紙の本
やはり傑出しているのはテッド・チャンとケン・リュウでした
2021/02/02 22:43
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハヤカワらしくガジェットと世界観で魅せるタイプのSF作品が多くて、有名なSF作家を押さえつつも初訳作品の方が多く収録されてるところも嬉しい。特に良かったのは、中国の幻想小説的雰囲気と産業革命下のスチームパンク要素を融合させたケン・リュウの「良い狩りを」、脳の障碍で全身不随になった主人公の意識を深海生物と融合させた陳楸帆の「果てしない別れ」、教育学とペットに対する倫理の要素を盛り込んだ仮想空間のAI生物育成ネタを展開するテッド・チャンの「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」の3作品。どれも世界観が独創的で文句なしに面白かった。
紙の本
これで2010年代を代表できるかはともかく
2021/02/03 19:33
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
収録作が2010年代の最高傑作群か、と言われるとアレだが、作家のラインナップは確かにそう。やはりダントツで「良い狩りを」がイイが、他はニューイッツが良かった。タイムリーだし。ウチにもロボットが見に来てくれんかなあ。
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「2000年代」のときも思ったけど、日本のSF短編は世界一! とか誤解しそうで怖いわ。ピーター・ワッツの「内臓感覚」なんて、腸内細菌叢の意識への影響というトピックが、この数年で急速に陳腐化したことは考慮するにしても、腸内細菌で人を操ってテロをやらせるなんて、(テロを扱ったサスペンスとかならともかく)SFとしては、このアイデアの一番つまらない使い方だと思う。「プログラム可能物質の時代における飢餓の未来」とか「ジャガンナート――世界の主」はそれでも面白かった。
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先日「2000年代海外SF傑作選」を読了しまして、その際の感想は「『綺麗であっさりしすぎている』か『ちょっとやり過ぎでくどい』かどちらか」。あまりピンとくる作品はなく、では2010年代はどうだろう、と続けて手に取ってみましたが・・・うーん、残念ながら、こちらもあまりピンとくる作品はありませんでした。
あくまでも主観的な感想ですので、もちろん他の方にとっては素晴らしいと思える作品もあると思います。収録されている作家陣は、最近のSF者界隈でよく耳にする今をときめく名前がずらりと並んでますし。が、2000年代以上に「綺麗であっさりし過ぎている」作品が多い印象。敢えて心に残った作品を挙げるとしたら、ピーター・ワッツの底意地の悪さですかね(笑)
それから、最後に納められているテッド・チャン「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」。な、長い・・・(^_^; なんとこの作品だけで、短編集の3分の1強の紙幅を占めます。すっごくみみっちい感想で本当に恐縮なんですけど、短編集のうち1本で3分の1使うよりも、その紙幅を活用してもっとたくさんの作品を読みたいです。テッド・チャンなら、他にも質の高い(そしてよりコンパクトな)作品がいくらでもあると思うんだけどなぁ・・・。
というわけで、鴨とはあまり相性が合わない結果にはなりましたが、海外SFのリアルな潮流を感じたい方にはオススメです。
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ーー
ひとに近付けば近付くほどに、ひとではないことがあからさまにされていく。
ひととそれ以外との境界を守ろうとするから?
あたらしいひとを生み出してしまうのが怖いから?
いのちを持つものと、持たざるものと。
あちらにはゲイSFというジャンルがあるのか…確かに面白かったよゲイSF。まぁ喜んで百合SF読んでるわけだしね。LGBTと百合を横並びに語ると何か飛んできそうだけど。まぁその辺は別の所でやってください。
インターフェイスの問題なんだろうなと思っている。なので技術的に自分の表層がある程度自由になれば、肉体のジェンダーというのは然程の問題にならなくなる、のか? なのでSF上だと大して意識されない。
つまり百合SF、とかゲイSFとかってジャンル分けをしてしまってる時点で現状はまだまだ、ってことになるんだけど。
親和性の問題でしかなくなるのかもしれない。要するに、女の子だからスカート穿かなきゃ、なのではなくて、平均的な女の子の体型のほうがスカート似合いやすいよね、って程度の。似合ってりゃ男の子がスカート穿いてもいいじゃんね。
お洒落云うてもスカートはくとか…安田系ですな(笑
すべての作品を通じて、豊かなテクノロジーとの向き合い方、関わり方を通してそれぞれの主題を描いている。
そこにはやっぱり、それぞれの時代のひとが居て。もちろんひとが書くものだから、ひとを通して見るしかないんだけれど、或いは人間が残した、けれど人間が不在の状況を、なるべく人間としてではなく眺めることができたら、ってそれは、もう人間の仕事ではないか。ふーむ。
どうなんだろうな、と思いつつ手が出なかった海外SF作家を何人か読めてお得。平均して☆3.2。
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SFは書かれた時代から大きく技術革新が起こる前に読むと気持ちが良い。
出来るはず作られるはずと思われていたサービスや商品に頭を悩まさなくて良い。
自分のある程度知っている過去と創造しやすい未来を純粋に楽しめる。
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全体的に、あれ?という作品が多くて残念ながら自分的★5つはなかった。2000年代〜のほうはなかなか良かったのだけど。
最後のテッド・チャンが短篇とは言えない、長めの中篇って感じで、分量的にもそこに賭けてきた感がある。
この手の傑作選は、他のアンソロジーに収録されてないものとか、書籍化されてないものを優先したりする慣習があるけど、こちらも「この作家の作品を入れたいけど、アレはもうあっちに収録されてるからコレにしとくか」というのがあったような感じ。
ピーター・トライアス『火炎病』★★★☆☆
郝 景芳『乾坤と亜力』★★★★☆
アナリー・ニューイッツ『ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話』★★★★☆
ピーター・ワッツ『内臓感覚』★★★☆☆
サム・J・ミラー『プログラム可能物質の時代における飢餓の未来』★★☆☆☆
チャールズ・ユウ『OPEN』★★★☆☆
ケン・リュウ『良い狩りを』★★★★☆
陳 楸帆『果てしない別れ』★★★☆☆
チャイナ・ミエヴィル『" "』★☆☆☆☆
カリン・ティドベック『ジャガンナート 世界の主』★★☆☆☆
テッド・チャン『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』★★★☆☆
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ぶっちゃけ、読み切れませんでした。。つまんなすぎて。。国内の作家さんのSFのほうが断然おもしろい。なんというか、ぼやっと雰囲気で押し切ってるだけで、驚きも何もなく。。こんなもの??
