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読みごたえがあった
2020/10/30 17:17
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投稿者:いのぜい - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みごたえがあった、ということを実感した。
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<目次>
はじめに~いつまでも若々しくありたいという願い
第1部 私たちは何を知っているのか(過去)
第1章 老化の唯一の原因~原初のサバイバル回路
第2章 弾き方を忘れたピアニスト
第3章 万人を蝕む見えざる病気
第2部 私たちは何を学びつつあるのか(現在)
第4章 あなたの長寿遺伝子を今すぐ働かせる方法
第5章 老化を治療する薬
第6章 若く健康な未来への躍進
第7章 医療におけるイノベーション
第3部 私たちはどこへ行くのか(未来)
第8章 未来の世界はこうなる
第9章 私たちが築くべき未来
<内容>
「老化」。誰もが免れ得なく、どんどんと体を蝕み、やがて消えていく。そう考えていた。第1部では、しかし、現代医学の最先端ではそうは考えない。「老化」は「病気」であり、治すことができる。あまつさえ「防止」することもできる。著者はそう語る。「老化」の原因は、そしてすべての病気の原因は、遺伝子にある。われわれの遺伝子はアナログであり、コピーを繰り返すうちに劣化する。劣化した結果、コピーを間違えたり、遺伝子がちぎれたりする(アナログだから)。逆にそこを逆手にとって、劣化を防ぐ。結果として悪性腫瘍が暴走したりすることもなくなる。視力や聴力も衰えない。第2部では、どこまで医学が進んでいるかを、また薬に頼らずに老化を防ぐ方法が語られる。こちらは、よくある「健康法」とあまり変わらない。食事量、特に肉系を食べない。有酸素運動。体にストレスを与える(冬もあまり厚着をしないとか)。第3部では、未来を語るだけではなく、こうした考え方(「老化」は病気で治せるということ)に否定的な人々への警鐘やそうなったときの法律や社会の改善まで語っている。
読みごたえはあるが、納得の内容であった。もう少し生きたいので、薬に頼る前に、健康法を実践しておこう。
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老化のメカニズムに迫る科学本であり、同時に長生きすることに関する哲学の本でもある。
著者は生物学者のシンクレア教授。著者は「老化」は病気であり、つまり、回避できるものだと断言する。科学を通じて、さらに寿命を延ばすことは可能であり、かつ健康寿命を延ばすこともできると言う。現時点でその方法は完全に解明されているわけではないが、多くの研究成果が出ており、老化の原因となる遺伝子における作用や、その老化を遅らせる方法は、酵母やマウスを用いた実験において成功している。このような事実にはワクワクさせられる(主張がやや極端かつ断定的でどこまで信じようかという気分になるのも事実だが…)。
このような遺伝子に対するアプローチが研究されると同時に、生活習慣の中で寿命を延ばす方法も多く触れられている(食事のカロリーを減らせ、小さいことにくよくよするな、運動せよなど)
星を一つ減らした理由の1つ目は、海外の科学本によくあることだが、エッセイ的小話が大量に差し込まれていて、とにかく長い。後に間違っていたと判明した仮説などは書かないで欲しい…(ただでさえ難解な内容なので、うっかりそれが通説であると勘違いしたまま読み進めてしまうことがある)。
2つ目の理由は、上記の通り、それほんとかよ、と信じられないことが結構多いことなのだが、著者シンクレア教授は現在51歳らしいが、確かに40代前半と言われても信じられる見た目であることには驚く。
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人は誰でもいつか死ぬ。
これは誰もが否定できない事実ですが、この本ではそもそも「老化」の正体とは?というところに焦点をあてます。
老化は自然の摂理なんだから抗いようがないと思いそうですが著者は「老化は病気である」と主張します。
まさか、という気持ちになりますが読み進んでいくと老化は病気であるという主張の真意が理解出来てきます。
まるでSF小説のストーリのような内容が盛沢山で信じ難い部分もありますが、かなり説得力のある内容です。
もしこの本で書かれていることが実現していけば少なくとも一般的な寿命と健康寿命との格差はなくなるかもしれない。
非常に面白いテーマですし読みごたえもあります。
興味のある方でしたらおすすめです。
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【非老人】
虫歯を思い出しました。
昔、虫歯はしっかりと歯を磨かないことにより虫歯になるという認識で、ほとんどの人が虫歯になり虫歯がない人は朝、昼、晩としっかり歯を磨いている人だと思っていました。
しかし、虫歯は伝染病でした。親から子へ伝染させていたのです。親が持つ虫歯菌を親が使用したスプーンなどを介して子供へ伝染させていたのです。
わたしも妻も虫歯はありますが、娘には虫歯がありません。
親が使用したスプーン、箸で子供に直接食事を与えることはせず、鍋なども直箸をせず別にお箸を用意するなどして親の持つ菌に触れないようにしました。おかげで娘はたいして歯を磨いていないにも関わらず虫歯がありません。(歯そのものは損傷しなくても歯周病の心配はありますが・・・)
老化も病気の一つとされるでしょう。
では、永遠に健康で長生きするのでしょうか。分子レベルでみると食物により新しい分子が体に取り込まれて古い分子と入れ替わっているだけです。見た目は変わらず中身は新しくなっている状態です。こう考えると永遠に生きることができることになります。
よくわからなかったのが120歳という区切りです。なぜ、120歳までは健康でいられるのかということです。細胞が劣化しないのであれば、何によって人は死を迎えるのでしょうか。老衰がなくなると病気や事故しかないということになります。
