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映画館って普段意識しないけど、こんなに部門があって忙しいんだなぁ。色んな悩みを抱えながら少しずつ前向きになっていく。徐々に静かに盛り上がって、最後の言葉が沁みる。
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2020年55作品目。
日曜日のクリスマス・イヴ、郊外のシネコンが舞台の連作短編集。
グッズや飲食物の売店、チケット売り場、映写室の裏側が垣間見えて、日頃シネコンに足を運んでいる身としては興味深く拝読しました。
感謝の気持ちを抱いて、これからも映画を見ます。
映画をお好きな方、是非御一読を。
とても好きな作品です。
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クリスマスイブに郊外のシネコンで働く人達たちのお話。 それぞれのセクションごとで働く人の目線で描かれ、そこでの人間関係や仕事の内容が少しずつ絡んでいきます。 大学生と少し年上のフリーターがメインのお話なので、若者の抱える繊細で危うい心理描写が印象的でした。 どこの組織も同じようなことがあるのですね・・・。 個人的には、「ザ・中間管理職」というようなトーキョーがインパクト強かったです。 彼のお話もスピンオフか何かで知れたらいいな。
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日曜日のクリスマス・イブの日、郊外のシネコンで働く人たち。それぞれが微妙な人間関係のなか、複雑な悩みを抱えながらもひたむきに仕事をしている…。映画館の各部署で働く人の想いが重なりあう心温まる連作短編集。
映画館を舞台にした小説や映画は数多くあるが、シネコンが舞台の作品は初めてかも。物語の世界で映画館のイメージは郷愁とかノスタルジーになるが、シネコンではちょっと違う。それでも主役は人間となれば、その部分は欠かすことができない。作者の挑戦に拍手を送りたい。
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学生の頃は1年に100本くらいの映画を見ていたが、その頃はシネコンは無く、大きなビルにいくつも映画館が入っているところはあったけれど、チケット売場はひとつでも、地階が「東宝シネマ」、2階が「宝塚劇場」、5階が「スカラ座」、7階が「東宝名画座」てな感じで、モギリや売店もそれぞれの階にあるという作りだった。
あれから何十年、仕事が忙しくて映画どころじゃなくなってしまい、子どもが大きくなればドラえもんやコナンにも行かなくなったので、シネコンに足を運ぶこともなくなってしまったなぁ。
それにしても映画館には色んな役割があるものだ。ボックス(チケット売り場)、フロア(もぎり・清掃)、コンセッション(飲食売店)、ストア(グッズ売店)、プロジェクション(映写担当)に、オフィス(事務所)。
昔だったら上映中は映写技師以外は暇だっただろうが、開演終演が次々とやってくるシネコンでは四六時中働いていなければならないことがよく分かり、映画が好きじゃないと務まらないと思うけど、好きというだけでも務まらなさそうな仕事に思えた。
そういうシネコンでクリスマス・イブの夜に働く人たちの物語。
現場は皆アルバイトで、半分が学生、残りがフリーターか主婦という構成の職場だが、若い人たちが人との距離の取り方が分からず礼儀や敬語も教えられずにいきなり放り込まれた社会の中で、他者とどう付き合っていくかに戸惑い、正規非正規格差や同調圧力には敏感に、すぐにその歳になることも分からず少し年上の人をおじさんおばさん呼ばわりしながら、それぞれが悩みながら生きている、そんな感じが良く出ている。
少ない社員の一人、トーキョーに対する見方が人それぞれで、「本当は良い人」って訳でもなく、多分いい所もダメな所もあるというように書かれているのも良い。
七人の侍、オズの魔法使い、仁義なき戦い、スター・ウォーズ…、ところどころに有名なセリフが入るのも嬉し。
ただ、それぞれの話の終わりが全て佳い話風に収まっちゃうのにはいささか不満。
西口さんと千秋ちゃんと片山さんの話はそれでも良いけど、菊地くんが何故家業を継ぐのを辞めて正社員になってみようと思うのか分かりにくいし、加藤くんの場合、昔の彼女がああ言ってたのを聞いたら寧ろ未練がぶり返すんじゃないかと思うぞ。
岡本くんと島田さんにせよ、物語的にはあれで良かったんだろうけど、それでも私は、岡本くん、折角のチャンスなんだから田舎へ引っ込むことはない、二人で東京へ行くんだ、と思うのだった。
全体的な雰囲気は結構好きだが、この作者らしくなくほわ~んとした感じになったのはどうよと思っていたが、「あとがきにかえて」を読むと昔の良き思い出を小説に仕立てたようで、そういうことかと受け入れた。
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シネコンのお仕事小説というよりもシネコンのアルバイトたちのお話…という感じ。
甘いなー…とか優先順位間違ってるよ…とかそれは言っちゃいけない…と社会人からは思ってしまう。
