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流浪の月

流浪の月 みんなのレビュー

2020年本屋大賞 受賞作品

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みんなのレビュー347件

みんなの評価4.5

評価内訳

347 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「事実と真実は違う」という言葉の重み

2020/05/05 07:05

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Nagi - この投稿者のレビュー一覧を見る

9歳のときに誘拐事件の被害者とされた少女「更紗(さらさ)」と、彼女を誘拐した罪で逮捕された、その当時19歳の大学生だった青年、「文(ふみ)」の、過去と現在の物語。
しかし、更紗にとってそれは「誘拐」ではなかった―ということがキーポイントになって展開していくお話です。

更紗と文の関係を見て、過去にあった実際の事件を連想した人が、私以外にもいたのではないかと思います。
文と更紗の出会いから穏やかに流れてい2人で過ごす日常、そして文の逮捕までの前半で、当時実際に会った事件を報道で見たときの不快感を思い出しました。

作者である凪良さんが、本作で本屋大賞を受賞されてからメディア露出の機会が多くなり、いくつかのインタビューを拝見・拝聴しました。
未読の段階で見聞きしたので、読了後は作者さんの意図と違う感想を持ってしまったことに申し訳なさを感じてしまいますが、私は更紗や文に寄り添う読者ではなく、自分も彼らを取り巻く人々の1人だと痛感させられ、己を振り返らされる
「痛みの伴う作品」
という感想になりました。

更紗や文にどこか共感を抱く部分もあるくせに、自分が第三者になった途端、
「こうであるべき」
「こうに決まっている」
という決めつけから、相手の「真実」を否定してきたことがあるんじゃないか、と不安を抱きました。
更紗の周囲にいる人たちが、そろって文を庇う彼女の心情を「ストックホルム症候群」で片付けようとする強引さを見たとき、一番それを感じました。

『事実と真実は違う』

幼い更紗は必死で大人たちにそう訴えたいのに、それを言葉に置き換えることが上手くできなくて、誰にも知られたくないことがあって文を助けられないことや、周囲の善意を疎ましく感じてしまうことに罪悪感を覚えながら大人になっていきます。

一方の文にも、ペドフィリアと誤解されたまま逮捕される理由があり、彼の
『怖かったから誰にも知られたくななった』
『だけど、怖かったから、誰かに知ってほしかった』
という心情を語る下りが、また読み手である私を猛省させました。

男女であれば恋愛感情を抱くはず。
犯罪の被害者と加害者なら、傷つけた者と傷つけられた者という関係のはず。
親はこうあるべき、子はこうであるべき…。
本当に、そうだろうか?と思うエピソードが散りばめられた、とても心が痛む作品でした。

自分の聞き齧った情報だけで「ジャッジ」してしまいがちな昨今、是非1人でも多くの人に読んで欲しいと思う作品です。
自分の傲慢さに気付かされる良作です。

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紙の本

一緒にいたい人がいる

2020/02/08 17:29

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る

言葉にできない想いを、文字にして伝えようとした物語。切ないような、哀しいような、そして結末は、心を優しく包む。人は、一人の方がずっと楽に生きられる。それでも、やっぱりひとりは怖い。恋でも愛でも性愛でもなく、二人でいると心安らぐ主人公たちの生き方は、自分の住む街にもあるかもしれないなあ。新しいかもしれないこんな人間関係を、言葉を尽くして書いた素晴らしい小説でした。

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紙の本

やはり、大好きな凪良先生でした!

2019/08/30 12:52

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ころ - この投稿者のレビュー一覧を見る

作風の陰陽で黒白とするなら『流浪の月』は黒凪良。
『神様のビオトープ』もそうだったが、
BL作家のカテゴリーが窮屈な作家さまなので
どんどん一般作も書いて欲しい。
本当に素晴らしいです!

