電子書籍
壮大でした。
2020/02/05 10:00
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投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
極寒の樺太に住まうアイヌ民族とロシア、日本の領土争い。それぞれの思い「生きている」ことで繋がっていく人類。二葉亭四迷、大隈重信、金田一京助など馴染みの名前が出てくる頃には終盤でした。アイヌの文化は受け継がれていることを切に願います。
紙の本
樺太のアイヌ
2022/11/07 09:49
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投稿者:令和4年・寅年 - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治時代の樺太のアイヌたち。失われる民族とされる中、歌や音楽によって受け継がれる文化、そして生活を守ろうとする。それでも住んでいる場所を追い出され戦争に翻弄される。
紙の本
生きるための熱の源は、人だ
2021/06/09 13:55
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投稿者:るい - この投稿者のレビュー一覧を見る
人によって生じ、残され、継がれていく。それが熱だ。
川越さんの本を読むのはは、2冊目です。
読み進めるると、タイトルが文章の中に。
タイトルに、言いたいことを込めてあるのかなと今回思いました。
今、日本で、忘れられていること、人が大切だということを伝えたいのかと思いました。
日本は決して単一民族では無く、この本に登場するアイヌの方が、自分たちの言葉、文化を、生活するために、他の言葉、文化を学ぶことで、忘れて生きていく、そうせざるえない。
日本人でも、方言を忘れて、生活様式も、地方で違うのに、同じ様式に統一されていく。
全ては!
今現在の日本の在り方に、この本を通して、婉曲に伝えたいことを伝えているのでは?と思いました。
また、過去、このような事があったと知らないことを知る事ができました。
もう少し、纏まりがあり、各章が繋がりが感じられた方が、わかりやすく、私は好きです。
紙の本
直木賞受賞の話題作
2020/03/25 16:17
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投稿者:B767-300 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史的にも地理的にも壮大なスケールで書かれた大作だが、読後感はよくない。
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投稿者:AI - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前のロシアと日本、アイヌという難しいテーマを扱っていながら、登場人物一人一人の人生観や想いが伝わってくる時代小説。覚えにくい名前の登場人物が入れ替わり立ち替わり登場して、お互いの人間関係がやや分かりにくかった。
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【祖国を奪われたものたちの苦悩と再生】樺太で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフは故郷を奪われたポーランド人や、若き日の金田一京助と出会い、自らの生きる意味を見出す。
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読んだ、というか文字の奥底に潜む、それこそ熱源にやられてしまったかのように、読み耽ってしまった。駅でも歩きスマホならぬ、歩き熱源してしまったほどに。
アイヌ?ポーランド?読む前はその接点に??だらけだったけど、読み進めると、なるほど、その両者を結びつけた時点で勝ちというか、秀逸な視点だったと思わされる。
私たち日本人、というか和人には名前に馴染みのあるアイヌについて、何も知らなかったことに恥ずかしささえ覚えるが、よくもここまで調べ上げて書けるものだと呆れるほどに感心する。
先入観で全編重苦しい話かと思っていたら、登場人物たちの会話は前作でも感じられた独特の軽妙さ、茶目っ気がある。重いテーマが課せられていても、当事者たちは意外とあっけらかんとしている。それだけに事が起こると、現実の重さがのしかかり、樺太・サハリンのギンとした冷感に呼応するドラマが押し寄せる。
二度あることは三度ある。三作目ものんびりと期待したい。
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信念を持った人たちが、歴史に翻弄されながらも自らのアイデンティティを見つけるためにもがく様を描いた、とにかく"熱い"小説です。北海道、樺太、東京、南極と舞台がダイナミックに変わる物語なかで、対比的に当初おぼろげだった登場人物の信念が固まって行くのが気持ちいいです。
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圧倒的な記述。アイヌを瑞々しく描いている。
アイヌは北海道と思いがちだが、実際には現在のロシア(樺太)にも住んでおり、実際小説の中ではロシア軍との交流(実際には利用される訳だが)も描かれており、アイヌ民族として「国境」に意味がないことがわかる。
日本に夜同化政策もなかなか酷いもので、そんな中でも必死で生き抜くアイヌの人たち。
アイヌの琴の音を聴きたくなる。youtubeでいろいろ探したけど素朴で素敵な音色。
よくぞここまで取材して、ある意味記録としての価値も高いのではないかと思います。
熱、を感じる小説でした。
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アイヌ、ギリヤーク、日本人、ロシア人、ポーランド人、それぞれに命があり、それぞれに言葉があり、それぞれに文化がある。だけど、それぞれの「国」ってどこだろう。
住んでいるところが自分の国か?同じ言葉を話すものが住むところが国か?同じ国に別の言葉を話す人々がいるなら、そこは誰の国か?
