紙の本
大切に世に贈り出された本
2020/08/03 13:27
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投稿者:やっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても個性的な本だと思いました。
と同時に、書き手、写真家、出版社、その他のこの本に関わる方々の、この本を世に贈るということを大切にされていらっしゃるということも伝わってきます。
バウルとは何か?
この本の写真と文章を読んでも明確にはわかりません。
でも、生きることにおいてとても大切なことを教えてくれてるような気がしました。
こういう本がもっと世に知られるといいと思います。
紙の本
エネルギーに満ちた本でした。
2024/04/04 20:47
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投稿者:kisuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
実家の近くにバングラデシュの研究者家族が住んでいて、母と友達になりました。
それで読んでみたのですが、著者の行動力に驚かされました。
それにきっと良い国なのだろうな、と思いました。
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暑い夏の夜、就寝前の「夏休みの読書」によく似合う旅の本。
南アジアの伝統的口承文化は様々あり、バウルもそのうちのひとつ。この本は研究書ではないが、同じものに興味を持った人には導入としても良い。川内さんたちが出会った多様なバウルの一端を垣間見ることができる。
あることに強い関心を寄せた際に起こる、マジックと呼びたくなるほどの奇跡の連鎖が描かれており、こんなふうにできたらいいだろうなという対象に迫る旅をこのように結実させることのできた、とても貴い本ともいえる。それは三度も形を変えて出版されたことからも明らかで、中川さんの写真と川内さんの文章を同等に扱った今回の三輪舎版は「完全版」に相応しい。若松英輔さんの解説も付く。
造本は美しく、敬意に溢れ、でもカジュアルで、触れるたび開くたびにため息が出てしまう。
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まったく前情報なく読んだので、最初、「表現の幅が狭いなぁ……」と、小説に対するような期待をしてしまっていたのだけれど、読んでいるうちに、著者さんの素直なところに響いたからこその良書なんだなぁということがわかったように思った。バウルの在り方は、不思議でありながら深く、なんとなくだけれど、厳しさを積んだバウルほど寛容の精神があらわれているように思った。さまざまなひとがあたりまえに存在することの果てしなさをも、考えさせられた。写真ももちろん、装丁の綴じ糸の色もうつくしい。
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昔、「湘南爆走族」というマンガがあった。
お前、何者だ?との問いかけられた主人公が、通りすがりの吟遊詩人だ!とボケる場面があった。
若い頃は、あなたの夢は何ですか?と聞かれあることがあったら、吟遊詩人です!って勢いよく答えようと気構えをしていたが、遂にそんな機会は訪れず、おっさんになった。
バウルとはバングラデシュに存在する吟遊詩人のことである。
吟遊詩人のボケをかませぬまま、青春時代をやり過ごしてしまったトラウマを抱えた自分の目に、ある日、飛び込んできたのが「バウルを探して」の文庫本。そして一気読み。こんな面白いノンフィクション読んだことない。以来、著者のファン。全著作読破してしまった。
で、こちらは完全版。文庫で読んでいるのに何で買うの?という疑問にお答えすると、もう一回新鮮な気持ちで読みたいから、というのと、今回はカラー写真が多数掲載されている、という理由から。
著者は写真家の友だちともに旅をして、バウルの謎を追った。バングラデシュのいい加減な国民性にちょっとイラッとする著者を、ノホホンとした雰囲気で和ませる中川彰さん。かけ合いの様子が楽しかった。
でもその後しばらくして中川さんは突然死してしまう。
文庫本では彼の旅の写真をほとんど掲載できず、しかもモノクロだったことが心残りだった著者の願いもあっての、この度の完全版。多数の写真が、カラーで、大判で、文章とは別ページで掲載されている。だから写真集を新たに買ったと思えばいい。それと、この本、綴じ方や背表紙もすごい凝っていて、カバーをとると、バウル文字が印刷されている。
巻末には新たに追加された著者による長文の追悼文も載っている。これが感動的なのだ。
これを読んでから本文を読むと、中川さんの人柄がわかって、文庫本のときには気にもならなかった表現が、味わいのあるものに変わる。
この本、文庫で読んだ人にも、ぜひ手に取って欲しいなあ。
えっ? で、肝心のバウルってなんなのさ?
それがね、よくわからないままでねぇ・・・
フワッとこんな感じです、くらいは伝えられる気はするけど、レビューで誤解を与えても良くないし、何よりバウルの道を探求する修業者にも、バウルを愛するバングラデシュの人びとにも悪いような気がするから。
ここは勇気をもって、レビュー拒否します!
