紙の本
プロフェッショナルで目撃者
2023/01/05 22:33
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京會舘で働く人々、様々な形で関っていく人たちの物語。
この時代、東京會舘で仕事をするという事はプロフェッショナルであること、そして歴史の一コマの目撃者になるということ。
心に染みるエピソードの数々を読んで初めてこの物語の真の主人公は東京會舘そのものだと気付く。
本当に東京會舘の旧館は素晴らしい主人公でした。
紙の本
辻村氏の記念碑的作品の下巻です!
2019/09/06 22:02
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、辻村氏のデビュー15周年を記念した作品で、大正11年創業の丸の内に建つ東京會舘をモデルに描かれています。1970年に大改装が行われ、令和という新しい時代を迎えた今、その三代目が姿を表そうとしています。昭和を駆け抜け、平成を過ごし、そして今、令和の時代にどのような姿を見せてくれるのでしょうか。辻村氏にとっては初の歴史小説でもあり、読む前からワクワクドキドキです。
紙の本
2つの縁
2022/10/31 01:30
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
皇居前に建つ東京會舘は大正末に完工された民間初の社交場。作家の辻村深月さんは、ここで結婚式を挙げ、やがて直木賞を受賞、表彰式と記者会見で再び訪れることになった。思い入れの深い、この建物を活字にしようと試みたのが本書。あまり例を見ない著作だけに興味をそそられる。
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【デビュー十五周年を迎えた著者による、ドラマ満載の物語】記者会見や授賞式、結婚式などで知られる東京會舘。大正十一年の落成から改装を経ての再開まで、昭和、平成と集った人々を描く長編。
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歴史ものよろしく説明の多い文章で、辻村さんの作品としては珍しくとっつきにくかったけれど、読みすすめるうちにその世界にどっぷりと嵌った。
まるで朝ドラみたいだなと思う。でもこの世界観をさらりとだせるのは、やはりさすが辻村さんなのかなと思ってしまう。
本来なら下巻まで読み終えて感想を書こうと思っていたが、上巻の終わりがあまりに良すぎてレビューしている。
日常のなかの非日常を東京會舘という舞台装置でものすごくありありと描き出している本作は、ささやかな幸せと、まっとうに生きるということの大切さを、気づかせてくれるような気がする。
お仕事小説の面もある。それが胸に熱かったりもする。
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歴史を作るのは人だけど、思い出を作るのは場所なのかもしれないと感じてしまった。
下巻も楽しみ(^^)
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購入した本に挟まれていた、辻村さんコメント入りの小さなリーフ。
「私が、東京で自宅の次に好きな場所の物語です。辻村美月」
本編を読む前からとてもわくわくさせてくれました。
実在の建築物とそこに行き交う人々の物語を時系列でつづる、斬新なカタチの作品。静かなロマンを感じる物語。それぞれの時代ごとに東京會舘と日本の歩みが描かれていて、その時代に引き込まれるような感覚で読み進めました。
東京會舘自体が今も存在することは知ったうえで読みましたが、物語の中に登場するさまざまなディテール、例えば昭和9年開業のメインダイニング「プルニエ」、マッカーサーはじめ米国兵士たちに愛された「會舘風ジン・フィズ」、製菓部長のこだわりと情熱が詰まった手土産用クッキー「プティガトー」などが現在まで受け継がれていることには、代々ここで働く人々の情熱と、「東京會舘を守り抜く」強い信念を感じました。
この小説は、各章に登場する人々のプライドの物語でもあります。それぞれの時代に、それぞれの持ち場や状況で、熱い思いをもって東京會舘に関わる。そんな彼ら、彼女らのまっすぐな生き方を見習いたい、と思わせられるストーリーにあふれています。
そしてそれぞれの物語がゆるいつながりを持ちながら進んでいく構成もまた秀逸。
一つの建物を中心に、こんなにも豊かな物語が書けるのだと、
改めて小説の可能性を感じました。
今から「新館(下巻)」を読みます!
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図書館でかりた単行本で読了済みだけれど、購入。
上下巻を並べるとシャンデリアを真ん中に夜空のもとの旧館と青空のもとの新館を遠くにのぞめるカバーがすてき。
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涙が出てきて、東京會舘のガトーが食べたくなって(「東京會舘 ガトー」を検索してしまう)、東京會舘に行ってみたくなりました。
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東京會舘という建物の歴史の深さと格式の高さが伝わってきたとともに、読んでいてどの話も引き込まれました。
堅苦し過ぎず安易過ぎない文章及び説明でとても読みやすかったです。読後には東京會舘が自分の中で尊い存在となり、いつか足を運びたいと思えました。
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2022.06.29
歴史って、年号や単語じゃなくて、人の営みなんだよなぁとしみじみ思う
旧字体が…とか近現代史うろ覚えだからな…とか気後れする間もなく、話に引き込まれる
さすが辻村深月…!としか言いようのない引き込まれっぷり
第五章 しあわせな味の記憶
たしか、去年の入試対策問題で文学作品の問題に取り上げられてたなーそうそうこれこれ
みたいな態度で読んでいたら、田中さんの嬉しいですねでもう、グッときてしまって 田中さぁーん
東京會舘で働く全ての人が、しゃんと一本筋の通った思いや信念をもって、真摯に働いている話だからこそ一気に読んでしまったのかも
訪ねる人の忘れられない一日は、迎える人のまっすぐな思いに支えられている
かっこいいこと言おうとしたけどダメだなぁ
グッときた
まだ、言葉にならない
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東京のクラシカルな建物巡りが好きな事もあって、カバーにも惹かれて購入。
建物の拘りと働く人々の仕事へのプライドとプロ意識が様々な伏線と相まって心地よい読後感。
軽めの近現代史として読んでも 面白い。
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少しずつ登場人物がかさなり、かれらが東京會舘とともに歳をとっていく様子を見届けられるのが面白い。
ひろく開かれた社交の場として始まり、政治に使われ、GHQに接収され・・・と、同じ建物でありながら時代ごとに違う役割を果たしてきた。アメリカ軍人のクラブだった時期は異彩を放つが、働く人は変わらずに最善を尽くそうとする。そんな第四章も面白かったが、いちばん心に残ったのは第五章「しあわせな味の記憶」。製菓部長として會舘のデザートを作り上げてきた勝目が、手土産用の菓子を開発したときのことを振り返る。複雑な思いもありながら苦労のすえ生み出した焼き菓子。その成功を、退職してからあらためて感じるシーンには目頭が熱くなった。
「では、パイをきっかけに會舘に」
「叶ったじゃないか、と、あれから十年近い歳月を経た今日、勝目は思う。」
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大正十一年、社交の殿堂として丸の内に創業
結婚式やパーティー、記者会見場として、ここを訪れる人々の数だけ物語が成立する。
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絶賛してもいいですか。
こんなに心震える小説に出逢ったことは
私の記憶の中にそう何度もありません。
日本の。東京會舘の。
それらを支え、育んできた素晴らしい大人たち。
「生きる」ならこうでありたい、と
仰ぎ見たくなり、仰ぎ見なければ涙が溢れてしまう。
小説とは人の物語。この言葉をこれほどまでに
強く思い起こさせてくれた作品には、
近年出逢えていなかった。
早く下巻の扉を開きたい。この世界は
私にとってのファンタジーだ。
私自身も主人公の1人になりたい、最高の夢の世界だ。