紙の本
『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』
2021/06/06 19:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
うまい言葉で丸めこまれ、自分が悪いことになってしまった
でも、本当に間違っているのは自分ではない気がする
そんな“ずるい言葉”が使われる29のシーン
たとえば……
「あなたのためを思って言っているんだよ」
「いい意味でらしくない」
「一方的に批判ばかりするからわかってもらえないんじゃない?」
「昔はそれが普通だったのに」
「差別なんて絶対になくならない」
これらの言葉はどこがずるくて、おかしくて、どう言い返せばよいか
1項目6ページでコンパクトにわかりやすく解説する
「ずるい大人」に言いくるめられないために、軽率な言葉で他者を傷つけないために、中学生、高校生にぜひ読んでほしい横書きの一冊
1シーンずつとりあげてグループ討議で考えるテキストとしても活用できる
著者はピアニスト、作曲家としても活動する研究者
専門は社会学、クィア・スタディーズ
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ブクログのランキング上位にあがっていて読みたいと思っていた本。
これはタイムスリップして十代の自分に手渡したいですね。
大人や友人に言われて、あるいは思わず言ってしまって「モヤッ」や「イラッ」とした言葉について、それがなぜそんな感情を引き起こしたのか、なぜいけないのか、を懇切丁寧に、論理的に分析してくれています。
本当は自分で考えたいのだけれど、経験と知識が浅い子供や、自分の考えに凝り固まった大人は、何かヒントがないと、今の状態からは抜けだしにくい。
そんな状態から解き放ってくれるかもしれない、良本です。
大人の自分もこのシチュエーションだったら、もしかしたら言ってしまうかもしれない「カクレ悪意」「カンチガイ善意」が29シーン。
著者のように、よく考えていれば気がつくことができるかもしれないけれど、頭の回転の良くない自分にはハッとする指摘ばかり。
でも、こういう言葉を発する人/時って、相手のことを本当に考えてない人/時じゃありませんか?
会話の中で親や仲間から言われてきたことがうっかりテンプレ的に出ちゃうような気がします。自分の頭で本当には考えていない。
あと、賢く見られたい、とか、優しく見られたい、とかいう邪念が隠れているときにも。
言葉というのはどんな言葉も他者を傷つける可能性があると思うのだけれど、それを最小限に抑えたい人におすすめの厳しく、優しい本です。
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図書館本。シーンによっては解釈が回りくどいのか理解しにくいところもありましたが、自分も無意識に使っているであろうズルい言葉が、いくつか取り上げられていたのは事実。特に自分を正当化するために、乱暴に相手を突き放すような言葉や否定的な言葉は、今後使わないように気をつけたいです。もっと言葉選びには慎重にならなくては、と思いました。
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日常生活で言ってしまいがちで、相手を傷つけてしまいかねない言葉たちが紹介されている本。共感できるものもありましたが、シチュエーションに左右されるものも多く、言葉の本質を突いているというよりは、場面にあった言葉を選べるような力がつけられるような本でした。
また、私は使える言葉がだんだん縛られていくような堅苦しさを感じてしまいました。あくまで参考程度に読むことが良いかと思います。
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おぉ、読んでみたい。
家庭教師バイト中、中3の女の子と話していて自分の中高生のころを思い出した。
「私も、中学生の頃が人生の中で一番不安だったし、理不尽に感じたり居心地悪いことが一番多かったよ」
こ言葉にしていたら、本当にそうだったなぁって思ったし。
中高生の頃の自分は、どんなことに縛られていたのだろうか?って純粋に今知りたくなった。
実際中学生、高校生って苦しくて居心地悪い時間多い時期だし、それも今振り返ったら学びだし大事な時間だし今の自分を構成する糧だけれど。
当時の自分かけるならどんな言葉があるんだろうか?
そう考えるとなんか意外と、私大事にしたいこと変わってないなぁ。
(ある意味ではあまり成長してないかも、、?)
