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諸星大二郎は作品自体もさることながら、幅広さや書誌を網羅的に見渡すのも面白い作家だ。
だって50年も描き続けているのだ。
50周年展の図録だが、分野を8に分けて、それぞれで関連する文化や作品にも言及していく。
漫画を読むときのサブテキストとしてもばっちり。
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文藝別冊とか諸星大二郎についての本は良く出版される。出版社にも熱心なファンがいるのだろうし、こうして買い求める根強い読者が居るわけだ。
諸☆漫画の主要なシーンの元原稿とアイデアの源泉の土地となった土地や風俗、図版などが一望されている。オオナムチや大いなる仮面の原稿のベタの生々しさまで収録されていて、ドキッとする。
特にデューラーなどの絵画からの影響は、過去の出版物には取り上げられていなかったので興味深い。
主要な作品につき、諸☆先生がインタビューに答えてもいるんだが、本書では「太公望伝」が全く触れられてないのが、唯一の不満かな。数々の作品の中では中編の扱いだが、あの作品好きなんだよなあ。
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諸星大二郎先生の大博覧会の公式図録.大判でマンガの背景にある学問等に触れ,豊富な写真や図説などこれはお買い得.
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「諸星大二郎展」の公式図録。各展示のキャプションがかなりのボリュームなので、会場では適度に読み飛ばしつつ、図録で補完するのが良さそう。ISBN付きののわりに良心的な価格設定も良い。
図録を見返して気づいたのだけど、この展覧会、諸星作品の世界を支える資料・史料や、諸星大二郎が影響を受けたい美術作品に関する展示は充実していた一方で、他の漫画家との関係についてはほとんど触れられていない。あくまで作品とその背景知識との間だけで諸星大二郎が語られている。
作品背景の知識にコンセプトを絞ったおかげですごく見通しの良い展示になったので、他の漫画家との関係が除外されたこと自体はこの展覧会の瑕疵ではないし、むしろその限定こそが本展の成功だと思う。
とはいえ、諸星大二郎が影響を受け、あるいは影響を与えた漫画家も多く存在するわけで(有名なところでは宮崎駿とか)、そちらに視点を向ければまた違った広がりが出ルと思う。
汲み尽くせていない諸星大二郎像がまだまだあるので、60周年、70周年と切り口を変えてやってほしい。