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なんだかとてもパンチの効いた一冊。
そうか、わたしも知らぬうちに『ヘレン・ケラー神話』に加担した一人だったのかも。
これが一人でも多くのケラー神話の被害者の手に届けばいい。
好かれる人でありなさいなんてくそくらえだよね。
怒りはまさに自分らしくいられるためのパワーなのかも。
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目が見えない、耳が聞こえないヘレン・ケラーは自らが生きたように生きたのか、ふつふつと疑問がわきました。母親、サリバン先生からの期待にこたえた立ち居振る舞い、考え方、発言を心がけ、常に注目されていることを意識した完璧な人形のようになってしまっていた可能性はないか。周囲の人々に感動を与えるアイドルになり、本人らしさが隠されて続けていたらと思うとヘレン・ケラーの苦しみは誰が理解したのかを考えました。ヘレン・ケラーに手紙を書き続けた著者がいちばんの理解者になったのだと思いました。
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盲目の作家、「ヘレンケラー神話」に物申す。
公開されているヘレンケラーの生家では「ポンプのレプリカ」をお土産品として売ってるらしい。「ウォーター!」のアレね。ちょっと悪趣味?
盲目の子を庇護する者たちは、彼/彼女を異常なまでに身綺麗にしておく。その意味を考えると切ない。きっと私達は、(無意識にせよ)彼/彼女を“そのようなもの”だと捉えている。そのことを突きつけられたようで。
あと、盲目女性の性生活への切り込みに、いい歳をして、たじろいでしまった(結構しつこいし)。だって私、『春琴抄』の国の人だものってば!晴眼者や男性にはデリケート過ぎて踏み込みにくい領域だし。
晩年、さまざまな疾患を負うサリバン先生が痛ましい。貧しい幼少期に充分健全な発育を望めなかっただろうことと併せて、ヘレンケラーとの50年でどれだけストレス溜めたか、想像するだにげっそりする。