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キャッチコピーにもある様に、大人の成長物語でした。「できない男」結婚だったり、決断力だったり。青春にはとうに過ぎているいい大人達が、自分を変えようと模索する姿が爽快でした。荘介と春希、お似合いですね。きっと穏やかな幸せは宇崎さんなんだろうけど、それは成長と言うより安定かな。今後の二人が見てみたいです。
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仕事もできない、彼女もできない、生まれてこの方華々しいこととは無縁の『できない男』芳野壮介。
かたや、仕事も恋愛も見た目も揃っているのに、独立にも結婚にも踏み込む覚悟が『できない』男、河合裕紀。
壮介の住む、山と田圃しかない地方都市に、地元企業がテーマパークを作ろうというプロジェクトが立ち上がった。
そこで正反対のふたりが出会い…
それぞれのダメな部分と悪戦苦闘しながら、世間でなんとなく言われ、周りから期待されたりプレッシャーをかけられたりする“成功”や“幸福”ではない、本当に自分が心から求めているものが何かを探していく。
『ヒトリコ』からずっと読んできて、ついにアラサーまで来たなぁ。
登場人物の年齢層が成長するにつれて、だんだん文体も軽やかになってきて、色々な人が共感できる作品になってきた。
リア充イケメンにも悩みがあるんだ、へー。ほー。
そうそう、教室でにぎやかに大きな声を出してはしゃいでいなくたって、こっちはこっちで別に楽しんでるのに、憐むのはやめて欲しいよ。
で、社会人になっても、そのノリやめてくれよ…
…と、ついつい壮介の気持に寄ってしまう。
『イル メログラーノ』の賀川さんが、いい味出してる。さすが料理人⁉︎
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正直読んでいて結末は予想できた。ただ、芳野の気持ちをまるで自分が芳野本人かのように感じながら読むことができた。その点で、星5つ。そして、1人だけの視点だけでなく、河合の視点も見れてなかなか面白かった。ダラダラと1人視点の物語を読むのではなく、相反する吉野と河合目線で、まるで反比例するグラフかのように2人の成り行きを読むことの出来る本だった。
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「何者にもなれない自分」をなんとかしたいと、奮い立たせてくれる本
「なりたい自分」と「時間の経過」の仲違いにすごくストレスを感じていたのだけど、いつからでも遅くはない、ただ早ければ早い方が良い
やはり人生飛び級なんてないので、コツコツ行動することですね
いつか実写化しそうなくらい、どのシーンも映像が浮かんできました
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あるプロジェクトで一緒に仕事をすることになった荘介と裕紀。一見真逆な生活を送っているかと思いきや、根底となる要素は似ているところがある。仕事を通じて、アラサーの二人が仕事や結婚、人生観などどう今後、送っていくのか成長が描かれています。
荘介と裕紀の視点を交互に物語は進行していきます。
物語の舞台となる夜越町は、東京から2時間。多分茨城県です。干し芋が登場したり、作者が茨城出身ということもあり、その地方での描き方が巧みでした。内から見たのと外から見た地方の見方が、物語にアクセントとして加えられていて、活かされていました。
この本を機に作者について調べましたが、額賀さんって女性だったということに驚きました。
というのも登場する二人の人生観が、ものすごく共感しました。自分の立場と同じじゃないかと思うくらいリアルで、てっきり作者自身を投影しているのではないかと思ってしまいました。20代最初の方は、仕事を一生懸命頑張っていたが、段々と気持ちに余裕が生まれ、今後どうしていこうかなと考え始めます。恋愛や仕事でトラウマが生じ、もうイイヤと思って、現状維持。
現段階で満足してしまう。なかなか踏み出せない。今の自分と共通する部分が多かったです。
額賀さんの作品では、スポーツや青春小説を多く手掛けていることもあり、雰囲気はそのままでした。お仕事小説ですが、笑いあり、苦悩あり、周りの環境は違えども、青春時代の延長を見ているような感覚で、読みやすく爽やかに描かれている印象でした。
この二人に振り回される女性には、気の毒で仕方ありませんが、今後良い人生を送ってくれればと思います。
女性から見れば、焦った過ぎると批判を浴びせかねないですが、こういう男もいるんだとわかって欲しいです。もしかしたら男性に限らず、こういった価値観を持った女性もいるかもしれません。
読む人によって、様々な捉え方をするかと思います。
ちょっとしたきっかけをどう自分が判断していくのか、後ろからバーンと背中を押してくれる作品で、面白かったです。
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タイトルからしてよほど「できない男」のダメダメな日常を描いたお話かと思いきや、いやいや、自分からみたら主人公の荘介は十分「できる」男に分類される人間だと思います。
まず広告業界に身を置いている時点で、きらきら感満載ですし、初対面ながらともに仕事をすることになった河合との距離の詰め方やコミュニケーションのとりかた、ひょんなことから一緒に社内コンペで組むことになった春希とのやりとりなど、どれをどう見ても「できる」男のそれでしかないと感じます。なによりも本作を通して憧れのデザイナーである南波とともに仕事をする機会にも恵まれることとなり、すっかり仕事の能力を向上させているわけで。
そんな展開のなか、物語後半では荘介の仕事への入れ込みようや熱量、ちょっとした自信みたいなものがみなぎってきている印象を受けます。春希と組んだ社内コンペでは時間のないなか、茨城と東京を行ったり来たり、様々な意見を戦わせたり、そこには自分から仕掛けていこうとする姿がありました(仕事で一皮むけるときの典型的なパターンの一つかと)。