老化という病気にかからないようになると他の病気にかかることも減るため病死も減りますが、長生きすればするほど、事故に遭遇する可能性は高くなります。事故死が増えるのでしょうか。まだ、よくわかりません。
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生物の「老化」が、実は避けられない運命ではなく、治療可能な「病気」であるとの認識に立ち、第一線で活躍する研究者が老化のメカニズムや具体的な対処方法等を解説する一冊。
人が老化する仕組みは遺伝子レベルで概ね明らかになっており、老化(とその抑止)に直接関係する複数の「長寿遺伝子」や、それらの遺伝子を活性化する物質の存在も明らかになっている。人は長寿遺伝子を活性化するような生活習慣や活性化物質の摂取により、老化を遅らせられる可能性がある。著者はまた、最新の研究成果から、老化細胞を体内から除去したり、細胞自体を「リプログラミング」することによって若返りを促進するような「未来の老化対処策」も紹介する一方、「老化は自然現象であって抗うべきではない」という先入観が、更なる老化研究の推進を妨げるバリアになっていると指摘する。
近い将来には、我々一人一人の遺伝子情報に基づいてカスタマイズされた予防医療や、バイオトラッキングによるリアルタイムな健康状態の監視なども実用化の視野に入るが、そのような未来像に対しては、人口の爆発的な増加、大量消費・廃棄による資源の枯渇や環境汚染、社会保障制度の破綻や経済的格差の拡大などへの懸念から反対論も根強い。著者はこれらの論点に対しても、老化の抑止によって「健康寿命」が延びれば、高齢者がもっと活躍でき、社会的なイノベーションが起きる可能性が高まる一方、老化に伴う各種の病気に対処するための膨大な医療費が削減できることから、老化研究を否定する根拠にはなり得ないと一蹴する。各論では賛否あるのかもしれないが、「人生100年時代」がより現実的かつよりポジティブに捉えられるようになる良書。
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今時点の老化やアンチエイジングについてのほぼ全研究を網羅してる本。研究の方向性と医学の現場でのギャップがわかります。
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老化関係についてて何でもかんでも書いてあるのでやたらボリューミー
知りたいことは老化対策で、既にやっていることが多いが、MNMは摂れれば摂りたくなった しかし高杉
断食 ...できる
HIIT ...できる
断タバコ ...そもそも吸ってない
メトホルミン...摂れる
MNM ...高すぎて無理...
レスベラロール ...高いが摂れなくはない
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人生100年時代と言われるようになってきているが、健康年齢が70歳だとすると、その後、30年は不健康な状態で生きながらえないといけないなぁって思っていたところで今年発売のこの本を手にとって読んでみた。とはいっても、結構な分量で約500ページの専門書だ。。
この本では、「老化は病気である」という問いの設定がこれまでの概念を超える部分があることによる心理的な抵抗についての抗弁も書かれているが、たぶん、この本を手にとってまでして読む人からすると、あまり読まなくても良いところかなという気もする。「老化の情報理論」っていうくだりは、現在のITシステムの基盤となる電子の世界でおきる情報の劣化を人間のDNAでもそれと同じようなことが起きるという説明があって、その劣化を食い止める方法としていくつかの方法が提示される。
・食べる量を減らす・・・75%程度摂取
・間欠的断食・・・朝を抜くとか昼を抜くとか
・アミノ酸を制限する・・植物性のタンパク質が良いらしい
・運動する・・・週に7,8キロ程度走る、ある程度きつい運動のほうが良いみたい
・寒さに身を晒す・・冬に外で運動とか
なんだろう、日本では、食事の際には腹八分目とか、調子が悪くなったら胃を休めるとか、カラダを鍛えるために乾布摩擦とか、食事においては、納豆や豆腐といった植物性のタンパク質の摂取など、古くから馴染みのあるものが多いなと。
でも、この本では、老化を病気と捉えて、その原因となる特徴を以下のように記載している。
・DNAの損傷
・テロメアが短くなる
・エピゲノムの混乱(DNAからどの細胞になるべきかを管理)
・細胞の炎症
DNAの損傷を修復するのはサーチュイン遺伝子ということがわかって、この遺伝子を活性化させるのは適度なストレスだが、NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という化学物質がないと働けない。
NADの一段階前の化学物質として、NRやMNMが発見され、研究が進められてて効果が高そうとのこと。マウスの実験だとMNMの方が健康効果があるようだが、まだ決定的な答えは出ていないらしい。人間に対しては、現時点では毒性はみあたらないようだが、筋肉系疾患や神経系疾患に対する有効性を検証する研究が進行中の模様。
まあ、本の分量があるので、なかなか理解も難しいのだが、"おわりに"の章では、筆者が実践していることが列記されている。
ちなみに、筆者は研究者であって医者ではないという断り書きがある。
・NMN1グラム、レスベラトール1グラム、メトホルミン1グラムを毎朝摂取
・ビタミンDおよびK2の1日推奨量を摂取し、83ミリグラムのアスピリンを服用
・砂糖、パン、パスタの摂取量をできる限り少なくする。
・1日のどれか1食を抜くかごく少量
・毎日できるだけ歩く、ジム、サウナ、氷のような冷たい水風呂につかる
・野菜
・タバコは吸わない
・BMIを23-25にする
サプリは、GMP認証されているものと純度が高い(98%超)ものが良いらしい。
数年前からNHKや日本の科学系の記事などでMNMが取り上げられたこともあって、日本でもサプリが売っていたりす���のだが、1日1gのMNMを摂取しようとするととんでもない金額になる・・・ 16万円とか。。。
いくらハーバードの教授とはいえ、そんなに高額なものを買い続けられるの?って思って、アメリカでMNMを探してみると、100gで3万弱くらいで販売されていたので、月に1万弱なら、出せない額じゃないかな?
