紙の本
胃もたれしそう
2020/05/19 21:06
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
濃いカラメルソースのような蜜で、関わる人を破滅させる梶井真奈子。細い飴細工のような怜子。梶井によって、塩結びからバターライスに変わっていった印象の里佳。梶井によって、自我を壊されかけた怜子と里佳は、なんとか自分を取り戻していくが、梶井の、甘ったるい雰囲気が蔓延していて、なかなか読み辛かった。
バターをたっぷり使った料理が多く登場し、読むだけで胃もたれしそうだった。
電子書籍
BUTTER
2021/09/10 10:37
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投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読むと無性にバターを食べたくなる。紹介される料理やお菓子も。現に『エシレバター』を食したし、森永製菓のビスケットの『チョイス』も食べた。美味しいかどうかはともかく、無性に食べたくなる。
主人公は、週刊誌の女性記者。将来、女性デスクを狙うストィックな女性。太らないようストィックに体重管理をする。そんな主人公が取材のターゲットのしたのが、世間を騒がせている刑務所に収監中の梶井真奈子。中年の女性であるが、付き合っている高齢の男性を次々殺し、殺人の罪に問われている。梶井真奈子は、絶世の美女でもなく、寧ろ、肥満で容姿もそれほどでもなく、男性に持てているのが不思議な程。何か同じような事件があったような。外見は最低でも料理は抜群に上手で、男のハートを掴むのか?
主人公の女性記者は、梶井のインタビューを試み成功したかに見えるが、梶井にマインドコントロールされたように梶井に影響されている。
最初は推理小説かと思い読み進むが、女性の深層心理を取り扱っており、著者が何を訴えたいか解釈が難しい小説。結構、変わった小説か?
紙の本
ハイカロリーな一冊!
2021/08/01 14:16
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投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
作中に登場する数々の美食の描写が素晴らしくて、なんだか香りがしてきそうなぐらい…!
お腹が減るのに、お腹がいっぱいになってしまうほどの、くどさを感じさせる展開がハイカロリーな1冊でした。
女性として読めてよかった作品ですが、好みの作品とは少し違いました。
紙の本
スッキリしない結末
2021/01/16 17:56
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投稿者:優乃 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実際にあった事件を題材にしたと思われる一冊。
読み進めていくうちにどこか重い違和感を覚え、そのままエンディング。
好き嫌いが分かれる小説だと思います。
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序盤はとにかくバターの美味しそうな食べ方に魅了される。(実際作って食べた物も有り)
そして気づかぬうちにカジマナの手中にはまる…里佳をなぞるように。
後半にかけてカジマナを客観的に見れるようになってからの、里佳自身の気づき、カジマナの本質については、理解が追い付かないところもあった。
自身の適量を知る、という言葉は生活に取り入れていきたい。
柚木さんの著書は、ランチのアッコちゃんしか読んだことがなかったので、本作でイメージが変わった。私はこちらの方が好み。
時間をかけて読んだので、所々繋がらない箇所があった。また時間のある時に再読したい。
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終始、バターが潤(ほと)びています。
潤びる、この読み方初めて知った!
