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タイトルからして好きなエッセイ。
私は幽霊を見ない。けど見たい、けど怖い、けど目が悪い、けどけどが詰まってる愛おしい感じ。
ちなみに私は幽霊を見たことがある方です。
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眠る前にのんびり読んでました。
だいたいほのぼのしたエピソードでしたが、たまにゾクッとする話もあってよかったです。
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“幽霊を見られない体質” の著者が幽霊との出会いを求めてさまよう、という新感覚エッセイ。心霊体験話は出てくるけどそれらはすべて周りの人達のもので著者自身の心霊体験はほぼないってところが新感覚
BGM:YUKI ♪My lovely ghost
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ホラー小説かと思い手に取ったらエッセイで、しかも怖い話について描かれていた。私の好きなジャンルだ。しかし、藤野先生は出だしで「幽霊を見ない」と毎回断言する。なので、怖い?不思議な?話は周囲の人の話なのだった。けれど、その不思議な話を読むのはわくわくして面白く、雰囲気が楽しい。幽霊なんて居ないという現実と、いるかもしれないという不安の間の空気。独特で興味深い。
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怪奇現象が好きだけど、まったく幽霊を見たことのない藤野可織さんが聞いて集めた、ちょっと不思議で説明のつかない現象を集めたお話。
私も霊感は全く無くて、欲しいとも思わないし、血生臭い話は好きじゃない、けれども、なぜかちょっとだけ怖い話を求めてしまうところはあるので、他人の幽霊話を聞きたがる藤野さんの気持ちはちょっとだけ分かる。
でもその話の受け止め方が私とは全く違う。独特の感性によって受け止められ解釈される不思議話が面白い。
そして怖いわけじゃないけど、説明のつかない現象の数々に『おぉ~』という気分になる。
最後の方で、「幽霊とは生きているときに上げられなかった声だ」「歴史的に見て女性の方が声を上げられなかった」「だから幽霊の表象は女性が多い」という一文には納得した。
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2013年芥川賞作家藤野可織さんの初めてのエッセイだそうですが、私にはこの作品が藤野可織さん初読みです。小説もぜひ読んてみたくなりました。私も怖い話は大好きだけど自分自身は幽霊を見たことがないというところが同じなので親近感を感じました。家族、友人、知人、出会った人から聞き集めた様々な怖い話、不思議な体験が満載です。この手の体験談集は凄く面白いか、あまり面白くないかのどちらかだと思うのですが、凄く面白かったです。
幽霊とは何か?という問いに一つの答えを導き出すなど、まとめ方が上手いです。
一番怖かったというより印象に残ったエピソードは、映画が途中で止まってしまうお話と、映画館でダークナイト見ようと入ったらローマの休日をやっていたお話です。幽霊がでたお話はそれはそれで怖いけど、この手のお話は原因不明ですごく不思議で、なんだこれは??とずっと心に残りますね。
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iwpのエピソードがあるとのことで手に取りました軽い怪談話を含むエッセイかなと思ってたら時々ゾクゾクとくる話もあり、本当に説明できない現象ってあるもんだなと妙に納得してしまいました。藤野さんの他の本は読んだことがないので読んでみようかな。
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藤野可織さんって芥川賞を受賞されたときに「清楚な雰囲気の作家さん」というイメージを持っていたのだけど、小説を読んだことはなく、今回初めて読んだ著作がエッセイだったので、とてもいい感じでイメージを覆されました。「関西の(ちょっと変わった)おもしろお姉さん」みたいな感じに。
どの章も「私は幽霊を見ない」という文から始まる。実際霊感はまったくなく幽霊を見たことも感じたこともない藤野さんが、あの手この手を使って幽霊を見るために努力(?)するあれこれを描いている。
藤野さんの周りの人たちの霊体験も書かれていて、けっこう本気で怖いエピソードもあるし、悲しかったり切なかったりするエピソードもある。それなのに、全体としてはコミカル。それらを怖がりながら、意気込んで心霊スポットに向かうのに、毎度空振りで終わるのがとてもおもしろい。
藤野さんはきっと幽霊を見る才能がゼロなのだ。ある意味とても羨ましい才能だ。
だけど本人は幽霊を見たいわけなので、そのおもしろい努力が笑いを誘う。
ご主人や仕事関係の人たちなど、周りの人とのやりとりの際の藤野さんのちょっとおとぼけな感じもとても良い。ともすればオカルト系になってしまいそうなエッセイなのに、かるく読めてしまうのも彼女の人柄なのだと思う。
最終章の「幽霊とは生きているときに上げられなかった声だ」というタイトルに頷いた。そう思うと、見たことはなくても存在していることは信じられる。皆が皆、幸せな死に方が出来るわけではないので。
刊行されたのは2019年なので、その後幽霊を見たのかどうか気になるところです。
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とにかく面白い。
最初から面白い。そして案外みんな怖い体験や不思議な体験をしているもんなんだなぁと
ゾクゾクする話もあるが、藤野さんの幽霊に対するツッコミや考えでまたすぐ笑いに変わって楽しい。
また読み返したくなる本だった。
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ホラーなのかと思ったらちょっと笑えてしまう。怖いのに怖くない。怖くないけど怖い。読み終えた時、藤野さんにおあいしたくなる。
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お初の作家さん。
