紙の本
向田邦子さん
2020/09/13 19:56
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
向田邦子さんが好きなので、久世光彦さんの描く向田邦子さんに興味があり読んでみました。他にも森繁久彌さん、森光子さんへの思いが溢れていて心を打たれました。
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やっぱり好きだな、久世光彦の文章。
少々、感傷的すぎるけどそこがなんともいえない昭和っぽい懐かしさを醸し出してて、あーこの人の新刊はもう読めないんだなと淋しくなる。
この本は著者の好きな「あの人」達のことがいっぱい描かれていてどれも、本人が読んだらさぞ嬉しいだろうなと思うことが著者の視点で表現で記されている。
向田邦子や森繁久彌、樹木希林に小泉今日子、田中裕子
、小林亜星、小林薫、太宰治といった久世ファミリーはもちろんのこと、意外なとこで心を打たれたのは内田裕也、たこ八郎、赤塚不二夫はたこ八郎のこと”現代の妖精”と評してたんだね。
ちょっと頭の弱い人としか思ってなかったけど、たこ八郎のこともっと知りたくなったよ。
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久世光彦 著「あの人のこと」、2020.3発行。沢山のあの人が。私は5人の人を。①向田邦子さんとたった一度の待ち合わせは銀座5-5-12、1948年設立の近藤書店 ②数歳年上の岸田今日子さん、サロメで上半身裸に、びっくり。長生きして百歳のサロメの胸を見せて欲しい(残念でした)③黒柳徹子さん、向田邦子さんの留守番電話に10回かけ続け、最後は尻切れトンボに ④高倉健さん、昭和残侠伝の「唐獅子牡丹」、映画の中だけで歌われた歌詞にしびれた(同感です)⑤山口瞳さんが直木賞に押さなければ向田さんは死ななかったのに。私は正気でそう思った。山口瞳「木槿の花」。私は、あのころ、会ったこともない山口瞳に嫉妬していた。(「木槿の花」を読んで、山口瞳の気持ちが理解できたそうです)
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『樹木希林、美輪明宏、宮沢りえ、夏目雅子、森光子、内田裕也、岸部一徳、高倉健、阿久悠、太宰治、江戸川乱歩…など。時空を超えて溢れ出す久世光彦の「偏愛」。』
交友のひろさが圧倒的。表現も巧みで、文学的。ただどうしても絶賛型になるし、ちょっとウェットなタッチにはあまり相性がよくない。
『そんなに急ではないが、上がりきるにはちょっと難儀する坂道である。たとえば古い東京の麻布あたり、簞笥町から市兵衛町へのだらだら坂から、荷風の偏奇館があった界隈を思っていただければいい。』
知らんがな と思う。そんなの常識ですよね といういうのが鼻につく。知らない人はついてくるなというインテリ特有のいやらしさですね。
『現場に立って、たとえばそこに長火鉢があり、火に湯気の上がる鉄瓶がかかっていると、おのずから出てくる台詞というものがある。作家が脚本を書いているときには予想できない、その場の匂いや温度や音というものがある。そこにいれば、生理的にどうしても反応してしまうことがあるのだ。それを森繁さんは、大切にしようとする。すると脚本にない台詞も言いたくなる。これは単なる即興の、いわゆるアドリブとは違うのだ。その役として、そのシーンに(生きる)ということなのだ。』