紙の本
生き急いだ男
2020/05/12 18:03
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
激動の幕末の中で、いち早くこの国の行く末を案じていた若き藩士の存在を知りました。急進的な思想から孤立していき、志を絶たれた不運がほろ苦いです。
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橋本左内が処刑されたのは26歳。あまりに早く亡くなったが、短期間にあげた成果は素晴らしい。橋本左内の生きざまが対談や漫画で要領よくまとめられており、読みがいがある。
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安政の大獄で斬首された橋本左内がいかに「すごい男」だったかを著者の文章だけでなく、対談(福井県出身の俳優とそえぞれの分野の専門家)・漫画や動画(QRコード→YouTube)で橋本左内の業績だけでなく、彼の子供の頃の逸話や、漢詩、などについて、あまり知られていない佐内の人となりが書かれた一冊。
安政の大獄での彼の処罰は「身分の低い者(藩医の息子)が将軍の後継問題に首を突っ込むのは不届き」と当初遠島であったのが、時の大老井伊直弼が、彼の説得によって次々と一橋派に変わっていくのを見て、「生かしておくわけにはいかない」と「死罪」にしてしまったとか。朝廷の面々も次々と一橋派に変わっていったとか。彼の説に納得した幕府の役人も居たという話もあります。
彼の説は後に福井藩の盟友由利公正によって明治維新の5箇条の御誓文に反映されたとか。
無名な頃に、あの藤田東湖に「福井藩には橋本左内がいる」と言わしめて、福井藩で登用されて行ったとか、西郷隆盛が城山で自刃するときまで、佐内からの手紙を肌身離さず持っていたとか。
幕末に散った長生きして明治維新に貢献できたであろう人の内の一人であった。
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「万機公論に決すべし」の大元となるデモクラシー的発想をした人として紹介。将軍継嗣問題が転機となったことがよくわかるが、開国か攘夷かという立場と、南紀派か一橋派かという立場が複雑に入り乱れており、この辺はもう少し詳細に調べてみる必要があるように思えた。
元々は福井で放送された番組をベースに作られた本ではあるが、対談や漫画等々を用いてわかりやすく説明されてはいるものの、やや冗長に感じる部分もあるし、基本的にはよいことしか書いてないので批判がないのが難点。とは言え、同じ安政の大獄で処刑された吉田松陰に比べると扱いが小さいので、もっと注目されてもよい人物であり、このような入門書が幅広く読まれることに期待したい。