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「サービスデザインは、組織がそのサービスを顧客の視点からとらえるのに役立つ。それはシームレスで質の高いサービスエクスペリエンスの創出を目指して、顧客ニーズと企業ニーズのバランスがうまくとれたサービスをデザインするためのアプローチだ。その根幹にあるのはデザイン思考であり、クリエイティブ人間中心のプロセスを通じてサービスを向上させ、新たなサービスのデザインに取り組む。顧客とサービスを提供する側の双方を関与させるコラボれーティブな手法によって、サービスデザインは組織が自らのサービス全体を正しく認識し、ホリスティック(全体的)で有意義な改善を可能にするのに一役買う」
■サービスデザイン原則の進化
2010
1.ユーザー中心
2.共創
3.インタラクション
4.物的証拠
5.ホリスティック(全体的)な視点
2017
1.人間中心
2.共働的であること
3.反復的であること
4.連続的であること
5.リアルであること
6.ホリスティック(全体的)な視点
■サービスデザイン実践の12戒
1呼び名は何でもいい
2ヘタクソな第一稿を作れ
3ファシリテーターであれ
4不言実行
5「イエス、アンド……」と「イエス、バット……」
6正しい解決策を見つける前に、正しい問いを探れ
7実環境でプロトタイピングせよ
8一つのことにすべてを賭けるな
9大事なのはツールを使うことではなく、現実を変えること
10イテレーションの計画を立て、改善せよ
11ズームイン、ズームアウト
12すべてサービスである
体験中心のジャーニーマップは状況の文脈を反映し、タッチポイントが全体の体験にどう組み込まれているかを示す。多くの場合、顧客にとってサービスや製品の使用は主な目的ではない。かつてハーバード・ビジネス・スクールでマーケティング教授を務めたセオドア・レビットの有名な言葉を聞いたことがあるだろう。「人々が欲しいのは4分の1インチのドリルではない。4分の1インチの穴だ」。しかし現実には、人が壁の穴を欲しがることはめったにない。望んでいるのは居心地のいいリビングルームである。
ソフトウェアの最大のバグを発見するためのユーザビリティテストとまったく同じで、サービスデザインリサーチはフィジカル/デジタル製品またはサービス、あるいは何らかの(カスタマー)エクスペリエンスにおける最大のバグ(または機会)を見つけるためにおこなう。
データサイエンスは「何」を幅広く大規模に、エスノグラフィは「なぜ」を深く濃く明らかにする。これら2つのテクニックを合わせれば、とてつもない力が生まれる。
アイデアそのものに特別な価値があるわけではない。アイデアは良いものでも悪いものでもなく、単に役に立つ可能性があるだけなのだ。
人々が自らの行動を変える可能性は、次の3つの要因に左右される。(1)行動を「変えなければならない」理由をどこまで理解しているか。(2)どの程度「変えたいと思う」のか。(3)どの程度「変えられる」のか。ひとことで言えば、「マスト*ウオント*キャン(MUST*WANT*CAN)」、あるいは「ドライブ*モチベーション*アビリティ(Drive*Motivation*Ability)」となる。組織における個人の行動の変化を定着させるために必要なものが、この3つの要因にすべて含まれている。
…成功する確率を最大限引き上げるには、次の行動がポイントになる。
・まずは動機づけから
・小さくて具体的な、同時に有意義なことを1つ選び、これまでと違うやり方で実行する
・上記が簡単におこなえるように、環境を適合させる。
・同じような行動に慣れている人々と関係を築く。
・そこから自分のアイデンティティを新しく定義する。
行動変容については、覚えておくべきことがさらに2つほどある。第一に、長い間、人々の行動を変える鍵は「それで自分にどんな見返りがあるのか?」という問いにあると考えられてきた。
このモデルは人々の行動パターンをきわめて業務的にとらえているだけでなく、間違いであることも実証されている。実際、行動変容の必要性と最低限のモチベーションを立証できれば、最も重要な問いは「どうすればできるのか?どうすればうまくできるのか?」となる。
…多くのステージは「自分は変われる」という自信と関連している。
第二に、忘れてはならないのは、感情の効用だ。感情は行動を促す最大の要因である。確かに、感情はエネルギーの源であり、行動のきっかけである。人々が純粋に合理的根拠に基づいて行動を起こしたり、行動を変えると確信したりするのはきわめて困難、あるいはほぼ不可能だ。その点、組織に属する人々の感情面にアピールできるのがデザイナーやデザインシンカーの強みであり、この強みを行動変容マネジメントに活用すべきである。
■文書化する主なアウトプットの例
・生データ、リサーチウォール
・視覚化されたリサーチデータ
・キーインサイト、JTBD、ユーザーから聞き取ったストーリー
・調査報告書
・機会領域
・アイデア、アイデア・コンセプトのスケッチ、アイデアウォール
・将来のアイデアとコンセプトの可視化(将来のシステムマップ、将来のファーに―マップなど)
・プロトタイプ。可視化や文書化を含む
・プロトタイプに関する報告書
・プレゼンテーション
・実装ロードマップ
・実装されたサービス、フィジカル/デジタル製品