レスベラトールについては、文中では、MNMと同じ効果っぽかったんだが、なぜ併用しているのか不明。
メトホルミンは糖尿病の薬で、日本だと病院で診断を受けない限り処方されないと思いきや、個人輸入とかで手に入ったりするのね。。がんの抑制とか各種の病気の予防になるらしいから、自分が早期の糖尿病の診断を受けたら早めに貰うことにしよう。
読んでみて、何もしないっていうのもなんか良くないと思って、間欠断食をやってみたんだけど、食べなかった後の食事をたくさん食べるという悪循環になったので、ちょっと考えものだ。
MNMについては、神経障害の可能性を示唆するYouTubeの情報もあるのが気になるものの、100gを注文してみた。来年の年末とかで自身の体調がどうなっているのか確認できたら良いな。
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老化は一つの病いとして技術的に対処出来る時代が来つつある…120年若く健康に過ごせる時代と従来の死との考察。
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「老いは病気」と言い切るハーバード大医学部教授による老いを克服する方法について書かれた本。
科学的な解説は少し難しかったが、寿命を調節する酵素のサーチュインとこれを活性化するニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は覚えた。
あとは、間欠的断食、アミノ酸の制限、運動、寒さがサーチュインを働かせるのに重要。意外なことに昔から提唱されてきた経験的な健康法と似ている。
いつか自分で試してみるか?
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老化は病気である、治療方法が確立していないだけで、避けられないものではない。とな。ま、現段階では、少なくとも「少食」や「プチ断食」が長寿にプラスなのは間違いなさそう。
遺伝子の特徴や腸内環境の違う治験の対象者でゴーサインの出た薬剤であることを意識していない自分に気づいたのが大きな収穫。ってか、メスのマウスが実験に使われるようになったのすら、ごく最近とか…(-_-;)。
ウェアラブルな、パーソナル・バイオセンサーは普及する一方だろう。それは大変結構だけど、蓄積される「センシティブ情報」の扱いについて、考察を同時に進める必要のあることが置き去りにならないよう…にするのは、我々市井の人間の役割やろな。闇サイトでは医療情報がクレカ番号の10倍の高値で取引されているなんて記述もあったしな。くわばら。
細胞の損傷や栄養不足などといった軽微な生物学的ストレスが健康にプラスの効果を発揮することを表わす「ホルミシス」という概念が気になる。
やっぱり生き物って、快適なばかりじゃダメなのね。
ロンドンに大学が40校あるってビックリしたけど、ググったら東京にが130以上あった…。
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感想
老いについて研究しているハーバード大学の研究者が、老化について現状分かっていること、そこから推測される未来の社会や医療などについてまとめている。
面白かった点として
・老いの機能はもともも人類の生存本能から生まれた可能性がある。
・老いはガンや生活習慣病などの、高齢化した際のしに至る病の原因となっている。老いを緩めることができれば、ガンなども克服できる可能性。
・老いは病気。薬や食事などで直すことができる。
・動物性たんぱく質を避ける。サウナに毎日入る。寒さになれる。、毎日運動する、などで老化を防ぐ
・老化克服によって、現状の社会システムは変化する必要がある
などなど。本自体は長いけど、新しい刺激をくれる面白い本でした。
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結局のおところ希望があるがというイメージ。
すごい
スケールと比較して生物系の人の研究のやり方とかイメージを得られた。
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デビッド・シンクレア「LIFE SPAN」読了。本書は、老化を病気の1つと捉えておりとても斬新な考えだと思ったが、確かに現在高齢者の体の状態には改善の余地があるようだし、歳を取っても体が不自由では長生きもどうかと思うと筆者の主張も同意できる。研究が進み豊かな老後を過ごせる社会が到来する事を望む。