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万葉集から現代の歌人までの短歌がテーマ別に並ぶ。大伴家持と俵万智と歌が並んでいるのがとても新鮮だった。
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奈良から令和まで詠まれた和歌・短歌をテーマに沿って、100首紹介。
令和の短歌は一首。
奈良・平安の和歌は、なんか懐かしい。口ずさむと思い出もよみがえってくる。
気に入った短歌
抜かれても雲は車を追いかけない雲には雲のやり方がある 松村正直
…運転席に置いておこう。
のぼり坂のペダル踏みつつ子は叫ぶ「まっすぐ?」そうだ、どんどんのぼれ 佐々木幸綱
…気持ちいいくっきりとした短歌だなあと!
フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ 千葉聡
…高校生に声に出して読んでほしい。フォルテの強さで。
修学旅行で眼鏡を外した中村は美少女でした。それで、それだけ 笹公人
…なに、この青春。
〈生まれたらそこがふるさと〉うつくしき語彙にくるしみ閉じゆく絵本 李正子
…覚えておこう。
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さすがに初めて出会うのではないけど、いい歌が多い。小・中学生で出会っていたらと思うが、歌の良さがわかるのは年を経たせいだろう。しかし、少年時代・青春時代は感性があるので直感で分かったかもしれない。
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奈良時代から現代の歌人までの歌がズラリ。
それぞれのページの見出し部分に、時代のタグがあり分かりやすい。
昔も今も同じような恋の悩みがあったのだなあと思ったり。
以下、好きな歌のメモ。
『観覧車回れよ回れ想い出は 君には一日(ひとひ)我には一生(ひとよ)』栗木京子「水惑星」昭和
・君は 私をただの友達と思っている。 観覧車に乗った思い出も 君にはただの一日 私には一生の思い出
『 たとへば君 ガサッと落ち葉すくふやうに 私をさらって行ってはくれぬか』 河野裕子「 森のように獣のように」 昭和
『 声持たぬ 樹ならばもっと君のこと 想うだろうか 葉を繁らせて』小島なお「 サリンジャーは死んでしまった」平成
『 フォルテとは 遠く離れてゆく友に 「またね」と叫ぶくらいの強さ』 千葉聡「 そこにある光と傷と忘れ物」平成
『 遺棄死体数百といひ数千と いのちをふたつ もちしものなし』土岐善麿「 六月」 昭和
『死にし子の ポケットにある黒砂糖けふの 三時のおやつなりしを』桃原邑子「沖縄」昭和
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初めて出会う短歌に相応しい有名な歌ばっかり。テーマに分けてあるのもいいし、どの時代の歌かすぐわかるのもいい。
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初めて短歌に触れる学生に向けて選ばれた歌に、解説を付けてある。
メジャーで、わかりやすいものが多く、入門編としては取っ付きやすくて良い。
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いろんな時代・テーマ・作者の短歌が紹介されてます。短歌の歴史とか、短歌をつくってみるコツとかもコラム的に書かれてて、面白かったです。
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良書でした!
時代ごとでなく、テーマ別になっているのが良くて、1000年以上の時間を隔てた作品が隣り合って紹介されることがとても素敵。
かつ、どの時代に詠まれたものなのかもすぐわかるようになっている。
そして、特に平成以降の歌の解説が素敵。現代の短歌は言葉としては私たちは理解しやすいはずだけど、その歌の世界をどうやって受け止めるかを教えてくれる。中学生ぜひ。私も手元におきたいです。
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君が行(ゆ)く道の長手を繰り畳ね焼き滅ぼさむ天の火もが 万葉集 奈良
なんとなく君に待たるるここちして出(い)でし花野の夕月夜(ゆうづくよ)かな 与謝野晶子 明治
思ひつつ寝れば人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを
あの人を愛おしく思って寝たから夢に出てきたのだろうか、夢だとわかっていたら目を覚まさなかったでしょう 古今和歌集 小野小町美女 平安
君待つと我が恋ひ(い)居(お)れば我が屋戸のすだれ動かし秋の風吹く 万葉集 額田王
思いでの一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ 俵万智 サラダ記念日
人はいさ心も知らずふるさとははなぞ昔の香ににほいける 紀貫之
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる 服部麻里子 行け荒野と
フォルテとは遠く離れてゆく友に「またね」と叫ぶくらいの強さ 千葉聡
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#千葉聡
奈良時代の万葉歌人から現代の歌人まで小中学生向けに編集されたベスト盤短歌集。大人でも読みごたえがある。
恋愛や家族を詠った歌、季節、社会詠、生活など、様々なテーマで分類、1ページに一首、歌が詠まれた時代が端にあり、歌の説明と作者の紹介やことばの説明、一言が添えられて歌の理解がしやすい。
コラム欄に、「近くの公園へ出かけるようなときでも、短歌作りの取材をするつもりでメモをとってみると、ものの見かたがきっと変わる」というのはとても良さそう。
メモの例:友達と ブランコをこぐ 空が近い などを書き留め、情景にピントを合わせて、形を整え言葉を足したり引いたりするというアドバイスが具体的ですぐにできそう。
特に惹かれた歌を抜粋
君待つと我が恋ひ居れば我が屋戸のすだれ動かし秋の風吹く(額田王)
プリントを後ろに回すときにだけ吾に伸べられる指先白し(寺井龍哉)
春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が聞か寄ってくる(服部真里子)
一つ残しボタンをはづすポロシャツは夏の領域増やしゐるなり(佐藤モニカ)
広やかな秋のこころよ何という鳥の声かと見上げる空の(松村由利子)
春の園紅にほふ桃の花照る道に出で立つをとめ(大伴家持)
雨激しくそそぐ摩文仁の岡の辺に傷つきしものあまりに多く(美智子皇后)
影だって踏まれたからには痛かろう しかし黙っている影として(笹井宏之)
かへりみちひとりラーメン食ふことをたのしみとして君とわかれき(大松達知)
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小中学生向けの短歌の入門書ですね。
編者は千葉聡さん(1968年生まれ)歌人。
絵と編集協力は佐藤えりさん(1973年生まれ)歌人。造本作家。
コラム・編集協力は佐藤弓生さん(1964年生まれ)歌人。
コラム・編集協力・解説は寺井龍哉さん(1992年生まれ)歌人。文芸評論家。
『万葉集から現代短歌までの名歌だけでなく、短歌定型とは何かをより深く考えていたただくために、短歌に近いジャンルである歌謡や琉歌などもとりあげました。』ということで百首紹介されています。
一頁に一首づつ次の順番で解説されています。
①歌が詠まれた時代
②短歌 詠み人(本の題名)
③歌の説明
④作者の紹介やことばの説明
⑤ちょっとひと言
馴染みやすく、勿論小中学生向けですから分かりやすい歌が紹介されています。
高校生以上でも、短歌に親しむ手だてとなるようにとの思いで製作されていますから、短歌への道しるべになる本ですね。
私も楽しく短歌にふれ合いました。