紙の本
久しぶり
2020/07/11 03:43
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投稿者:マリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文学少女の時と比べると、毒がなくなった気もするけど、読みやすくはなりました。今後も楽しみに待っています。
電子書籍
ちょっと押しつけがましく感じる
2021/02/27 01:17
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の声が聞こえる少年「むすぶ」が本の味方として本達の頼みごとを叶えたりしていく短編連作。
著者の代表作「文学少女」シリーズと同一世界で、あちらのヒロイン遠子さんの甥っ子が彼らの母校に在籍している年代の、彼の後輩が主人公。
文学少女ほどの吸引力がないのは、本が擬人化されてしまっているせいかもしれない。
一つの解釈として本を愛する遠子さんが想像力で推理して解決していた話と違って、本の声が聞こえるというのはちょっと変な感じ。
それとも、遠子さんと違ってむすぶの考え方が私とは合わないのかも。
特に羅生門と表題作の外科室が顕著で、羅生門は推理させる意味があるのかと思うくらいわかりやすくてなんだか拍子抜けしてしまった上、むすぶと解釈不一致で説得が心に響かなかった。
外科室は文学少女で扱われていた時は切なくて良かったけど、今回の「さっさと告白して振られてすっきりしなよ」と初対面の人に押し付けるのがドン引きだし、周りがそれを後押しするのも気持ち悪い。
しかも、実は両片想いが明らかになった結婚したけど、男の方はまだ学生で、女の方は来月結婚予定だったのにそれを急に破談にしたというのが引く。
同一世界ということで、遠子さんとむすぶくんが出会ったら、本の声が聞こえてしまうむすぶは目の前で美味しそうに本を破いて食べてしまう遠子さんをどう思うのかとか、食べられてる本が何を思ってるのかとかは気になる。
でも読みながら本が実際に話しかけてきて「そこをもっと読んで」とか話しかけてきたらなかなかウザいのでは。
あと「本」といえば紙の本を想定されてるのも時代にそぐわないと思った。
まさに電子書籍で読んでいたからなおさら。
作者が紙の本を愛してるのは伝わってくるけど、遠子さんより押し付けがましく感じてしまった。
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野村美月さんの新作。
高校生の頃、文学少女に出会って
またその世界観に再会できるとは。
本の声が聞こえる少年・むすぶくんとさまざまな本が織りなすあたたかくて、少し切ない本と人の物語。表題作である泉鏡花の『外科室』を題材とした恋のお話は野村美月さんらしいなと思った。
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4年ぶりの野村美月先生の新作!
本の声が聞こえる主人公むすぶと様々な本を巡る物語。表題作も素敵なのだがまず1話目からどうしようもなく懐かしさが込み上げてくる。この文章!この雰囲気!おかえりなさい、野村美月先生。ずっとずっと待ってましたと叫びたくなるのも無理ない。
そしてそして。むすぶ、夜長姫(本)、妻科さんの関係。めっちゃ野村美月先生だ。嫉妬深く直ぐ呪うとか口にする夜長姫も色々溜め込んじゃうタイプのツンデレ妻科さんも可愛い。女の子可愛いんですよ。お話も有名文学だけじゃなくてラノベテーマもあり、まゆまゆ先生のうふふ大戦っていうお話も必見。面白かったー!次の物語も待ってます
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野村美月先生の4年ぶりの新作。吸血鬼~の打ち切りに涙した私としては待望で、Twitterのご様子から復帰を絶望視していたので本当に嬉しかった。
軽妙でロマンチックで可愛くて、でもどろりとした感情が常に見え隠れする。
ああこれだ、これが野村先生の世界だ。と再会の嬉しさをかみしめた。
誰もが心底物語を愛していて、それは近代文学からラノベまで分け隔て無い。ラノベという単語に自称読書好きが向ける差別意識を、時にラノベ作家すら持ってしまっている中で(不思議なことにラノベを書いていることに劣等感があるラノベ作家もいるのだ)、ここまで真っすぐオールレンジに愛情を向けられる人は実のところそんなにいない気もする。
あらゆる物語を等しく、誰かを癒したり誰かに道を示すものとして描いている。それはお人好しなのではなくて、物語の力を誠実に信じているからそう描けるのだろう。
本を愛することも、もしかしたら本に愛されることも簡単じゃなくて、でもそうしてでも手を伸ばしたいものが愛なのだろう。
というようなことを、軽妙な文体とかわいらしいヒロインと主人公を通して描いてしまえるのが野村先生のライトノベル作家としての凄さだと思う。
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野村先生の久々の新作は本の声が聞こえる少年の物語。
しかもあの文学少女と同じ舞台なんて読む前からワクワクしてしまった。
五つのエピソードは作者らしい、切ない話、楽しい話、ほっこりする話があってとても楽しい。
四つは実在の作品だけど二話目だけは作者が登場することもあって架空の本だね。
個人的には一話目のピッピさんの物語が一番好き。
本の想いも妻科さんの想いも切なすぎて思わず泣きそうになってしまった。
それにしても、本が話すという発想は本好きならでわだなあ。
自分も本の精の話を書いたことがあるけど^^
夜長姫について本巻ではほとんど触れられなくて、むすぶと彼女との話は悠人先輩との出会いも含めて今後語られるのだろう。
ファンとしては遠子さんや心葉くんもどこかで姿を見せてくれたら嬉しい。
因みに遠子さんが本を食べてる時に本がどんなことを喋っているかちょっと興味がある。
もしかして「食べられちゃう〜」て泣き叫んでない?
