紙の本
裏にどんな事情があるのか
2021/04/28 11:35
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投稿者:mk - この投稿者のレビュー一覧を見る
2人の女性を死なせたクズと言われる男は、本当にクズなのか、なぜ人を死なせることになったのか。この著者の小説には親子の問題を抱えた人たちがたくさん出てきて、とても胸が苦しくなります。
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「誰を殺そうと俺の自由」小野宮楠生は二人の女性を殺害した容疑で逮捕・起訴され、チャラい外見とふざけた供述から「クズ男」と呼ばれている。弁護士の宮原貴子は、小野宮が幼少期を過ごした町へ赴き、ある女性の存在をつかむ――。聖と悪のボーダーをゆるがす哀切のミステリー長編。
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「誰を殺そうと俺の自由」小野宮楠生は二人の女性を殺害した容疑で逮捕・起訴され、チャラい外見とふざけた供述から「クズ男」と呼ばれている。弁護士の宮原貴子は、小野宮が幼少期を過ごした町へ赴き、ある女性の存在をつかむ――。聖と悪のボーダーをゆるがす哀切のミステリー長編。
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一見すれば誰にでも判るような殺人事件の裏に、実はこんなにも複雑な体験とそれに伴う心理状態が潜んでいようとは。起きたことの判りやすさとは逆に、終始、座りの悪い不安定な何かを感じていたのは、弁護士の貴子だけではなく、読者も同じである。楠生の態度や反応は、ステレオタイプでありながら、底の読めない空恐ろしい昏さを内包している気がして、その掴みどころのなさ故に、地団駄踏みたくなるようなもどかしさを感じてしまう。しかし、ある点を突かれると意外にも脆い一面をのぞかせることに気づいたとき、事件の真相はぐっと近づいてくるのである。幼児体験の影響力のすさまじさとともに、人の心の奥底をのぞき込む怖さをも味わわされる一冊である。
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2人の女性を殴打した殺人犯楠生の弁護を引き受けることになった貴子は、事件に違和感を感じていた。…
反省の色の見えないクズ男の笑い方や仕草が、わざとらしく感じ、私自身も違和感ばかりでした。
被害者以外の人物の登場で、どんどん面白くなり、真相が分かると、なるほどと納得。
ただ、エピローグには、また違和感を感じてしまいました。
クズ男の仕草の真相ではあったのだけど、今ひとつピンと来なかったです。純粋で一途な楠生で良かったはずなんですが…。
ストーリーは面白かったので、出会って良かった作品でした。
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二人の人間を殺害し、しかし反省の様子もなく人を食った態度と笑顔で世間を騒がせる「クズ男」。彼の弁護を引き受けた弁護士が彼の証言に疑念を覚え、真相を究明するために証人を探すうち、思いがけない物語が現れてくるミステリ。
クズ男とは言い得て妙。最初のうち、とにかく彼の軽すぎるノリにむかつくことと言ったら! だけどそれにたらされてしまう人も少なくはないんだろうなあ、という妙な魅力もないではありませんね。その魅力的にも思える外面がすべて見せかけの態度にも見えて、逆に彼が本当は何者なのか、ってのは気になって仕方がなく。ぐいぐいと一気読みです。
と、これ以上はネタバレになりそうなので語れませんが。あまりにも切なく思えたこの物語は、誰かに愛されたかった人たちの悲劇だったのかなあ、と。悲惨な環境であれ恵まれた環境であれ、その部分は共通している気がしました。彼と彼女、どちらが幸せな人生といえたのか。
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02月-09。3.5点。
楠男という名の男、殺人を犯し「クズ男」と呼ばれる。弁護を依頼された主人公、クズの背後には。。
背景を調べていくうちに真相が。謎っぽく、だんだん明らかになる過程が結構上手い。でも哀しい。。
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殺人を犯した青年と弁護士との攻防。
小野宮楠生は恋人と清掃員の中年女性を殺害し、世間を挑発するような発言をして、クズ男と呼ばれていた。
しかしそのクズ男を支援する妙齢の恋人たちが、弁護士・宮原貴子のもとへ、弁護の依頼にくる。
楠生と接見した宮原だったが、殺害の動機や供述に違和感を覚え、調査していくうちに、殺された二人と楠生はM町で繋がっていることがわかる。
過酷な幼少時代に交錯した同級生の宍戸真美との関係性が、事件の鍵を握る。
楠生はなんなのために生きているのか。
とても面白くて一気読み。
誰も救われないのが、寂しい読後感です。
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ちょっとした勘違いでここまでいっちゃうなんて、怖いわ。
殺された若菜、吉永、宍戸母など楠生よりクズじゃないかなーと。。
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この作家さん、初読み。
表紙デザインといい、お名前のイメージから、
ライトな読み物を予想していたら、けっこう重たい・・・
最後まで勘違いしたままというか、すべての真相がわかっている人が誰もいないという状況。このままでいいのか。
ワタシは、途中で「白夜行」が頭に浮かんできました。
しばらく「まさきとしか」さん読んでみます。
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チャラチャラした外見で判断してもいいものか。これだけ掴みどころがなければ、何を信用したらいいのか判断に迷うわ。
嘘をついてでも罪をかぶろうとするほど、支えになっていた人物ということなんだろうか?
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面白かったけど、どこかで引っかかりが消えない。
クズ男の人生の哀しみなのか、吉永の馬鹿さ加減なのか、真美の薄っぺらさなのか、、、
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まさきとしか作品、ドロドロした人間の感情を描くのがやっぱり上手いな〜と感心しながら読んだ。
新作のレッドクローバーより読み易く、
後半真相が徐々に明らかになってくると
面白くて一気読み‼︎
色々な人間関係や個人の生い立ち・心情が細やかに表現されていて、引き込まれた。
最後はしっかり結末があるんだけど、
その後も気になるな〜
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【あらすじ】
2人の女性を殺した犯人(通称クズ男)と、被害者女性たちの接点をみつけるために、女性弁護士が翻弄される。
クズ男に傾倒する通称クズ女や、クズ男の特集を執筆した記者、宮城県M町の人々から話を聞く内に、クズ男の悲惨な過去と1人の女性に辿りつく。
【感想】
モヤ〜っとしたまま始まって、
モヤ〜っとしたまま進んで、
モヤ〜っとしたまま終わった。
読んでる自分自身の状況・心境がモヤモヤしてるのもあるのかもしれない。
今回は誰にも感情移入できずに読み終えてしまった。
またいつか、自分が薄っぺらいことで悩んでいるときに読むと、印象が変わるかもしれない。
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親子の関係性がテーマなのかなと思いました。主な登場人物たちが共通して幼少期に親の愛をきちんと受けていませんでした。ただ、スッキリしない部分もあったので、もう少し掘り下げてほしいなあと思います。
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読み進むに連れ悲しみが募って行った。
元交際相手の山本若菜とビルの清掃スタッフ・亀田礼子の二人を殺害したとして逮捕された33歳の小野宮楠生。
逮捕時のチャラい言動と名前の楠生からクズ男と呼ばれ罵られる。
二つの殺人事件は本当に楠生の犯行なのか、それとも真犯人が別にいるのか、動機は何なのか、弁護士の宮原貴子が調査を進めて行き徐々に明らかになる真相。
毒親の存在やネグレクト、幼少時に交わした宍戸真美との約束と、勘違いから生まれた犯行、全てのエピソードが辛い。
親から承認されず居場所のない子らの孤独に胸が締め付けられた。