物語の終盤では東京で仕事をすることを考えたり、さらには宣伝用とはいえ結婚式撮影の場でプロポーズを受けながらもその場を脱走、しかも春希も道ずれにして挙句の果てには告白してしまうという展開で、自分自身の手で人生を選びとっていこうとする荘介の力強さが描かれています。
こんな感じで「できる」シーンがたくさん描かれているわけで、「できない」男が「できる」ようになってゆく成長物語として読むべき一冊なのかもしれません。
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芳野と河合、2人の青年デザイナーの物語。
『仕事も恋愛もできない男』芳野、『仕事や恋愛に反して、覚悟ができない男』河合。自身の現在地に応じて、2人のどこに共感するかは変わるかもしれない。
自身は30を過ぎて、結婚もしている。けれど、『自分が好き』と指摘されて焦る河合に共感してしまう。子どもがいたらまた違うのかもしれないけれど、夫婦2人で暮らす分には互いに自分の人生に責任を持てばそれでいいと思ってる節がある。
最近モヤモヤしていたことはこれだったのかも、と思った。側から見れば、きっちり社会人として働いているし、伴侶との暮らしも責任を持って生きているように見えるかもしれない。けど、根本はチャランポランで自分は自分のためにしか生きていない、ということに自分自身で気付いている。
子どもを作るのが正解だと思わないし、世間という自分が作り上げた常識に当てはめに行く必要もない。でも一方で、自分のためじゃなく、もう少し人のために生きてみたいという気持ちがあるんだな、ということをより自覚するようなきっかけを与えてくれた。
小説を読んだから、短期間で何かが大きく変わるわけではない。でも、確実に自身の中にある価値観と向き合う機会にはなった、そういった体験をさせてくれる本であった。
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荘介は《できない男》というより、まだ実績のない男。向上心があり、チャンスがあり、コクる度胸(!)まである......足りないのは自信だけ。
裕紀の《覚悟できない男》ぶりの方が描き込みが周到。現状に安住して、転機が迫ると目をそむけてしまう。わかる。
ラストでの2人の決断は......恋愛に関しては保留! という大胆なオチに、不思議と胸のすく思い。
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デザインの 世界は わかりませんが。
この作家さん 女性なのに よく 男性心理が わかりますね。
ちょっと 脱帽です。
最初は 過去に後悔する男たちかな あまり 共感できませんでした。
でも 昔の自分も そうだったなと思うと 懐かしくもありました。
今は 過去と 他人は 変えられないが 未来と 自分は 変えることが出来る この言葉が 似あう 小説でした。
次回作 楽しみにしています。
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前後表紙の男性二人に、終始ニヤニヤが止まらない。頑張ってる、ほんとに二人とも頑張ってる。宇崎さんが可哀相すぎて…彼女のトラウマになるんじゃないか、と少し心配です。最後はそっちに転ぶのか、とまたもニヤニヤ。みんな人に恵まれてるな…。不貞腐れたくなる時もあるだろうけど、二人の決断は先に幸せがある、と確信がもてました。青春、と呼ぶには歳が行き過ぎてるけど、まだまだこれから、の若者達が眩しかったです。荘介&春希をめちゃくちゃ応援したい読後でした。
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「トンネルから抜けた」感あり。
北上次郎が反応できるくらいに判りやすい話だし、TVドラマ化でもされれば、さらに「売れる本」になるかな。
大事なのは、「この次」だけど。
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初めはどんな話なるのかよくわからなかったけど、登場人物たちが絡みあってきたあたりから面白く感じて、ほぼ一気読み。最後の展開には驚いたから、さらにこの続きの話を読みたくなった。
できない男たちなんかじゃない。格好いいなって思った。
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サクサク読めてお仕事小説として面白いなぁと思った。
2人のできない男が成長していくのは気持ち良かった。
でも、宇崎さんをあんな風に傷つけるなんて、
ちょっとあり得ない。
確かに、もう地元にはいれないだろうけど
退路を断つために必要だった?
いやぁ、ないなぁ。
人を思いやれないなんて開き直りとしか思えない。
さすができない男である。
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南波さんが(佐藤○○○やnend○の人とか)思い浮かべる人はいるけど
仕事オンリーとか浮ついた合理主義かと思ったら
奥さんと結婚した理由が恋愛の好きではなく
この人といたら楽しくなる、もう一段上に行けるからだとか
覚悟がない男 河合に対して
最後自分が頼りすぎてて道を閉ざしてしまった気がするから
独立しろよと促すところとか
身内に対して愛のある人で良かった
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ラストは納得いかなかったけれど、その直前まで、主人公たちの気持ちがとてもリアルに感じられた。でも、あのラストはないよ。彼女はちゃんと話せば東京だってついてきてくれると思う。この主人公はそんな人の気持ちを無視しちゃうキャラじゃないんじゃないかなぁ。
あともう一つ納得いかないのが、この《みかけだけ》のウソっぽいテーマパークが集客を落とさずに続けていけているところ。デザインの力ってそんなにすごいんだろうか。栃木の観光地をあちこち見てきたけれど、そんなに甘くないと思う。
じゃあ主人公がはじめに提案したような、地元がよくわかっている人がその良さをアピールするようなテーマパークが成功するかというとそれも難しいだろうけど。
そういうところには疑問を感じたけど、二人の主人公たちの葛藤と希望のさまはとても良かった。
ここのところだいぶ気持ちが落ち込んでいたので、読んでだいぶ元気をもらった気がする。