紙の本
ゆく年ばかりかな
2021/01/07 16:19
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「丸かじり」シリーズも43冊めとなれば、さすがの東海林さだおさんもネタが尽きたか、いくらなんでもパンダは丸かじりできないでしょ!?
いや、食のエッセイの達人東海林さんならパンダでも丸かじりしそうだし、街のパン屋さんを覗けばパンダの顔をした菓子パンはきっとあるだろうから、丸かじりできないわけではない。
ところが、なんと冒頭からいきなり「パンダはかわいい。」ときたから、びっくりした。
続けて、「シャンシャンは特にかわいい。」とくるから、これは黒柳徹子さんが東海林さんを騙ったかと思う人もいるだろうが、ついている絵は東海林さんのタッチだし、一体どうなっているのだ!?
その理由はこのエッセイの連載時期と大いに関係がある。
この本には、「週刊朝日」の「あれも食いたいこれも食いたい」の連載分2018年1月から10月分までが収められているが、上野のパンダに待望の赤ちゃんが誕生したのが2017年6月。そのパンダこそ、シャンシャンで、加熱する人気に初お目見えとなったのがその年の12月も半ば。
すなわち、東海林さんは時事ネタとしてパンダを丸かじりしたという訳。
「丸かじり」シリーズは単においしかっただけの食のエッセイではなくて、時事ネタもあったりして社会問題にもしっかり取り組んでいる。
パンダの他にも「いきなり!ステーキ」なんかのエッセイがあったりする。
あ、この頃脚光を浴びてたんだ、なんて、すでに懐古的。
時の過ぎるのが早すぎて、丸かじりするとのどにつかえそう。
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肩肘張らずに読めるシリーズ~カッパ巻き・芋けんぴ・葛湯・チャーシュー天ぷら・残念な(冷や麦に入っている缶詰の)サクランボ・ひまわりの種・焼きそばパン~あれも食いたいこれも食いたいシリーズは43冊目。その前は何の丸かじりだっただろうか?ピョンチャンオリンピックのカーリングで「そだねー」が流行した。ちからカップヌードルがないと嘆いているが、ほかのカップ麺ならあるよね
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相変わらずの東海林さだお節。細かいことによく気がつく。言われてみればナットクということが多い。それを表現する文章のうまさも相変わらず。
かっぱ巻きの時はよい時/パンダかわいや/背脂チャッチャ七草粥は?/芋けんぴ・WHAT?/鶏むね肉の“向き"/ビビンバはラテンの匂い……。
『ピザが流行り始めたあたりからチーズがとろーっとしてきた。そしていまやとろーり全盛。チーズもこの「とろーり」でもう一生くいっぱぐれがない。
「とろーり」が鉄板の食べ物は、チーズのほかにもう一つある。半熟卵である。出てくるときの様子が好ましい。生卵だと身もふたもなくダラーッと落下するだけだが、半熟卵の場合はおそるおそる出てくる。辺りの様子を窺うように、殻の奥からゆっくり出てきてとろーりと落ちる。こころところに風情がある。満を持して出てきたというヨロコビを感じる。』
シリーズ第43弾!超長寿連載「あれも食いたいこれも食いたい」最新刊!
もくじ情報:かっぱ巻きの時はよい時;パンダかわいや;背脂チャッチャ七草粥は?;芋けんぴ・WHAT?;鶏むね肉の“向き”;凍ったバナナで釘は打てるのか?;葛湯の実力;ビビンバはラテンの匂い;日本の行事 その未来;「そだねージャパン」の「もぐもぐタイム」;「キャベツ蕎麦」に驚く人々;太麺という荒くれたち;「チームかき揚げ」は銅メダル;チャーシュー天ぷらとなる;「ヤワラカーイ」でいいのか;カリカリ梅の孤独;日出たくないのにお赤飯〔ほか〕
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食のエッセイといえばこの著者は外せません。『週刊朝日』に連載している「あれも食いたいこれも食いたい」をまとめた丸かじりシリーズの最新刊である本書。寿司桶の中のかっぱ巻きの存在や、昔とイメージが変わったコッペパンやサバ缶のブームなどについて、独特だけど読みやすい東海林節で、おもしろおいしく描きます。
他の丸かじりシリーズも一緒にどうぞ!
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緩めのイラストも楽しい、食に関するエッセイ集。ほぼ、庶民的な食べ物を巡る軽い葛藤(と言うが良いか)などを思いのままに綴っている。平昌五輪の頃に書かれたようで、カーリング女子のもぐもぐタイムや「そだねー」にはまった様子で、「そだねー」は他のエッセイにも度々登場する。
かなり有名な人のはずだが、サンマ「二匹」定食を食べる時の喜びの心境など、ひたすら内容は庶民目線だ。軽く蘊蓄を入れながら、楽しく読み進められる。