そんな場面が出て来ないかなあ^^
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表題作が特に良かった。文学少女シリーズファンとしてはまた聖条学園に戻れて嬉しかったです。10年越しの甘い淡い恋が実を結んで本当に良かったです。外子さんの純粋に恋人を想い続ける気持ちが尊すぎる^_^
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むすぶは本と会話ができる高校生の男の子。むすぶには大事な本がありそれは夜長姫。彼女はむすぶのことが大好きでありむすぶの大事にしている。
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文学少女を初めて読んだ時の懐かしさがあった。
今度は本と会話できる人。その人それぞれの思い出の一冊があるのはやはり素敵だなぁと思った。
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作風は、すきなんだ……!だから読みたい。読む。困ったもんだ。
外子さんは、すきかなー。あと男子はかわいい。
ところでおまけ部分の夜長姫は顔文字の使い方がへたすぎないか。
似たような覚えが……以前にも……ああ。
ない方がぜったい伝わると思う、、なぜこんなことに、、
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本屋で偶然見つけた本。”文学少女”シリーズが好きだったが、著者の小説がだんだんと自分に合わないと感じており最近はあまり読まなくなっていたが、「外科室」というタイトルを見て、泉鏡花『外科室』を題材にした小説なのかと一気に興味が湧き、衝動買いした。
第一話
登場人物「早苗」で、”文学少女”にいたサブヒロイン「琴吹ななせ」を思い出した。私が今まで読んだ小説に出てくる負けヒロインの中でも、屈指の不憫さ。最終巻が出て、彼女のファンはどんなに胸を引き裂かれる思いだったろう。
軽く調べると、「早苗」は次巻以降も登場するようだ。生まれ変わった(?)この世界で、今度こそ幸せになってほしい。
第二話
この物語で挿絵が男というのはどういうことだろう。
第三話
元ネタのなった小説、読んだことがあるにも関わらず種明かしまで分からず悔しい思い。主人公が話す小説の解釈のしかたが面白くて、元の小説を読み返してみたくなった。自分も、あの小説を読んだ時は色々悩んでいた頃であり、結構ダークサイドな物語だと思っていたけれど、こういう読み方もあるんだなと。
第四話
『十五少年漂流記』はまだ読んだことがなかった。この話自体が短めの掌編なので読んでみたいとまではいかなかったが、読めばこの短篇もより楽しめるかと思うので、近いうちに読んでみる。
第五話
表題作。一番良かった。
泉鏡花『外科室』、私も非常に心を動かされた短篇。この『外科室』がネタ本としてつかわれているこの短篇は、見方によっては不道徳な色も帯びており、それは『外科室』が作中で朗読されるところで、登場人物にも指摘される。
私自身、『外科室』を読んだ際はその善悪を越えた芸術というか究極の恋愛というか、そういったある種何かを超越した物語として受け止めていた。しかしながら、『外科室』も『『外科室』の一途』も、そして過去の”文学少女”シリーズも、今になって思えば切り口によっては不道徳な物語だっただろう。第一話の感想にも書いたとおり、サブヒロインの不憫さはまさにそれで、最終巻の「ななせをバカにするな」という台詞は今でも印象に残っている。万感の思いで物語を終えようとしているのだろうが、お前が幸せに感じている物語が正解だと思うな、お前に幸せになる権利があると思うな、という呪いのようにも感じられた。
小説が善や悪で語れない混沌とした感情を描くのに適したツールであることをまざまざと感じさせてくれる短篇だったと思う。
全体を通じて”文学少女”よりもずっとライトな印象だけど、いかにも文学臭いどす黒い成分を掬い取る余地も残された小説だなと感じた。終わり方もなかなかに不穏。そこにゾクッときてしまった私は、結局ストレートな感情をぶつけ合い人が傷付き合う壮絶な物語を求めているのかもしれない。
ヒロイン夜長姫は何の本なのか、とかも気になるところ。痛みを纏うヒロインというと『舞姫』『不如帰』あたりが浮かんでくるのだけど、近世以前ならもう自分には分からないし……
いずれにせよ、次を読むのが楽しみだ���
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本の声が聞こえる、榎木むすぶ。
駅の貸本コーナーで出逢った児童書が探す本当の持ち主探し、ラノベ作家のまゆまゆに力を貸し、学校で突然奇行に走った男子生徒の謎を解き、無人島の夏休みを本と満喫。
そして、町の図書館で出逢った本の悩みを解決する。
登場する本がまゆまゆ以外はとても身近にある本たちで、他人事に思えなかった。私も本に憑かれてしまいそう。
本は読むたびに違う解釈ができて、その時その時で見せてくれる景色が違うもの。
それを改めて感じさせてくれるお話だった。
ただなー、長夜姫はいらないかなー。