曲がっていても」と思いましたが、社会を維持するには誰かが「公共」を体現して見せる必要があるのか…
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これぞ、内田樹先生ッ✨
この間読破した「負けない力」の橋本治先生と見事にお考えがリンクしてるところにも感動…ッ
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2020/12/31 内田樹☆☆☆生きづらさについて考える
教養主義に立脚 佐高信・金子勝と同じく政権に直球を投げる
安倍政権は言葉を否定しているので、気にも掛けないが
本質を突き続ければ、必ず強固なピラミッドも崩れ始める
1.「社会的共通資本の価値・重要性」 宇沢弘文・岩井克人先生 塩野谷祐一先生にも
主流派経済学=新古典派経済学の体制擁護・非公正さから民意は離れている
新自由主義の跋扈は、竹中平蔵氏のおカネを巡る胡散臭さにもとうに気がついている
2.高齢化時代の新しい福祉社会国家のビジョンも描けず
世代・ジェンダー・人種など様々な「断層」を作らざるを得ない体制の矛盾
基本に「収奪のメカニズム」があり、「格差の拡大」が必然であることは、
体制の腐敗・自壊をもたらすのは、古代より中世・近世の王制と変わらない
3.教育の劣化(184)
海外からは厳しい評価 国内では無視 戦前と同じ空気
管理肥大化 現場に責任を押しつけ 現場は疲弊
安倍政権で加速
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http://mainichibooks.com/books/humanities/post-686.html