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世界の食文化に欠かせない存在のトウガラシ。原産地から辛さのメカニズム、世界のトウガラシ料理を紹介する汗の出てくる1冊。
トウガラシを使った料理。イタリアのペペロンチーノ、タイのトムヤムクン、韓国のキムチ、日本の七味唐辛子から中国の四川料理まで。実は原産地は中南米だという。なぜトウガラシは辛くなる戦略を取ったのか。どのように世界に伝播されたかなど、トウガラシに関するよもやま話が満載。
トウガラシにはダイエット効果もあるという。そんな講演をする筆者は立派なメタボ体型。怪訝な顔をする聴衆に「食欲増進効果はもっと強い」と説明するという。
栽培されるトウガラシは五品種。単に辛味をつけるだけでなく出汁をとったり野菜として食べたり漬物にしたり。また山椒など他の香辛料との相乗効果など味の文化は奥深い。
夏の暑さが続く中、汗をかきながら楽しく読めた一冊でした。
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NO トウガラシ、NO LIFE !
お腹が減る。マイルドな唐辛子料理を食べたい。
筆者の唐辛子料理は私たちの食生活を豊かにした、が、それはトウガラシの種子拡散の戦略かもしれない…との意見になるほど~と思った。
・トウガラシの旅
・世界各国のトウガラシの歴史と食文化
・トウガラシは、なぜ辛いか。
●日本とうがらし事始め
天文年間の南蛮人説:1542年
…記述が、歴史的事実と合わず信憑性に欠ける
朝鮮半島経由説:1592~98年
…豊臣秀吉・朝鮮出兵時に持ち帰られた。
貝原益軒『大和本草』ほか、多くの文献。
朝鮮半島では、李晬光『芝峯類説』に倭国からきた「倭辛子」として紹介。伝来年の記述はない。
慶長の南蛮人説:1596~1615 or 1605年
…人見必大『本朝食鑑』、寺島良安『和漢三才図絵』
タバコと一緒に南蛮人が伝えた。
筆者の考え
…複数のルートで伝来し、定着していったのではないか。
江戸時代のトウガラシ
80品目種。およそ100年で、日本全国に根付いた。
新宿、トウガラシの名産地。
平賀源内や伊東圭介のトウガラシの絵。丸っこくてかわいいものや、しゅっと細く尖って粋なもの。
文筆家のトウガラシの記述。
●食用トウガラシの起源と種類
最も古いトウガラシの植物遺体:メキシコ6000年前のもの。先土器時代。
土器に付着していたデンプン粒の微化石。トウガラシとトウモロコシのデンプン粒。
→トウモロコシとトウガラシは、一緒に食べられていた!
コロンブスが1492年にトウガラシを持ち出してから、一気に世界に広まっていった。
栽培五品種
…アニューム種、フルテッセンス種、キネンセ種、バッカートゥム種、プベッセンス種。
アニューム種が一般。
●なぜ、トウガラシは辛くなったか。
野生のトウガラシ。…甘い果実も辛い果実もある。
・種子拡散の戦略。
…ネズミは辛いのが苦手。マルハシツグミモドキ(鳥)は辛さに鈍感?鳥は種子を丸呑み。遠くまで、運んでもらえる。
…カメムシやカビも、カプサイシンが苦手。
●トウガラシの辛味
成分:カプサイシン
部位:隔壁。種子ではない。
色 :緑のほうが辛い。
肥料:リン酸肥料→適量だと辛味が強くなる。
●機能性食品トウガラシ
トウガラシのダイエット効果はある程度ある。
が、食欲増進効果もある。
トウガラシ・ウォームビズ
トウガラシを食べて、寒さを乗り切ろう運動
…カプサイシンによる体温め効果。
→発汗作用に注意。
ビタミンC
…パプリカから抽出されノーベル賞
●トウガラシ紀行
世界各国の愛されトウガラシ
中南米・ヨーロッパ・東欧諸国・アフリカ・南アジア・東南アジア・東アジア
…世界一辛いトウガラシ:カロライナ・リーパー(カロライナの死神)、トリニダード・モルガ・スコーピオン
→いずれも、キネンセ種
一瞬、日本が開発したトウガラシが、トップになったこともある。
チョコレートとトウガラシ
トウガラシの出汁
乾燥トウガラシ
郷土料理・おふくろの味
日本の喫茶店から生まれたイタリア料理とタバスコの関係
カレー
辛いアジアと辛くないアジア
辛いものを食べ続けると、辛味に耐える能力がつく。
四川料理
トウガラシ以前のキムチ
日本人とトウガラシ
スペイン・トウガラシ・ハンガリー・ルーマニア・コートジボワール・ブルキナファソ・エチオピア・ネパール・ブータン・インド・カンボジア・タイ・朝鮮半島・日本
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30代男性
毎日、一味とうがらしを大さじ一杯食べているので、いつも口にする食べ物を理解するために読みました。
とうがらしの発祥や日本への伝来について、複数の説や文献を紹介している。続いて、とうがらしの性質、世界の料理方法やとうがらし事情を解説している。
はじめの発祥や伝来については、歴史の知識が浅い私には、小難しくて退屈でしたが、とうがらしの性質等は理解しやすくて面白かった。
とうがらしがなぜ辛いのかはトリビア的で誰かに話したい。
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唐辛子。あらゆる食文化に大小様々な影響 を及ぼし、人類文化になくてはならない香辛料である。
カレー、キムチ、麻婆豆腐 我々が普段口にする「辛い物」の大半には唐辛子が使われている。
本書では唐辛子の構造や種類、またそれらを用いた世界各国の食文化を余すことなく伝えている。
読み終わる頃には辛い物を食べたくなる1 冊。
(ナノサイエンス学科 Mさん)