紙の本
わかりやすい
2021/08/01 21:26
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファシズムについて、いろいろな角度から分析されていて、よかったです。ヘイトスピーチなど現代の問題点が、わかりやすかったです。
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ファシズムを体験する授業の実践をとおして、ファシズムの危険な魅力と、それに引き込まれる我々の心的なメカニズムを明らかにした一冊。授業の内容や学生たちの反応に加えて、教育的意義、舞台裏までをも網羅した充実の内容だった。
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ネットの記事で見たのかな、ファシズム体験教室(言い方)みたいなのをやってるってのは。若けりゃ潜ってでも行きたかったな、と思ったりしたんやけど、けっこう丁寧に手の内教えてくれてます。いや、教えてもらったからってそう簡単にできるかはわからんけど。で、10年続いた名物授業を止めた一因が記事読んだだけの右派議員による圧力(とは書いてないけど)ってのはムカつく。授業を見たわけでもないのに(とは書いてないけど)議員の立場を利用して文科省にチクられたくなければ止めろみたいな。
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2010年から10年にわたって大学講義の中で実施された「ファシズムの体験学習」について、講師自らが著している。
「ファシズムを肯定するものではなく、その危険性を認識することが目的」は当然だが、意図した効果を受講者に与えることと、暴走の危険性をコントロールすることは、相当に気を遣う、難しい舵取りで、安易に真似のできるものではない。また、小中高では、この体験学習以外にも同じ集団で過ごす時間が多いことから、暴走の危険性が高過ぎるとも。
受講生たちは特別な感覚を与えられ、そのあっけなさに多くが驚いている。それだけでも怖いが、現代にもファシズムに通じることがいくつもあることが分かる。ヘイトスピーチ、自国第一主義、移民排斥、そして学校や職場でのいじめ。。過剰に傾くことが無いように、時々この本を思い出さなければ。
有名な昔の実験、「青い目、茶色い目」も、この体験学習と類似。You Tubeでも映像があるが、なかなか衝撃的。
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ファシズムという言葉は知っていても具体的定義を知らなかった。体験授業で自分が行動し、体感する講義のレポート。最初に歴史やファシズムの実験実例など記載があり、全くの未知からでも入れる。集団の高揚感、使命感、責任回避など、そう言えば確かにと思える。現在の自主警察、排外、アンチなど、いつファシズムに変化してもおかしくない。
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ファシズムがあの時代のイタリアであり、ドイツであったから、成立したものでは決してないのだということを教えてくれる本だった。
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書評をきっかけに読んでみたが、小難しくなく読みやすく、微妙なテーマを一歩引いて眺めることができる。
前代未聞の授業ということが全面的に出ているが、一部を切り取らずに通読するといいと思う。
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体験授業を通じてファシズムを学ぶという、大学の授業を実施していた大学教授による本。
生徒たちが、授業を通してどこまで理解したのか何とも言えないが実施体験できるのは興味深い。
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集団となることの心理を体験させることでファシズムを疑似体験させる「ファシズムの体験教室」(甲南大学での講義)の様子を紹介したもの。ファシズムとは必ずしも抑圧的なものではなく、参加者の愛国心や大義への献身、集団となることで生じる責任感の喪失等によって成立していることを簡便に示している。
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ファシズムが成立する要素が体験学習を通じ整理されていて、これも興味深い。
体験学習自体がまず面白く、丁寧に設計されている。実施しなくなったことは残念だ。
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これはいま読まれるべき。
第1章のナチズムの説明が日本の現在地と重なり過ぎて怖いぐらいです…。そして著者が大学で実施した「体験学習」の詳細な解説、実施上の注意点や課題などの気づきからも学ぶところは大きかったです。アクティブ・ラーニングと声高に言われますが、こういった丁寧な準備と省察が必要なんだなと実感しました。
