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東さんのファンなので、「哲学の誤配」と併せて購入しました。
本書は東さんが2012年〜2020年にかけて行った対談等が収められています。東さんの対談が面白いのは、相手の話をしっかり聞きながら、本質的なところは逃げずに(追及ではなく、敬意を持って)質問するところです。
例えば演出家の鈴木忠志さんとの対談では、「共同体を上手く回すためにある芸能と違い、芸術は共同体から外れた人のためにある」と説く鈴木さんに、「芸術は、排除された者が社会に居場所を見つける(テロを少なくする)ためにあるのか、排除される者が増える(テロを育てる)ためにあるのか」と問うています。「安易な問いだ」と返されますが、「安易かもしれませんが、重要です」とさらに問うています。
このような質問が挟まれることで、お互いが言いたいことを言うだけに終わらず、きちんと対話になっています。
相手への指摘だけではなく、御自身でも鋭い発言をされています。加藤典洋さんとの対談での、「ユートピアでは子どもは共同管理される」との指摘は、私も宮崎アニメで似たようなことを感じていたので「おお!」と膝を打ちました。
ベストは原武史さんとの天皇制とジェンダーについての対談。こちらが平成天皇に抱いていたイメージが覆されました。
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「哲学とは何か。ワシが実践してやるぜ」という運動(場づくり・対話)の集大成であり、ゲンロンという活動の中間報告的一冊。うっかり出た本音や長年抱えた問題意識が、対話の中で誤配され、お決まりの考え方や概念を壊しては塗り替えていく。ほんとに全部が全部、読みごたえがあって、どこか繋がっていて、繋がっていなかった。
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東浩紀又はゲンロンファンなら。
さすがに対話編の更新を名乗るほどの重沙の書籍ではない。読みやすいいくつかの対話イベントの書籍化。
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新年号が「令和」に決まったというニュースを聞いたときには、強い違和感があった。
そんなに戦争がしたいのか、と。
世間的にはそういう感想は出てこないようだったが。
原武史さんとのトークの冒頭で、
東 なるほど。「令和」には、天皇が強い時代が戻ってほしいとの期待が込められている。
と、間接的な表現ではあるけれども、世間ではタブーになっている(らしい)ことを語っている、と。
そのトークのラストで、
原 同じように、天皇制を続けるかどうかも、本来は国民が決めるべきです。
と語られているのだけど、やっぱ皇族は「人に非ず」なままなのね…
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論理的に白黒つけがちだけど、もう一度立ち止まって、リアルに向き合って再考してみようという思想が通底している。確かに兎角極端に走りやすく、細部がなかったことになってしまいがちな現代だからこそ、もういちど大事何かを忘れてきたんじゃないかと探すこと、探し続けることが必要なんだなと痛感した。
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ジャスティス(正義)とコレクトネス(正当性)に含まれる時間軸の違い。観光客と中動態。ふわふわとギシギシ。誤配と家族。
今はもう亡くなってしまった、梅原猛さん、加藤典洋さんとの対話がとても良かったのと、あいかわらず國分さんとの対話は本当に面白い。
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(5/7)
白楽天のくだりからもう面白い。
表紙かっこいいね。
・・・・・
(6/16)
ゆっくり読んでます。
【コレクトネスはジャスティスの頽落形態】
というのには「おおー」と膝を打ちました。
・・・・・
(6/24読了)
すべての対話が面白かったが、やはり本書で初めて知るような刺激的な事柄が多かったのは、五木寛之氏、原武史氏との対話だった。
大いに頷くことが多かったのは國分功一郎氏だった。
全員の著作にいずれ触れられればいいなと思う。
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東浩紀さんの本は、テーマパークと地球に次いで2冊目だが、まぁ、哲学者だからわからないところは随所にあるのだけれど、今まで54年も生きてきて、初めて知ったとか、そんな見方があったのかとかいう、新鮮で刺激的な話を読むことができるので、大変面白い時間だなと思う。
この対話集も、安くはないから、ツタヤで散々迷って買ったのだけれど、すごく知的好奇心を満たしてくれた本だった。
でも、それぞれの対談が面白くて、それぞれもう少し長く読みたいなと思ったのは自分だけだろうか?
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自分1人で考えるより、対話することで、より考えが深められるということ再認識した一冊です。
最後の鼎談で飴屋さんが話していた、個の限界、単数の限界があり、だからこそ柳さんと組むことで複数になる意味があるという話しが好きでした。
対話を怖がらな者でありたいです。
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いわゆるポリコレリベラルからは異端視されている人たちとの対談で楽しく読んだ。梅原猛や加藤典洋を読んでみたくなった。罵倒し合いながらも断絶しないような議論がもっと読みたい。