バウル、奥深い。
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「バウルを探して」ずっと読みたいと思っていた。遅くなってしまったが、逆に良かった。「完全版」という素敵な本になって現れてくれた。
すごく贅沢な本だ。
まず写真編。一枚一枚が詩のような写真。写真とか写真集とか見慣れてはいないけれど、すごく引き込まれる写真。こんなに連続で見ると、もったいないような気がする。丁寧に見ていたい。さすがの私も(笑)バングラデシュに行きたいとは思ったことがなかったが、行きたい気持ちが募るような写真。特に旅行、それも海外旅行に行けないばかりか、いつになったら行けるのかわからない状態の今、このような写真を見ると、早く行かせてくれーと叫びたくなる。
本の製本がまた素晴らしい。写真のため、ということなのだろうが、開いたら真っ平らになるのだ。こういう本って全く初めてではないかもしれないが、では「どんな本で?」と考えると、ちょっと思い出せない。そしてそして、糸綴じの糸!何色使われているのだろう。見開きで4つ糸が渡っているのだが、4本とも違う色だったり、3色だったり、とにかくきれい。かわいい。ウキウキする。別のページはまた違う4色とか。
どんなに大事に作られた本なのか。愛が感じられる。ジーンとくる。
手に取るだけで喜びがあふれるので、たくさんの人が手にとって欲しい。
文章も期待を外されることは全くない。とにかく旅に出られない今だから、旅の本というだけでもうれしい。目的のない旅も素敵だけど、この旅は目的がはっきりしている。そして、そういう旅にとても向いた筆者だ。仕事がとてもできる人という意味で。
「バウルを探して」を読みたかったのは今まで川内さんの本を読んで、すごい人だな、もっと読みたいと思っていたから。「バウル」なんて聞いたこともなかった。「バウルって何?」というところから始まり、川内さんと中川さんのバウルを探す旅に同行させてもらった気分。最後の方までなかなか読んでいても「バウル」がよくわからないのだが、うれしいことに読み終わった時には、わりとスッキリした。生きていくにあたっての指針みたいなものを与えてもらい、この先もしっかり生きていこうと元気が出てくる。もちろん川内さん自身の考えの軌跡、文章の力のおかげであろう。
わりと普段抜き書きしながら読むのだが、今回読むのに夢中になりすぎたのか、抜き書きできてない。どこを抜こう。
"そう、バウルの話は、いつでも同じところに帰結する。自分の心を探れと。自分の中にある聖なる場所を探し求めよと。全ての偏見や束縛から自由であれと。自由になって、自分自身を見つけ、人を愛せと。" 330ページ
このあと、スティーブ・ジョブスの「自分のこころや直感に従う勇気を持って」というスピーチが引用され、ご自身の国連をやめたことを思い出し、それを肯定され、
"知らない鳥は、こころかぁ。
人生は目的に向かって行動した結果ではなく、むしろ瞬間、瞬間のきままな鳥に従った結果なのかもしれない。その鳥は、誰の中にもいる。" 331ページ
と続く。
最初に写真編から見た時、この中川彰という人はどういう人なのかと気になりネットで調べ��ら、この本の出版を待たず、急死されたと。えーっ!となる。そのあと本の中で生き生き動く中川さんを知り、なんか信じられない気持ちになる。全く知らない人なのに。無常を感じる。
でも、こんなにも素晴らしい体裁の本になり、私だけでなくおそらくたくさんの人が写真を見て、心動かされているので、天国で喜んでもらえていたらなと思う。
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今まで川内さんを知らなかったのは本当に口惜しいけど、この作品に関しては、この形での出会いが初めてでよかったと思う。
川内さんのように、中川さんのように、アラムさんのように、そしてバウルのように。自分のどこをほじくっても自分が出てくるような生き方がしたい。
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バウルを探し、その歌を聴くために
バングラデシュを訪ねるという内容の紀行文です。
バウルについて
なんの予備知識もないまま読み始めましたが、
とても興味深く、すぐに惹きこまれてしまいました。
バウルとは
ベンガル地方の吟遊詩人、
風狂の旅人などと呼ばれたりしますが、
実際にはベンガル地方の放浪修行者なのだそうです。
バウルになるためには、
身分や俗世間のしがらみなど一切を捨てて、
定住せず、風のような存在となって放浪し、
修行を重ねなければならないようです。
世捨て人となって修行に励むバウルですが、
いっさいの宗教宗派には属さず、
対立することもありません。
また、どのカーストにもあてはまらず、
アンタッチャブルな存在ともいわれているようです。
生活の糧は托鉢で得られるものだけ。
托鉢の際には家の前で歌ったりすることもあり、
そこから神秘的詩人、芸術的修行者などと
呼ばれるようになったのかもしれません。
識字率の低かった当時、経典みたいなものもなく、
師の教えは歌で語り継がれたようです。
歌詞にも深い意味があるらしいのですが、
読んだだけではよくわかりません。
またバウルとなったひとが
みんな歌うのかというとそうでもないらしく、
歌わずに瞑想するだけのバウルもいるようです。
ですから教義が世に広く伝わることも
なかったものと思われます。
そもそも風のように自由で、
形式にとらわれず枠に収まらないバウルは、
その定義自体明確なものがありません。
起源すらわからないようです。
バウルとはどのような人を指すのか?
どこを探せば出逢えるのか?
どこへ行けば歌を聴けるのか?
わからないことだらけです。
バングラデシュはご存じのように
世界で最も貧しい国といわれていました。
北海道と同じくらいの国土に、
1億6,650万の人々がひしめき合っています。
その中でバウルと呼べる人はわずか数十人程度。
存在自体が貴重なバウルですが、
なぜかしらその歌は、
ユネスコ無形文化遺産になっていたりします。
謎だらけの存在に興味は尽きません。
ベンガル地方は、
かつては豊かな土地だったようです。
だからこそイギリスに植民地化されたのでしょう。
文化の交流も盛んだったのではないでしょうか。
宗教のように形骸化しない
バウルという生き方、思想、哲学が生まれたのは、
土地柄だったのか?民族性だったのか?
おそらくその両方のような気がします。
本書を手に取り、
バウルの存在を知れたことは幸運でした。
べそかきアルルカンの詩的日常
http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/
べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a
べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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もともと、こういった紀行文が好きなのだけれど・・・
良かった。
クスクス笑いながら、いろいろ考えこんでしまうのは
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』と同じ。
で、最後に著者の宛てた手紙に大泣き。
そんな、そんな・・・
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重いかなと思ったけど、やっぱり有緒さん特有の軽い文体ですーっと頭に入ってきた。
なんだろうなー、なんかやっぱ有緒さんってすごく素直な人なんだろうな〜ステキだー。
そして、この本は
装丁というのでしょうか、が
とーーーってもステキ
ぜひ、多くの人に
こちらを読むなら手に取って欲しいです