昔から周りの人笑っててくれて、自分も楽しくいられる。
そんな環境にしたい。
という素直な気持ちから、大なり小なりは別にして、常に向き合ってきたし、逃げてなかったなぁって思う。
変わったことは、今の方が自信を持って、自分のこと好きって言えるくらいだなぁ。
家庭教師、こちら側が学ばせてもらうこと多い
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悪気がなければ許されるのか?
答えはノー。
「悪気がなかったことを許してもらうための理由として持ち出さず、誠意を持って謝る」ことが一番大切。
「あなたが第三者ならまずは傷ついた人に寄りそうこと」
あの時、私が怒りを感じたことは間違いではなかったんだ、『悪気はないんだから許してやれ』と第三者に言われて二重に傷ついていたんだ、とすごく気持ちが楽になった。
我が子に対する言葉に気を付けようと思って読んだ本だけど、大人の自分が癒される言葉もたくさんあった。10代の子たちには、より響く箇所がたくさんあると思う。
こんなことは言うべきではない、こんなことを言われたらこう切り返すといい、自分が第三者の場合はこんな風に言葉をかけてあげるといい‥‥実例と共に書かれていてとても読みやすいと思った。
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モヤモヤを上手く言語化してくれてスッキリしたと同時に自分もこんなこと言ってしまっていたのではないかと思った。
高校生の妹にプレゼントしようと思います。
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隠れた気持ち、建前で誤魔化したい気持ち、それを隠すためにいろんな言い回しを大人は覚えるけれど、言われる側には言葉はそれそのものとして受け取られる。私も深く詮索しないから、あとで、あれってそういうことだったの?!と裏切られた気がしたことも何度もある。
巧妙な言い回しで自分を守るより理解してもらえる言葉を選びたい。
またこんな言葉を使ってる人がいたらその人の気持ちを暴きたいし、隠そうとしている気持ちがあることに気づいてほしいと思った。
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TwitterでバズってたのでKindleで買ってサッと読んでみた
タイトルにもある通り中高生に向けて先生に詭弁で騙されないように書かれた本ではあるけどこういった言葉はむしろ社会に出てからの方が俺は多く出会ってるような気がするので今読めてよかった
なんていうか、議論とか対話できる人ってほんっっっとに少なくないですか?
自分が今たまたまそういう環境にいるだけでもっと教育レベルの高い組織にいれば違うのかもしれないけど、それにしても多分無作為に日本人を引いていったとしても、きちんと議論•対話できる人って10人か15人に1人くらいだと思う 俺の体感では10%は切ってる(自分はできていると信じたい)
(この思い込みすらすでに勘違いの始まりでしょうか??自分は本当に正しい議論をできているのか?という監視は常にもう1人の自分でやっておかないとダメですね)
ここ1年くらい特に思うんだけどTwitterとかYouTubeのコメント欄における治安がマジで笑えないくらいの壊滅状態になってると思ってて、いわゆるノイジーマイノリティ的なユーザーが目立ってるだけかもしれないけど、こんな内容の(問題提起しているようであんまり本質的でなかったりファクトチェックが甘かったりする)ツイートが1万いいねとかついてバズってんのやばくね?みたいなことがすごく目につくようになってる(少なくとも俺の観測できる範囲においては)
ポピュリズムっていうんかな、本質的なことには触れずにそれっぽいフレーズとか大喜利的な(語幹が良かったりウィットに富んだ)主張が支持されてる感じ?
このへんもこの本に関係してる感じがしてもっと深掘りしたいのだが多分めちゃくちゃ時間がかかってしまいそうだ
要は問題の本質を捉えられる人って超少ないから、普段からこの本に書かれてるような問題の分解を丁寧にやってその精度とスピードを上げていかないと実際のシーンではずるい言葉で言いくるめられたり逃げられてしまうよという感じ
あとはあれだね、最近よく取り上げられるけど本当に厄介なのって人の悪意よりも善意とか正義感だね
正しいと思って行動することの、その正しさを常に疑う姿勢を持たないと誰かを傷つける可能性があるんだよってことはほんと常に忘れないようにしたい
人を傷つけないって難しいな〜〜
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トーンポリシングっていう言葉、初めて聞いてタメになった。
持たざる者が意見を言う方ことが「お願い」になっているシーンは多いかも。自分がどちらの立場でも「言い方」に囚われず中身を鑑みて捉えられるようになりたいと思った。
「普通の人間が生きづらくなった」はちょっとん?と思う部分も。
普通でない人って言い方自体は差別ではないのか?