一人一人の物語とかは、とても綺麗にまとまっていて、シネコンの裏側を見れたところはよかった。
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・「やってみるではない。やるかやらないかだ」
・この一瞬を写真に撮るように閉じ込めてしまってはいけない。憧れを実現するために、動き続けるんだ。
・新しいものにも古いものにも、それぞれの良さがある。失われていくものへの愛着が、古いものをより良いものに見せているだけだ。
とあるシネコンで働く人々のクリスマスイブの1日を様々な視点から描かれた連作短編集。
正直、読んでいる途中は、物語というよりも映画館での仕事内容の情報量が多すぎて、ただでさえ本を読むのが遅い私はかなり読みにくさを感じたが、読了後の気持ちよさと登場人物たちのこれからへのワクワク感が素晴らしかった作品だと思う。
人間誰しも光と影があって、その影よりの部分にフォーカスされている人物が多いように感じた。影があるから、光が成り立つ。悩みがあるから、希望が見える。その構造が強く感じられる素敵な演出だった。
それぞれの章が違った人物の一人称で語られるので、当たり前ではあるが1人1人の感じ方は異なるのだなということや生きていく上で色んな考え方の人がいるんだなと思った。各章でその人ごとの性格を比較できるからこそ、人間味をよく感じられた。
本作を読み進める上でずーっと気になる部分、どの人物も気にかけていた、島田さんと岡本さんの関係。
このモヤモヤが、最終章で一気に終止符を打たれる安堵感が大きかった。
本を読む上で、読み進める手が止まらないような疾走感も大事だと思っているのでその点でいうとうーん、という感じ。でも全て読んでみて感じた感覚の良さから、星4!
本作は「海の見える街」で初めて畑野智美さんの作品を読み、一気に虜になってしまったので読んだものだったが、畑野さんの作品はこれからもたくさん読んでいきたいと思う。
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シネコンでアルバイトをする6人それぞれの目線で描かれているのが面白い。 ラスト、もう1エピソード欲しかったな… その先が知りたくなるお話でした♪
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たまにしか行かない映画館だが、シネコンってこんな感じで仕事が回ってるのね。
島田貴美さんと岡本君、ラスト1ページがハッピーエンドでよかった。
長年フリーターであるこの二人の他、学生バイトの加藤君や木村君、新人バイト片山さん、小学生の母である宮口さん、オフィスの千秋さん、それぞれの立場で書かれたそれぞれのポジションでの仕事内容、そして各々の感じ方の違い、みんなから嫌われている「トーキョウ」とあだ名される副支配人の思いなど、角度さまざまで興味深かった。
ますます機械化が進む映画界、次に見に行くときは、これまでと違う視点でスタッフを見てしまいそう。
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地方のシネマコンプレックスで働くアルバイト達の物語。クリスマスイブの日、いつもより混雑するシネコンで、忙しく働く彼ら。それぞれにさまざまな思いを抱えている。ちょっとしたトラブルや人間関係のモヤモヤもありつつ、それぞれの事情や心のうちも描かれている。
ちょっとさらりとし過ぎてるかな。
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南部芸能事務所を読んでいる気分になるって、流れも人の書き方も、嫌いじゃない好きなんだろうな。1人の気持ちの吐露するから次に相手のページが読めるのは面白いし、繋がっているし、短編小説って呼ぶんだね。バイトと読んでもその中には世界があるので、仕事に上も下もない、とは言いながらバイトの心情がリアルでいいかな、土屋の様な女性はたくさん存在するし、先輩と呼び方にキレるとかエグい。加藤くんと付き合っても自分が嫌われる前に振るんだろう絶対に。最後にあの2人はあそこから始める?のか。長い冬だよね、上手くいくのかな
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シネマコンプレックスで働く人たちのクリスマスイブの一日を、各セクションで働くスタッフの一人を軸に描かれる連作短編集。
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映画館ってこういう感じで動いてるんですね。
勉強になりました。それぞれの話が絡み合ってて読み返すとこう繋がるのかなるほど。と考えながら読んでました。恋愛系なのでパンチはないですが十代の頃に思い描いていた恋を思い出させるような作品。
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シネマコンプレックスで働く人々の職種別に書いた本。この映画館に働く人たちが100人居るとは、だいぶ前の話だろう。今はデジタル化が主流でそんなに働く人は居ないと思う。自分も映画が好きでよく見ているが、こんな感じで働いてるんだなぁとつくづく思いました。