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甲南大学の「社会意識論」という講義で行われる”ファシズムの体験学習”という体験学習の実践についてまとめられた書籍です。
「ファシズムは悪い」という説明だけで済ませるのではなく、実際にファシズムのもつ「魅力」を体験・体感させることで、ファシズムに対する危機意識や警戒感を抱かせ、ファシズムへの対応を身につけさせようという狙いの本講義は、その過激な手法から、(外部からの)反発も少なくなく、2019年度を最後に体験学習は幕を閉じたそうです。
10年間に及ぶ実践と、学生のレポートを中心にこの試みの意義と成果、そしてファシズムの構造についてわかりやすくまとめられています。学生への講義(体験学習の事前学習)としてファシズムの仕組みや研究の歴史的変遷なども説明されており、「ミルグラム服従実験」やアーレントの分析にも言及されています。
本実践は魅力的ではあるものの、著者も文中で述べている通り、集団が教師の目/手を離れて暴走してしまうリスクがあるため、中学・高校での体験は難しいと感じます。
やはり、大学のように「講義のみでつながっている=集団として暴走できるような”つながり”や機会が希薄」な環境であればこその実践であろうと思いますし、大学に進学するまでに経験してきた小・中・高での「集団/団体行動」の経験が、またこの体験学習の理解に役立っているようにも感じます。
※本書では、(p.6)「大勢の人々が強力な指導者に従って行動するとき、彼らは否応なく集団的熱狂の渦に飲み込まれ、敵や異端者への攻撃に駆り立てられる。ここで重要なのは、その熱狂が思想やイデオロギーにかかわりなく、集団的動物としての人間の本能に直接訴える力をもっていることだ。▼全員で一緒の動作や発声をくり返すだけで、人間の感情はおのずと高揚し、集団への帰属感や連帯感、外部への敵意が強まる。この単純だが普遍的な感情の動員のメカニズム、それを通じた共同体統合の仕組み」をファシズムと定義している。
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集団が暴走する様を疑似体験できる面白い授業だ。
危険性を指摘する声もあるみたいだが、同じ目的を持ったコミュニティというのは世界中にあるわけで、カリスマ指導者の下、社会に認められている場合もあるので、すべて暴走する危険性があるとは一概にも言えないだろう。
これが社会性のある動物としての人間の本質とするならば、今後も世界に悪影響を及ぼす集団が生まれないよう、その危険性について、この授業のように教育する必要もあるのではと思う。
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大変面白く読んだ.
学生側からの生の声など,相互補完的になっているとなお良かったかもしれない.
中学生の頃,制服とか,号令に合わせての行動とか行進とか,気持ち悪くて大嫌いだったけど,それを表出する手段は中途半端にはみ出してみるくらいで,実はビシッと行進や掛け声が決まった時の高揚感も感じていたりして…
制服もない,確たる校則もない,高校に進学した時,「枠組み」が大き過ぎて戸惑ってしまったのはその反動か?
自由を謳歌するにはそれなりの負荷がかかるし,相応の「努力」や「理性,知性」が必要で,「縛られて」た方が,楽なんだよなぁ,人間.
でも縛られて,楽して頭使わないでいると…どこに連れて行かれるか…
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20201223読了。大学で実際に行われたファシズムの体験学習についての本。この本では、ファシズムの本質とは、権力者とその下で団結する民衆による集団行動の過激化とされている。それを大学の講義で実際に教授と学生で体験する。
全体の統率を高めるために、服装指定(白シャツをジーパンにイン)や、「ハイル、タノ!」、「リア充爆発しろ!」等の掛け声が使用されていて、なんだかちょっと面白い感じだな、と思っていたが、その後の講義を進めるにあたっての注意事項を見ていると、なるほど、となった。
体験学習そのものは2コマしかないが、その体験により懸念される暴走をさせないために体験後のブリーフィング等多くの工夫がされていると感じた。
現在は、大学でこの講義は行われていないとのこと。大学内でも口コミで学生間に伝わっていたとのことなので、学生にとっても印象深い講義だったのだと思う。ファシズムというテーマについて自ら学ぶ機会が多いとは思わないので、そんな環境がもう少し増えてもいいような気もする。
私達は誰かの名前や大義を借りてしまえば、その下で日頃の自分の鬱憤を堂々と他者への攻撃として発散してしまう。なぜ自分がその行動をしたのか、その責任を自分で取れるのかを考えていないこともある。考えないこと、責任を負わないことは楽だけど、その先に何が起こるか想像しなければならないと思う。
もし自分が大学生だったら受けてみたかった。