生粋の怖がりのくせに、一度も幽霊を見たこと感じたことのない藤野さんの幽霊探し(?)のエッセイ。
以前、霊がいるところって悪臭がするって何かで聞いたことがあった。藤野さんも意を決して廃墟に行って、荒れ果てた建物に霊以外の恐怖(床一面にばらまかれているBB弾に転びそうになったり、足元が見えない恐怖)を感じ、あ~これはまた見えない感じないで終わりかな~って読んでたら・・・なんと探索中に物凄い悪臭に見舞われて・・・え!これって来たんじゃない??とワクワクしてたら・・・・きっと野糞と思われるって・・・もう吹き出しましたよ。そう考えた思考も納得出来ちゃったりしてww
いろんな人から聞いた怖い話も藤野さんが書くと不思議な話になっちゃう。きっと藤野さんは恐怖をろ過しちゃう思考の持ち主なんじゃないかと思われる。
私は好物です。(加門七海さんが読みたくなったww)
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私は霊を見る。作者とは違って。
だからこの人の話も納得できる。だって、チャンネルが合わないと見れないもん。見ると言っても目で見てるのでもなし。頭の真ん中で見ている感じ。気持ち悪いものが見たい訳でもないから、皮膚感覚としてゾワっと感じたら、チャンネルを合わせないように注意する。
霊は何か伝えたいことがあって出てくるのでは?とあったが、その通り。伝えたいか、吸い取りたいか、理由があって出てくるし、あんまりプラスの作用では出てこないので、できれば遭遇したくない。見えると影響が大きくなるし。見えない方が幸せということもある。
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怖がりを自覚するわりに、意欲は高い。幽霊との会話の糸口として相手の負担とならない質問はなにかを熟考し、アメリカの幽霊のために英語が通じない旨の例文を暗記する。そのアンバランスさがおかしいし、じわじわ怖い。
幽霊とはなにか、探求するうちに観測者と対象が入れ替わってしまう。見える見えない、いるのいないの、とはまた違った怖さ。
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藤野さんが蒐集した怪談実話を軸にしたエッセイ集。『文藝 2021年秋季号 特集 怨』の作品ガイドから興味を持ち、図書館で借りた。
幽霊を見てみたい藤野さん。私は幽霊だったらなんでもかんでも見てみたいとまでは思っていないけど、きっとこの先、幽霊だとしても会いたい、という人が増えていくだろうな、と考えた。
『幽霊がいるとすれば、きっと脳の中だ。幽霊は、脳の神経組織を行き来するはかない電気信号であるにちがいない。そうであるとするならば、幽霊は想像に似ている』
これって意外と真理なのではないか。
『幽霊とは生きているときに上げられなかった声だ』では、映画『ジェーン・ドゥの解剖』を取り上げて『歴史的に女性は男性に比べて声を上げられなかったから、だから幽霊の表象は女性像であることが多い』としていて、『文藝』のはらだ有紗さんとの対談テーマ『幽霊、なぜ女ばかり』に繋がる。
あとがきとしての『後日談』で、『自分が幽霊だと感じることがしょっちゅうある』として、本を読むときや映画を見るときに、その場面の
単行本で読んで表紙装画がいいな、と思っていたけど、アンジェラ・ディーンの絵を使用した文庫本表紙もいい。文庫版には書き下ろしがあるらしい。
藤野さんの小説の方はまだ読んだことがないんだけど、
ニコラス・ケイジが好き(後日談でジェイソン・ステイサムとドニー・イェンも追加)。エア猫を飼っている。ユーフォルビア・ホワイトゴーストを枯らす。
など、藤野さんの人となりが面白くて深掘りしたくなった。
藤野さんがエア猫を愛でる写真が掲載されているインタビュー。
https://karigurashi.net/ours/fujino-4/
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角川文庫から出ている表紙も雰囲気あって◎
夢十夜のような出だしも好き。
見たい見たいと意気込んで行動するも、なかなか出会わないものなんだなあ。
作者が当時通っていた小学校のトイレ、各個室にそれぞれを縄張りとする霊がいるの面白すぎ。2番目は看護師の霊、3番目は病院で死んだ霊…てな具合。
しかもよそはよそ、うちはうちで、花子さんより四時ばばあが出現するらしい。男子トイレでは「女子トイレにばかり得体の知れないものが出るのは不公平だ」という風潮が高まり、たちまち午後五時に男子トイレに現れる五時じじいの噂が流れた。もう作ってんじゃん!思わず和んでしまった。
「ついに幽霊とニアミスする」に登場する旅館、もう踏んだり蹴ったりだな…天井の穴が気になりシャワーを諦め、トイレも便座が熱すぎて座れず「あっつ!あっ!つぅっ!」と叫び、飛び上がる藤野さんに、なんか想像したら笑えちゃった。叫ぶようなそんな便座座ったことない。ましてや、客室にしつらえてある場所のなんてさ。
外国の空港にときどきすごく大きい人がいるらしい。3メートル近い人がいたら、目を引いてカメラに収めようとする人も多いんじゃないかな。
でもそれらしい目立つ記事はなかなかない。ってことはやっぱり、物好きな人が立てた噂なんじゃないのかな。
外国人の言葉返しのコミカルさが気持ちいい!
墓地へ行くみんなを見送って、後から合流した藤野さん。メンバーに「幽霊は?」と聞いた返しが「さあ、きみ以外の幽霊は見なかったな」
他に、もうすぐアイオワを離れるという時に開催されたイベントで、エンザはみんなの前でアイオワの思い出について少し語った後「カオリは私のお気に入りのゴーストです」と言ったらしい。らしいというのは、藤野さんはサボってイベントに行っていないのだ。その話を聞かせてくれた人は、「だからみんな振り返ってあなたを探したんだよ。ゴーストだから見えないのかな、ってことになったんだけど、あのときいた?」と言った。「オフコース」
最後まで藤野さんの京都弁にクセの強さを感じた(読みながらわたしがそう感じるだけ)
他の方の関西弁や京都弁の書き方を読んでもあまり気にならないのに、藤野さんのはやたらと引っかかる…違いはそんなに無いのになんでだろう。
聞き集めた不思議や怖い体験談もサラッと書いて終わるから、もう少し切りこんでも良かったのになあ。