紙の本
どのテーマも興味深く、面白く読めた
2024/04/12 21:20
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
三つのテーマについて書かれている。一つ目は天皇(憲法)について。二つ目は朝鮮・韓国について。三つめは新型コロナについて。どれも興味深く、面白く読めた。
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何かについて意見を持つならば、まずはそれについてよく知らねばならない
発信するためのアイテムを沢山手にいれ過ぎ、受信することを疎かにしてしまった
また直接役に立つ(ように見える)情報に気をとられすぎ、本質は周辺やあいだにあることを忘れてしまった
そういう当たり前のことに気づかされる本
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確かに、どんどん読み進めたくなる教科書。学生時代にも同じように思えたかというと、ちょっと微妙かもしらんけど。でも、本作のような思考力を、学生時代に授業の一環として触れられるなら、そんな素晴らしいことはないかも。ものの考え方を教える大変さを、本作はかなりのレベルでクリアしている。素敵。
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自分がよくわからないことを「知ること」、そのために「読むこと」、そして、「考えること」と、さらにはそれによって触発されたことを「書くこと」。それらがわたしたちにとってどんな意味を持っているのかということをあらためて考えさせれられる。
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論壇時評を重ねてきた元大学教授の作家先生が、世の中の出来事から疑問に思った事柄をとりあげ、「自学」して蓄えた基礎知識をもとに筆者の解釈を語った三つの論説集です。1.天皇とは?憲法とは? 2.汝の隣人の韓国・朝鮮とは? 3.スペイン風邪・ペストの記憶から学ぶコロナの時代の生き方とは? 平易な入門書とは次元の違う格調高い論調に眩暈を覚える、文学の香りに包まれた自己啓発書でもあります。
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「知識が必要だ」に共感する。
日本国憲法の前文から天皇、9条の戦争放棄までが国の基本的な考え方、思想を書いた「前文」にあたるという指摘にはなるほどと頷いた。そうだよね。
茨木のり子さんと尹東柱さんの詩を読みたいし、「金子文子と朴烈」のDVDも探したい。
コロナについては「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」「今からもう、よく考えておくべきだ。いったい何に元どおりになってほしくないのかを」という言葉にクラクラした。
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憲法、韓国、新型コロナの3本柱で小説などの文献にあたりつつ思索を深めていく一冊。ゆっくり、ゆっくり、答えを急いで探そうとせずに進む。というかこの3つのことに"答え"なんてないんだものな。問題になってしまったことをいくつか内包しているけれど、一朝一夕に解決できることはない。
提言というのでもなく、視点の提供、高橋さんの思索の披露による提供。
汝の隣人、の章が良かった。「あいだ」の存在について。茨木のり子の「ハングルへの旅」。宗主国と植民地の「ことば」の役割について。
「いや、自分の理解というものは、いつも中途半端なのだ、と思った。そのことをいつも思い浮かべたい、とも。」
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気になる課題があれば自分で調べて自分のことばで語ることの訓練が必要なことをあらためて認識しました。憲法9条戦争放棄は今の国体の解釈が面白かったです。茨木のり子さんがハングルを学び始めたきっかけが韓国女流詩人ホンユンスクさんが流暢な日本語を話し、自分の祖国がその目の前の詩人から母国語を奪ったことを認識したから。ほかにも複雑に理由があって説明が難しく隣の国のことばですものと語るところが、印象に残りました。
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こんな薄い新書にいっぱい教えてもらいました。
盛りだくさんで消化しきれていませんが
天皇(憲法)・韓国朝鮮・コロナ
とても具体的で実際に生きた人の著作も引用して
読んでみたい!と思わせてくれました。
文句を言って嘆くより知らなければ!と強く思いました。
知らないことばかりだと改めて思わせてくれました。
生き延びるために、自由になるために知らなけれぼ!
≪ この時代 書き留めるんだ その言葉 ≫
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高橋さんの教科書、次もお願いします。こんな教科書なら読みたい、そう思いました。「文学」って、これまでなんとなくボワッとしたもののイメージでしたが、もしかしたらとんでもない凄いもの、アプローチの仕方がこれまでの私の次元より数段上の次元かもしれないと思いました。「汝の隣人」については自分の勉強の足りなさを痛感させて頂きました。第3章のコロナについては、人間は「忘れる」ということ、これについて考えされられました。
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ーー「ことば」は、もちろんいいところがある。たくさん。その一方で悪いところもある。それはただ「浴びている」だけなのに、それを知ってしまったかのように感じてしまうところだ。あるいは、よく知ってもいないのに「もう飽きた」と思ってしまうところだ。ーー
『たのしい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代』p238より
どこか、今さら、とか、関係ない、とか、誰か偉い人が考えてくれる、とか、なんとなくそんなことがあることを知っていればいいかね、とか思ってしまいがちな事柄を、高橋さんが一緒に考えてくれる。こういう考えはどう?と導いてくれる。考えなくちゃ、じっくり。知らなくちゃ、もっと。そう思わせてくれる。
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天皇そして憲法、朝鮮と韓国、さらにコロナ禍。これらについて、きちんと立ち止まって考えるということがないから、この本は確かに「たのしい」知識が満載だった。憲法9条は変えるべきなのか、変えないとしたらなぜなのかが少しわかった気がするし、日本人は、韓国、朝鮮の人たちと立場があの時変わっていたら、どう感じていたんだろうか、コロナはまたオミクロンが猛威を振るってあっという間に東京は13,000人を超えてしまった今日、この三つだけでなくさまざまなことを考え、考えたいのか考えなければいけないことだから考えるのか、わからないけどそういうことが満載の毎日をこれからも繰り返して行くんだな…
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先生は左翼文化人とのレッテルを貼られがちだが、単に政治の愚昧を嘆いているだけだ。憲法すらも一種文芸批評の方法を持って提示してくれているため、むしろ一切の偏りがない。その上で憲法論議が引っかかっているトゲをクローズアップして見せてくれた。自ずと天皇論も、先生が誰もに向ける人間への慈しみを注ぐ点においてよりヒューマニズムを感じることができた。この視点と立ち位置は続く韓国朝鮮関連の章においても、コロナの章に至るまで貫かれている。
かといって高踏派だとか相対主義などとは全く違う主張があり、納得してしまう。どうやらシリーズになりそうなので、タイムリーに発刊していってほしい。「年刊 高橋源一郎」ならばもちろん定期購読したいのだ。