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タイトルのとおり、著者は「食べてはいけない」という世間の言説に対して、慎重かつ軽やかな筆致で鋭くメスを入れる。とくに「塩」「うま味調味料」に関する章は、翻訳ものであるが日本人にとってより役立つ内容だと感じた。どれも恐れ過ぎずほどほどに……。この当たり前かもしれない姿勢に好感が持てた。
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加工食品はとにかく悪そうだ。楽しい人と形の残った食事がよい。適度なアルコールの良さそうなのはホッとする言葉。
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「食事版ファクトフルネス」とでも言うべき書籍だと思われます。
従来食べるのを避けるべきと言われてきた食べ物の本当のところを教えてくれます。
とはいえ、やはり添加糖は身体に悪いと記載があるので、よくみる果糖ブドウ糖粘糖等は避けていくべきものだなとは思いました。
論文口調なのと、英語調の文章だったので、少し読みづらかったけど、いい考え方を知れました。
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「エビデンスで示す新常識」はちょっと言いすぎかな。そう書かないと、こういったまっとうな本は売れないのかもしれない。
消費者の不安をあおる刺激的な「研究」結果ばかりがニュースになりやすい。しかし、信頼度の高い研究結果が示すのは、結局のところ、偏らずいろんなものを適度に食べましょうという「つまらない」結論である。良書。
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通説のようになっているが、科学的に見るとエビデンスは特にない「食のウソ」について解説された一冊。メディアや健康本等で、体に悪いという意見も多くみられる食品「バター・肉・塩・グルテン・酒・コーヒー・人工甘味料・うま味調味料・非有機食品」について、多くのエビデンスを基にその良悪が判断される。これらの食品は、総じて食べても特に問題ないのだが(一部食べてはいけない人もいる)、食べ過ぎに気を付けようといった感じのものが多い。
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著者のアーロン・キャロルさんの人柄が本書の最初と最後に集約されていた。
食事や食べ物の色々な情報が飛び交う中、もう少し肩の力を抜いてもいいんだよ。と言ってもらえた1冊。
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・トランス脂肪酸
冠動脈性心疾患のリスクをかなり高める。LDL(悪玉)コレステロールを上げHDL(善玉)コレステロールを下げる。中性脂肪(トリグリセリド)の値も上げる。飽和脂肪酸の倍の悪影響。
・飽和脂肪酸は悪だというデータは不十分
・牛乳
唯一、大人なってもミルクを飲む生物。
日本人の80%は乳糖(ラクトースト)の消化吸収ができない。
デメリット
乳は、骨折増加と死亡率増加と関連。
メリット
心血管の健康増進、糖尿病の予防効果が得られる可能性。
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因果関係を示せるのはランダム化比較試験しかない。
本物の食べ物=昔の人々が知っている食べ物、だけを食べる、ときどきはダイエット炭酸飲料を飲んでもいい。
医学はエビデンスは少ない。最善の推測でしかない。実験室やラットを使う実験は正しいとは限らない。実験では、マウスの特性をそろえないと同じ結果がでない可能性があるため、メスのマウスを用いない、などの方法がとられることがある。
信頼性が最も低いのは症例報告。次が横断研究。その上は症例対象研究、コホート研究(前向き研究と後ろ向き研究がある)。これらは観察研究。因果関係は証明できない。
因果関係を証明するためには実験が必要。最上位はランダム化比較試験。極めて少ない。それを補うのがシステマティックレビューとメタ分析。元のランダム化比較試験は短いもの、人数が少ないもの、が多い。
病気に結びつくことを調べるのはもっと難しい。莫大な時間と費用がかかる。
健康にいいという証拠がでるとは限らない。
一般通念は疑ってみるべき。
因果関係の中で障壁となる交絡因子を補正することで混乱要因が増える。
バターは飽和脂肪酸の塊。マーガリンは植物油に水素を混ぜて固体化する=トランス脂肪酸。わずか1~3%でも心疾患のリスクが高まる。コホート研究から。
人間は唯一子供時代を過ぎてもミルクを飲む。ビタミンⅮはカルシウムの吸収に欠かせないのは事実。脂肪は体重増加を引き起こさない(総カロリーが引き起こす)。
魚が体にいい、は本当。大型魚は水銀の蓄積があるが、避けるほどではない。豚肉の飽和脂肪酸は赤身肉と鶏の中間。WHOによるがんを引き起こさない食べ物はない。
相対リスクと絶対リスクの差は大きい。マスコミは相対リスクに注目しがち。ほどほど肉を食べるのは身体にいい。まったく食べないよりもいい。
身体に必要なコレストロールの量は決まっていない。コレストロールの摂取と体内量には関係がない。
卵でサルモネラ菌に感染しているものは極めて少ない。それを食べた人がみんな病気になるわけではない。
塩の成分のナトリウムイオンと塩化物イオンの両方が必要。塩は苦みを抑える。サラリーの語源はサルト塩。食塩の推奨摂取量は根拠がない。高血圧の人にはよくないことは確か。正常な人には関係がない。
知らない間に摂取している塩のほうが問題。加工食品は塩を入れた方がおいしくなる。
グルテン=タンパク質複合体で弾力性を生む。小麦アレルギーはグルテンを避ける必要はない。グルテンを避けるのはセリアック病の人。自覚症状がない。過敏性腸症候群と診断されている人もいる。
グルテンフリーはセリアック病の人向けだが一大ビジネスになった。グルテンフリーはダイエット食ではない。ビタミンbや葉酸、鉄、マグネシウム、亜鉛が少なる可能性がある。グルテンを避けると調子がいいと感じるのは、ノセボ効果。
アルコールは心血疾患の予防につながる。がんにはよくない効果がある。相対リスクが26%上がる。大量飲酒は大腸がんの発生率が高いが、適量では変わらな���。適度な飲酒は、心血疾患の予防になる。がんには悪影響があるが、予防効果の方が多い。飲酒が悪いという研究には穴がある。医者がアルコールを積極的に勧めることはない。
コーヒーは脱水症にはならない。コーヒーを三杯飲んでも尿量は100ミリリットルしか増えない。がんや心疾患の予防になる。適度なコーヒーは身体にいい。
ダイエットソーダは、太っている人がダイエットのために飲む可能性が高く、そのためダイエットによくないイメージがある。因果関係はどちらにあるかわからない。
人工甘味料について結論はまだ出ていない。糖類には死亡をの関係があることがわかっている。糖類のほうが健康に悪い。相対的な問題で、加糖飲料とダイエット飲料であれば、ダイエット飲料を選ぶ。
MSG(グルタミン酸ナトリウム)は化学というだけで悪者になっている。悪いとする研究に一貫性はない。おいしいし不可欠。
有機食品が高いのは、生産コストが高いから。健康科学から見ると有機も非有機の同じ。有機でなくても健康的な食事はできる。有機はぜいたく品なだけ。効果は薄い。
食事を楽しむこと。ブラジルのガイドラインは素晴らしい。加工食品を避ける=ラベルを診なければならない者は避ける。運動に費やすと同じくらいを料理に振り向ける。飲み物は主に水。