(ネタバレ注意)

歪な人生に 事実と真実 のちがいを絡ませて
暗い穴のような目をした彼に出会わせたのは
`忘れられなくて悲しいから`甘いお菓子が必要な彼女。
名前のない関係にからめとられ抉られる。

「切実に好き」が永く続きますように・・・

ノンストップで拝読しました。

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紙の本

言葉には出来ないけれど大切なことって、この世にはたくさんある

2020/05/19 16:15

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

どうしようもない理不尽さの前でもがいている人達の物語。常識が偏見を呼び、優しさが自己満足になってしまう。人との接し方、価値観や考え方に対して訴えかけてくる作品。普通の人間関係とはなにか、そして普通の人間関係というのがあるとしてそれが正しいのか。思いやりや優しさという仮面を被った刃物で人の気持ちにずかずか傷をつけるタイプの人間は思いのほか多い。読みながらまさに今このご時世に溢れている善意を思い、怖くてたまらなかった。何が正義かは当事者しか分からない。主人公ふたりの過去と今。ふたりの関係は?過去が付きまとい襲いかかる。「事実と真実はちがう」「わかってくれる人がふたりもいる」清々しいラスト。

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電子書籍

どうか幸せに

2020/05/03 21:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のんのん - この投稿者のレビュー一覧を見る

この関係に名前はなくても、お互いがお互いを必要としてて、一緒にいることで息ができるのなら、それだけでいいんじゃないかと思う。梨花が2人の関係、というか2人の人間性を理解している点が、2人にとって最も救われてる点なんじゃないかと思う。真実を知ってる当事者2人以外の第三者としての梨花という存在は、この物語で大きい部分だから。あー、でもどこにいてもなにをしててもいいから、どうか幸せでいてほしい。心からそう思える話でした。

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紙の本

事実と真実はちがう

2020/04/25 09:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る

こんなにも周りに祝福されない人との関係の本を読んだのは初めて。
文と更紗が幸せになってほしいと思う反面、これはフィクションだからそう思えるのであって、現実的に幼女の誘拐っていう断片的でしかないニュースを見た時に、彼らの裏側を想像したり理解できるんだろうかと思う。 
ただ言えるのは、いろんな愛の形があって
それは第三者が評価できるものではないってこと。でも、その評価が当事者の邪魔となるんだろうな。

事実と真実は違う。のところ。
あそこはどかーんと心にきました。
人が見えている事実と見えない内側にある真実、ここを考えるのは哲学チックかもしれない。でも、本当にそう思う、相手には私という存在がこう見えていても私にとっての私は
真逆だったりすることがある。

それはそれぞれの価値観からくるものなのかなと思う。
だから受け止め方も違うのかなって。
結局普通なんてものはないんだなって思った。

あと、題名も最後の最後にわかる。
この本の作品名は『流浪に月』しかないと思った。

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電子書籍

ネタバレです。

2019/09/26 12:08

4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る

途中で、ページをめくる手が止まらなくなり、朝5時までかかって、一気読みしてしてしまいました。
凪良さんの以前の作品の中で、子供の誘拐で捕まった話が出てきたことがあったので、その話が重なったり、ペドフィリアの話かな?と思って、「ラブセメタリー」が浮かんだりしましたが、それらとは、全くテイストの違う作品で、でも、凄く引き込まれて、涙しながら、読み終えました。
二人の関係は、陳腐な言葉で表現すると、同志なのかな? 「スメルズラアクアグリーンスピリット」みたいな感じ?違うかな?
凪良さんは、作品の中でネットのマイナス点を指摘することがありますが、今回も、ネットを「デジタルタトゥーという消えない烙印」とうまい表現をしていましたね。
ただ、更紗が文に言ったセリフの「文は、まだ大人の女の人を愛せないの?」の「まだ」という表現は、少し違和感を感じました。
ストーリーにははっきり出てきませんでしたが、クラインフェルター症候群だったのかな?