生まれ育った場所。親がいて家族がいて、友がいて。だけどそこがある日無くなったら、突然そこを追い出されたら、その理不尽さに抗うことが正義か、飲み込まれなじみ失っていくのは悪か。
人が始めた争いは、人が終わらせることができる。だけどそれが「国」という単位になり、個々の顔が見えなくなったとき、それは人のチカラでは抑えることのできないものとなり、全てを奪い焼き尽くすまで続くことになる。何のために…理由も目的もわからないままただ人と人が憎しみ合い傷つけあう。「お国のため」?じゃぁ、国は人を守ってくれるのか。
生まれ育ったところで、愛する人と幸せに暮らしたい、ただそれだけなのに。そのあまりの困難さを引き起こす「国」という存在の無慈悲さに寒気がする。
今、私は無性に知りたい。
アイヌのこと、サハリン樺太のこと、日本のこと、ロシアのこと、ポーランドのこと、そして戦争のこと。
私が今まで気付かずにいたかもしれない出会い。それを、この先誰かがきちんと受け取るために自分の言葉で伝えたいから。
だれも、だれのことも滅ぼすことなどできない。失うことも奪われることもない。それぞれの文化を受け止め理解しようと努める。生きている限り生きていく。
人類の尊厳のために。
40年の時を経てつながれた縁。
「もしあなたと私たちの子孫が出会うことがあれば、それがこの場にいる私たちの出会いのような、幸せなものでありますように」
この言葉が全てである。
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史実をもとにしたフィクションで登場人物の多くが実在した。北海道の北の縦長の島で、風土などよく知られていない樺太が舞台。ここでのアイヌ、和人、ポーランド人、ロシア人たちのドラマが描かれる。民族が滅びる危機感を感じた主人公の思いが伝わる。アイヌについて学びたくなった。
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素晴らしい物語だった。「史実に基づくフィクション」というが史実も本作と同じくらい熱を帯びていたのではないかという気持ち。
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秋山香乃さんの「氏真、寂たり」とこの作品が、これ以上のものを読まなければ、今年最高の作品。
こんなに素晴らしい作品をありがとうと言いたい。
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すごかった。まさに熱源だ。
故郷とはなんだろう。祖国とはなんだろう。
国とは。
文明を名乗りながら、蹂躙するように蝕んで。
それでも人を意味するアイヌの人たちは生きていたんだ。
アイヌという言葉を知っていても、その実態をなにも知らなかった。
いま、彼らの子孫はどこでどうやって暮らしてるのかな。
琴は弾けているのか、どんな言葉を話すのか。
樺太(サハリン)の歴史を少しでも身近に感じられた。
「もしあなたと私たちの子孫が出会うことがあれば、それがこの場にいる私たちの出会いのような、幸せなものでありますように。」
この言葉にすべてが詰まっている気がした。それこそ、熱の源が。
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勝手に「南の『宝島』、北の『熱源』」に認定。
国家に翻弄され、故郷がなくなることに抗い続け、生きる意味を見出していく人たちの物語。