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精神病様症状を扱ったSFに対しては職業柄、どうしても辛い点数になるのだが、なんとなく読み始めからアタリの予感がしたがアタリやった。「短編」ってのが特によくて、ダラダラ長くなると説明くさい感じがしてイヤになるのが目に見えているので…。
精神病患者の体験している世界をAR(拡張現実)で再現しようとするところから始まる。あまり長々と記述せず、患者の訴えや、患者に疲れ果てている家族の描写が短く挟み込まれている。
個人的な思い出だが、私が今の年齢の半分で学生だった頃、「ハルシネーション」というのを実習班で体験した。今でも覚えているが4分という短い時間のプログラムで、最初に私がトライして、1分で怖くなってやめた。班員の私以外の4名はみんな男子で「余裕」という雰囲気で4分終えていた。
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/for-around/virtual.html
怖いんだよね…。突然目の前のコップの水が緑色になって泡立ったり、声が聞こえたり…。今見るとアニメーションのクオリティは初期の3D並なんだけど、逆にそのつるっとした質感とか、関節人形っぽい動きとなのが却って怖い…。ちなみに班員の中で精神科医になったのは私だけで他のコはならなかった。
それはそれで不思議だなぁ、と思ったりする。
あとは、こういう「心理」とか「脳科学」に肉薄したSFが読めて個人的には大変喜ばしいのだけど、昨今の「人工知能(AI)」の勃興も背景としてるのかを超門外漢ながら考えたりする。「ヒトの神経活動に対する、『リバースエンジニアリング』的なアプローチ」というか。いずれせによ幸せだなーと思う。
これは「脳の内部を模したシュミレーターを作る」というアプローチだが、逆に「環境を一定に設定して延々と『心理実験』を続ける」のは宮部みゆきの「タウン(さよならの儀式 収録)」が最優秀作品だと思う。
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AE%E5%84%80%E5%BC%8F-%E5%AE%AE%E9%83%A8%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8D/dp/4309028071/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%81%95%E3%82%88%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AE%E5%84%80%E5%BC%8F&qid=1617420674&s=books&sr=1-1
(20210403 シミルボン・discard投稿)
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ちょっと時間をかけすぎて忘れてしまったのでレビューできないのだけど、ケン・リュウは評判どおりおもしろいというのが一番の印象だった。
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2000年代とは雰囲気が違う。
『ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル』は終わり方がちょっとあっけなかった。
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SF。短編集。アンソロジー。
テッド・チャン「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」は、5カ月前に既読のためスルー。
ケン・リュウ「良い狩りを」は、全く頭に入らずスルー。稀に特定の作家に対し、強烈な苦手意識を抱くことがあるが、恐らくそれ。申し訳なく思う。
上記2作品を除いた評価は、本当に傑作揃い。
ピーター・トライアス「火炎病」
AR。病気。意外な真相。患者の家族がARを見るシーンが個人的に最高。自分は、"知らない世界を知る"ことに感動を覚えると実感。
郝景芳「乾坤と亜力」
AIと子供の交流。あまりに微笑ましい。
アナリー・ニューイッツ「ロボットとカラスがイーストセントルイスを救った話」
タイトル通り。これも非常に微笑ましい。ロボットと動物の交流だけでも、SF作品の良いテーマになりそう。
ピーター・ワッツ「内臓感覚」
細菌。クールな雰囲気。これはイマイチはまらず。
サム・J・ミラー「プログラム可能物質の時代における飢餓の未来」
破滅?怪獣?ゲイのインパクトが強すぎるが、意外と好き。『黒魚都市』とはけっこう印象違う。
チャールズ・ユウ「OPEN」
とにかく変な話。翻訳の円城塔さんと相性良すぎでは?
陳楸帆「果てしない別れ」
人間と異生物の融合。このテーマだけで非常に刺激的で興味深いのに、人間側のストーリーに感動。とても良かった。
チャイナ・ミエヴィル「" "」
架空の生物の説明。息抜き的な作品だと思うが、とても好み。
カリン・ティドベック「ジャガンナート 世界の主」
遠い未来の人間?のライフサイクル。異形の生物の人生を描いた作品は大好物。ティプトリー「愛はさだめ、さだめは死」やスターリング「巣」とかの系統。個人的ベスト。
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中短編アンソロジー
この年代は情報空間、パーソナルスペースに深く到達し、AIをともなって今も尚その領域を拡大している
SFという無限の環境で、臨界点、特異点を超え更にその先を見たいと渇望する
次の年代の作品も楽しみです
特に印象深かった作品
『良い狩りを』
『果てしない別れ』
『ジャガンナート−世界の主』
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チャン作品に気体したけど挫折
長すぎて挫折。リュウ作品は既読。SFにも中国作家が増えてきてとても多様性が拡大してきている気がする。中国人って言っても海外在住がほとんどだけれども。
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『良い狩りを』がとても良かった。これがネトフリの『ラブ、デス&ロボット』の中でアニメ化されたというらしいので是非とも見てみたい。