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電子書籍

流浪の月

2019/09/07 22:30

4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

せっかくの善意を、
わたしは捨てていく
そんなものでは、
わたしはかけらも救われない。

幼女誘拐事件。
事件の真相は当事者しか知り得ない。

世界にグンと引き込まれて、一気に読んでしまいました。読んで良かったです。是非多くの人に読んで頂きたいです。

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紙の本

二人のつながり

2020/05/31 13:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る

二人のつながり
「ひとりのほうがずっと楽に生きられる。それでも、やっぱりひとりは怖い。」
そう思う二人の関係には、わかりやすい名前がないから、
理解されないどころか、糾弾までされる。二人は幸せなのに。
自分を擬態しないと生きていけなかった二人が、自然のままでいられる相手と出会えた僥倖。そのつながりに名前はなくても、長く続きますようにと願う。

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電子書籍

良かった

2020/05/04 07:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nonnon - この投稿者のレビュー一覧を見る

彼と彼女、両方の視点からの話があるので、事件となる前後、それからの時間の彼等の気持ちがよくわかり、お互いがお互いを精神的に求めあっているのが、よくわかりました。あー、久しぶりに心が動く本を読めました。

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電子書籍

セツナいけどいっきに読めました。

2020/04/22 08:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:J. - この投稿者のレビュー一覧を見る

こうした出会いしか、主人公2人が救われる方法は無かったんだと思う。
運命に偶然なんてないと言い切ってしまえるほど、物語の流れが素晴らしい構成になっている作品だと感じました。
物事をうわべだけでみたり判断したりしないよう、日々精進しようと、心あらためられる作品でした。
本来、あまり本は読まないのですが、今回、ラジオで本屋大賞のことを耳にして、立ち読みから入りました。
本屋さんの店員さん、選んでくれてありがとうございました。

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紙の本

本屋大賞受賞おめでとうございます

2020/04/18 13:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あめ玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

初版の時からどこの本屋さんも推していました。
本屋大賞ノミネート、受賞おめでとうございます。
ひとりでも多くの人に読んでほしい傑作です。

とある方が言っていましたが、BLの「ふたりだけの世界」「ふたり以外の世界」を描く巧みさがこの作品には活かされている。だから傑作だと。
私もそう思います。この作者さんの他の本も読みたいです。

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紙の本

真相は自分たちだけが知っていればいい

2020/04/06 18:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kurage - この投稿者のレビュー一覧を見る

真相は自分たちだけが知っていればいいのかもしれないけど、社会というか世間はそうは見てくれないので、生きづらいことこの上ない…というもどかしさや、やるせなさを感じました。
それでも、ラストは希望のある、明るい感じだったので読後感はよかったです。
寝る前に半分だけ読もうかな…と思って読み始めたら、続きが気になって、一気に最後まで読んでしまったので、時間があるときの一気読みをお勧めします!

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紙の本

本屋大賞。話題の本。

2020/05/07 14:43

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tissa - この投稿者のレビュー一覧を見る

あまり手に取るジャンルではないのですが外出自粛で時間があるので購入してみました。
文章も読みやすく、さくさく読み進めることができました。
あまに日常で本を読まない方にもお勧めできると思います。

この作者の方はきっと主人公と同じ感覚で世界を見ているんだろうなと思わせるところがありました。
私は中に出てくるアルバイトの無作法な同僚タイプなのでこの様な方にはきっとこの社会、生きるのがつらいのではないかなとかってに推し量ってしまいました。

人の数だけ感じ方、考えかなたがあってどれもが尊重すべきだと思わせてくれる本です。

あまりにさらっと読めすぎてしまい、再読したいと思う感じではなかったのですが、
きっとこの本に共感する人、助けられる人は多くいると思います。

人との付き合い方に悩む若い方などに手に取っていただきたいなと思いました。

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紙の本

事実と真実…

2020/05/31 16:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しんごろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

事実と真実は違う。真実を知らずに、他人は勝手に思い込み決めつけるのか、そして、好奇な目と面白おかしくしたりしてね。DVとか現代社会の問題をいっぺんに凝縮させて、詰め込んだ物語。いろいろ考えさせられる。更紗に、ほんのちょっと勇気があればなとは思うものの、勇気があれば片づく問題でもないよなとも思う。更紗と文に平穏で静かな暮らしをできることと二人の幸あることを祈りたい。そして、どんな困難や試練をのりこえてほしい。

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