普通っていうものはこの世になくて、個人が持っている特徴が今の社会での生きづらさに紐づいてるか否かっていうだけかと思っているので。
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『ずるい言葉』森山至貴
言われてもやっとするずるい言葉が、なぜ、どうずるいのか。その奥に差別や偏見を隠しているものも含め、中高生向けの体裁で解説しています。なるほどーと思うことも多く、この本に書いてあるような視点を持っておくのは大事だなと思いましたが、モヤモヤを抱える「中高生」の役に具体的に立つためには、これだけでは何か足りない感じもしました。ずるいことを言う人とはそもそも「対話」が難しいということを、もうちょっと前提にする必要もあるのかな...
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いくつかの「やっちまった」と「そうそうあるある」と「それダメだった?」が混在するのでとても忙しい。
学校で使うとしたら、意見交換をきちんとやる前提条件として、この本で地ならしをしておくとスムーズじゃないかと思う。
○個人的やらかしがち「トーン・ポリシング」
弱い立場の人が抗議する、怒る、それは正当な事なのだと認めるべきで、それをされたら自分が相手に対して不当な事をしていたのだと理解しなくてはならない。
もちろんこれは、自分が相手に不当な事をされたら抗議し、怒り、ケンカを売り返してもいいのと同じ。
ケンカする前にお互い気づけたら一番いいのだろうけど、実際はコンクリートで殴りつけるくらいの強さで「ノー!」と言わないと気づいてくれない人もいるわけで。
いつも戦ってばかりじゃ疲れるけれど、でも怒るべき時にはちゃんと怒っていかないといけないのだろうな。
福沢諭吉の「新女大学」で「女性は真綿で首を絞めるように優雅に」というあたりがすごく引っかかっていたのは、この辺の事だったのだろうと思った。
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すごくよかった!!!!!
10代から知っておきたいとあるけれど、これを現役中学生高校生の時に読めていたらどれだけ良かったかなと思った。
基本的には「ずるい言葉」の話だけど、著者が差別を考える社会学者なだけあって、途中でフェミニズムにまつわる話やLGBTQの話が出てきて、学生の頃ってなかなかフェミニズムに触れたり知ったりする機会がなかったように思う(LGBTGについても同様に)ので、こういった中高生にも分かりやすい平易な文と手を伸ばしやすいイラストで作られた本に、こういった内容ががっつり入って来てくれているのは貴重だし価値だと思った。
特に痴漢の話だと、一番被害を受けるのはその年代なので、「傷ついていると認めてもらえなくて傷つく」当事者がもしこの本に出会って読んだとしたら、救いだろうなと思った。
また、それ以外にもたくさんの哲学や社会学用語が出てきて、深堀りしたい人は割とそこからどこまでも探していけるし、大人の初心者にとっても分かりやすい入門書のようなものだと感じた。
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すべての教師は読むべし。親も読むべし。とりあえず、大人は全員読みなさい! そして反省して、子どもにこの本を贈って、大人をビシバシに鍛えてもらいましょう…
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基本的には納得できる部分が多かった。例文となる会話があり、その後に解説があるため、読みやすい。
一読した限りでは、「ずるい言葉」が使われる背景には、対象を知ろうとしないとか物事に対する決めつけだとか、もしくは自分の考えを正当化したいといった気持ちがあるのかなと把握した。あとはこうあってほしいという願望。
ただ一方で内容が極端に思える箇所もあった(何度も読めばちゃんと理解できるかもしれないので、あくまで現時点である)。
とはいえ、自分自身の言葉を気をつけようと改めて思うことができたので、一度読んでみるのはありだと思うし、内容を鵜呑みにするというよりは自分自身で考えながら読むのがいいと感じた。