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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
織田信長の妻、斎藤道三の娘である濃姫の名前は知っていましたが、はっきりしたことがほとんどわかっていないことは知りませんでした。ちょっと荒唐無稽な感じもしましたが、楽しく読めました。
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蝮と呼ばれた美濃の斎藤道山の娘、帰蝶。
その生まれと、織田信長に嫁いで濃姫と呼ばれたこと以外は史料に乏しい彼女の生涯を、独自の解釈で描いた作品だ。
本書の帰蝶は、蝮の娘にふさわしい肝のすわったりりしく自立した女性として描かれ、本能寺の変も彼女の存在を絡めた展開をみせる。
おしなべて好ましい物語だったが、さすがに武家の姫が商人に…という展開には奇想天外さを感じた。
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もともと濃姫の一生は謎に包まれてるらしい。
よく読む歴史小説との共通点は、斎藤道三の娘である事と、道三と信長が何処ぞの寺で面談を果たす事と、本能寺で共に死す事くらい?
私の知識もほとんど「国盗り物語」だけど。
生き別れの姉がいただの、信長と一旦別れて京で小物屋やっていたなど、斬新すぎる設定は面白かった。
要所要所は綺麗にすっ飛ばして文庫本一冊に纏めたのは良かったかな。
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斎藤道山の娘で、織田信長の正室・帰蝶(濃姫)の生涯を描いた1冊。
帰蝶の経歴が史実的に不明点の多い事を活かして(?)かなりフィクション色強めです。
帰蝶が自分の生き方を見つける為に、信長の元を離れて京の都で商い修行をする展開や、さらにその修行先の女店主・おきよが帰蝶の生き別れの姉だったりと、なかなか大胆な設定です。
そして、帰蝶、おきよ、信長、(明智)光秀の“男女4人恋物語”的な要素も・・。
女性が自らの意志で生きる事の難しい時代に、“自分の生き方”を模索した帰蝶とおきよ。このような描かれ方も新鮮ですね。
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斎藤道三の娘にして、織田信長の正室「濃姫(のうひめ)」こと、帰蝶さまの物語。
昨年の大河ドラマで何かと話題な帰蝶さまだが、この本の発行は2019年12月25日、「麒麟が来る」の放送開始直前というまことにタイムリーなものだった。
また、帰蝶さまに会える本。
武将の国盗り物語ではないので、戦乱に関しては、あった事、流れのみが語られる。
主なエピソードが記憶にあればOK、「麒麟」を観ていれば予習として更に分かりやすくなる。
本題は、戦国時代に生を受けた一人の女の生き方。
帰蝶に関しては、明智光秀と同様に資料は少なく、いか様に描くも作者次第なところがある。
この作品には意外なオリジナルキャラが用意されていて、見届け役を務める。
帰蝶は、大河ドラマ「麒麟が来る」と同じように、従兄弟である明智光秀に心を寄せている。
信長に嫁ぐことになり、戦国の女としての自分の運命に疑問を抱く。
この時代、女は政治の道具として、同盟の証に政略結婚させられることが多かった。
正妻である母や、父の側室である深芳野を見て、自分は、男の道具ではなく帰蝶としての人生を歩みたいと思う。
「〇〇ちゃんのママと呼ばれたくない」という、現代の女性にも理解されやすい、帰蝶の思い。
自分探しの旅の果てに行き着く先は、夫や、側室の産んだ子供達のために生きる、それも自分の生き方、という考えだった。
現代的に、また一般的に言い換えれば、他人に「あなたは夫や子供のためだけに自分の時間を使っている。あなたらしい人生って何なの?」みたいなことを言われたとしても、その生き方を本人の意思で選んでいたのならば、それは自分らしい人生。「これが私」と胸を張っていいのである。
そこから、帰蝶が、自分も夫をよく見ていなかったのではないかと思い、やり直すくだりも、不自然ではない。
作品の数だけ、「本能寺の変」の解釈は存在する。
ああ、この世界ではこういう運命であったか、とただ納得して感慨するばかりだ。
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読みやすくムダがない文章なのに背景まで脳裏に浮かぶし、帰蝶の聡明さも伝わる。
この帰蝶は姉がいて京で商いをしている設定で侍女のはからいで商いを学び自分で切り盛りする。血が繋がっている事を知らずに2人は出会うが史実がないならではの空想が広がっていくが全然おかしくない設定なのですんなり受け入れる事ができた