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螢=魂=直子=ノルウェイの森=緑色⇔赤色=緑 村上自身が装丁
死(緑)は生(赤)の対極ではなく、その一部として存在している。
村上作品は生と死の世界がとても近い。
心の力=主人公
自分の本当の心を見つけ出せれば、それが世界を新しく作り直す力を秘めている
ふかえり=村上
文字で書く言葉=完全だが固定されて動きのない ではなく、
語る言葉=不完全だが動きに満ちたカンガルーのような話し言葉
羊男=ヒーロー
戦争忌避者 羊=近代日本を象徴
カフカ=カラス
一人ぼっちの魂
鵲(カササギ)スズメ目カラス科
柔軟で寛容な心
地下二階
暗闇の世界を描くことが作家の真の使命
現実へ復帰し、こちら側の自分にも問う
1Q84
「説明しなくてはそれがわからんというのは、
つまり、どれだけ説明してもわからんということだ。」天吾の父
歴史は説明することではなく、継承するもの
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ヒツジと近代に関する考察など一部に「へー」はあるが、他はおおむねタイトル通りでまさに「動物誌」。一つ一つが短いので、もっと掘り下げてもらいたかった。と感じていたところ、あとがきを読むと新聞の連載をまとめたものだという。
これまでの経験として、新聞の記事を書籍化して、成功するのは難しいと思う。賞味期限、読者層、文体などの方向性が異なるからだ。
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動物誌ということで村上作品に登場する動物たちを紹介しているが、その内容は動物たちをキーワードにして作品を読み解くもの。
読んでいながら内容を忘れている箇所も多く、思い出しながら読んだり、未読の本については読みたくなった。ただ読んでいない本に関しても十分面白く読めた。
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村上春樹の小説に多出する動物たちをキーワードに、村上作品の本質に迫る名著。
読みにくくはないが、タイトルと新書という気楽さからイメージされるような軽さはない。
村上春樹の小説に描かれる悪や暴力が、善と対立するものではなく、読者である我々、村上春樹自身の中に内在するものであり、殊更に暴力が残酷に描かれるのは、読み手の僕ら自身に痛みをリアルに感じさせるためであること。
村上文学を貫くのは「戦争」をはじめとする近代日本社会への「歴史意識」であること、だから、超初期から執拗に中国について書き続けていること、それは父親が背負った歴史を引き継いでいること。
頭に残ったのはこの点を明文化していることで、動物はあくまで触媒的なものなのだった。
早稲田大学出版部の本で、早稲田のギャラリーで購入したため、著者の署名入りであった。