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監獄の誕生―監視と処罰
(和書)2010年08月23日 21:59
1977 新潮社 ミシェル・フーコー, 田村 俶, Michel Foucault
佐藤優さんや磯崎新さんの本を読んでいて紹介されていました。
特に佐藤優さんは獄中記で、高評価していた記憶があり読むリストに入れていました。
・・・表沙汰にされにくい悪意や・・・
ディシプリンというものってこういうのを言うのだな。
監獄・学校・職業・・・・
宮崎学さんの本を思い出すところもあり、佐藤優さんの本を思い出すところあり・・・柄谷行人さんの指摘しているところもあり・・・そういう意味で知の結節点ともいえる。
ただ、フーコーさんの本は文体が難解に思える。もっと読み易く書いてくれてもいいのにな。
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なるほど面白いと思うが、論述や論証の構造とかスタイルがどうなってるのかよくわからんような気もして、ポモっぽさも感じた。ベンサムのとこはベンサムとつきあわせて読みたいんだけど、フーコーとベンサムで論じるようなのは国内ではあんまりなさそうだ。
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権力∶他人を支配し社会を回す
規律・訓練型権力∶人間を規律に従わせ、訓練を施し、社会の秩序をコントロールしようとする力∶道具化し、社会を回す
搾取の代わりに訓練を施す
閉鎖空間に閉じ込め、配置する
時間と行動を制限
段階的に教育
組織の歯車にする(換えがきく、意図や考えがいらない)
→監視と制裁(反復)、試験(恐怖心を煽られる)
監視があることで規則に従うようになる
視線の内面化
監獄が権力を匿名化する、視線の内面化をする
今でいうとデジタル
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パノプティコン。中央に監視塔、囚人からは監視塔の中が見えず、いま監視されているか分からない。緊張。知らず知らずのうちに囚人の意識は調教され、自分で自分を監視してしまう。外部から直接的に強制するのではない。権力は間接的に働きかけ、他者を自分の思うがままに行動させる。権力は扇動し、誘い込み、唆(そそのか)し、なにかを容易にしたり困難にしたりする。監視塔には見張る人(権力者)は必要ない。現代社会では社会の仕組みそのものが権力。権力の網の目。▼人間は理性的で自由な主体ではない。その時代を支配する権力が生み出した思考の枠組みの中に無意識に囚われている。規格化され、権力に従順に思考するよう無意識に訓練されている。『監獄の誕生』1975
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10年前にも一度通読したのですが、そのときはただひたすら難解だという印象しか持てず。今回、ちくま新書の重田さんのフーコー本を読んで、全体像をつかんでから、もう一度チャレンジしてみたところ、全体像がつかめたうえで個々の記述を追っていけました。もちろん、それなりに難しくて、スラスラとはいかなかったです。つっかえつっかえ、すこしばかりうなりながらでしたが、楽しく読めました。
こういう骨のある本を頑張って読むと、本を読んだなあという実感にひたれます。ずっとこんな本ばかり読めたらかっこいいのですが、ぼくにはそこまでできません。とはいえ、年に何冊かは読んでおきたいなあと思います。
内容について、また、その印象などについても、うまく書くことはできませんが、ばくっというと「具体的記述についてはなんとなくわかるし、なんとなく前後のストーリーはわかるんだけど、全体として何を言わんとしているのか、どんな狙いがあるのかということは霧の向こうにある感じがする」といったかんじかなと思います。【2021年10月15日読了】
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一応最後まで読んだ。難解といわれる著者のいいたいことにどこまで読み取れたかはなはだ疑問ではある。特に難しい固有用語は使っていないので、読むのは最後までできるだろうが、深いところまでわかった気がしない。
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処刑者の身体を焦点とする身体刑から、非行性を規定・再生産し、社会に浸透していく拘束刑・監獄へ。一望監視方式が印象的。