終始、バター。
こんなにタイトルにある単語が最初から最後まで出てくる小説初めて読んだ。
消費される人生は嫌だ。消費してやる!という気持ち。
考えすぎだし、自分を消費しすぎなんだよな〜、きっと。
最近頑張って楽観的な考え方をするようにしているから、共感はなかなかできなかったけど、非常に興味深い。
人と人って色んな角度から色々と影響し合うんだな、と。
カジマナとの面会で話を聞いて大きな影響を受けて思考や行動が変わっていく里佳。一対一の人間関係って本当に閉鎖的で危ういものなんだなとも気付かされた。
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約600ページに渡る骨太の作品。頁を繰る手を休められなかった。
所々に描写される食べ物が、生命の勢いに溢れている。
他方、虚飾と虚言に塗り固められた女はかつての豊穣さを枯らせていく。
彼女を取材する記者は彼女から生きていくことのエッセンスを得る。
濃いバターの風味が漂う作品だった。
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文庫化待ってた。
じわじわと核心に迫る系ミステリだと思ってたけど、中盤以降、生き辛さ抱え系社会派小説なんだと気づく。
何が正しいか間違ってるか、ましてや人が何を思い何に傷つくかなんて、わかるはずないのに、私達はみんな、本当は自分の中にしかない“社会"の檻に囚われて傷ついて、その範疇を超えた存在を畏怖している。でも、わけがわからない怪物のように見えるカジマナもきっと別の檻に囚われているに過ぎないのだろうと思う。
人生には救いなんかないけど、でも唯一希望があるならば、自分だけでなく恐らく全ての人にとって人生ってそういうものであるという事と、それを知っていれば、助ける事も助けられる事も出来るって事かも知れない。
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カジマナこと梶井真奈子は世間を騒がせた首都圏連続不審死事件の被告人である。
美しくないどころか、食欲に正直に生き、肥満した体を持つ彼女がなぜ男たちを虜にしたのか。
週刊誌記者の里佳は、拘置所にいる梶井の独占記事を書くため、梶井の気を惹こうとその嗜好をなぞり始める‥。
食材や料理の描写がとにかく多い。
私のように食に興味がない読者にとっては退屈で、肝心の登場人物たちの心理の変化に集中できなかった。
やっと読み終えた、という感じ。
食べ物の描写と心理とが密接に関わっているため、そしてそれがこの作品の秀逸な部分のため、飛ばして読むということもできず、なかなか苦しかった。
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バター醤油ご飯は食べたくなった。
でもこの本は好みではない。
様々なタイプの、特に多くの女性が登場するので、ゴシップが好きな人にはたまらなく面白いのかも。実際の事件をベースにしていて、主人公も週刊誌の記者という設定だし。読み応えはある。
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数年前から気になっていて、ようやく読めました。
女として生きること
容姿を整えること、適正体重であること、仕事をすること、家庭を持ち 子を産み育てること …
登場人物が皆個性豊かで、楽しい。仕事に没頭する里佳、家庭に入りながらも類い稀なる個性を発揮してしまう伶子、そして真奈子。その他にも篠井さんや北村など、性格やタイプはバラバラな者たちが里佳を介して繋がりを持ちはじめる。人は自分が持ちえないものに憧れてたり嫉妬したりする。それを持つものに近付く人や、忌み嫌う人。人間は無意識に支え合い、無いものを与えられたり借りたりして生きていくのだと思った。その描写が丁寧かつ細かく、そしてとてもリアルに描かれていた。
料理教室での梶井の葛藤や、仕事が忙しくてもお菓子を焼いたり料理を作ること、そして最後の七面鳥のシーン。上手く言葉に出来ないが、とても深みを感じた。
取り止めのない感想になってしまいましたが、いつかもう一度読んで感想を書きたい作品。
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殺人事件を扱った話だが、グルメ小説でもある。
とにかくバターを使った料理が食べたくなる!
これを読みながら、塩バターラーメンが食べたくて食べたくて
少し遠出して食べに行ったぐらい(笑)
バター醤油ごはんも試してみよう✌︎
私も料理上手になりたい。。。
七面鳥を料理する元気は無いなぁ。。。笑
2020年読了、7冊目
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実際におこった2007年から2009年に起こった「首都圏連続不審死事件」をモチーフにしている。
学生でしたが、失礼だけれど犯人の女性の容姿と婚活で知り合った高齢の男性が次々に亡くなっている事件とのことで衝撃が大きかったので、読んでみた。
冒頭は、主人公が通った高級料理教室や高級料理の描写がおいしそうでもあり、胸やけしてきそうで 読んでは止まりを繰り返してしまった。
しかし、週刊誌の記者が犯人に重ね合うように生活をし、犯人の心情が同化していく様は はらはらさせられ、描写がすごくうまかった。
やっぱり、柚木さんの小説は女心が見透かされているようでまた読み返したい1冊です。
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事件がメインテーマかと思ったが、女性に対しての世間の見方とか生きづらさなどが伝わってきた。
高級バターを買ってバター醤油ご飯を食べてみたい。
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長い。別に長い小説は嫌いなわけではないけど…最初から最後まで、ブレみたいなものをたくさん感じて入り込みきれなかった。元ネタも深い題材だし終始続きは気になる。けど、主人公の葛藤、挫折、再生、と色々あるなかで主人公の気持ちの変化などがいつも唐突で、一本の筋のようなものが通っていないように感じた。梶井と主人公の関係性にしても。この出来事で気持ちこうなるかー、の連続という感じ。