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「Most Likely to Succeed」を視聴して「High Tech High」のことは多少知っていた。海外にはこんな学校もあるのかと感銘を受けつつ、現場に戻ると今までの自分の仕事に戻っていた。理想郷のような存在だった。映画では語られていない部分が多く、特に5章の『「評価」を変えれば子どもも変わる』は、何度も読み返して今の現場に転用したい。あとがに書かれていた「教育は人生のための準備してではなく、人生そのものである」というデューイの言葉で締め括られており、「学校とは」「学びとは」改めてを考えさせてる一冊。目の前の子どもたちの学びを一番に考え、職員室、学校、保護者、地域とどう折り合いをつけていくかを模索していきたい。無理だとあきらめず、ワクワクしながら探究していきたい。
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【冬の7冊目】
探求について学びたくて読んだ。知らなかったこと、わからなかったことが詳しくわかった。方向性も遠くないのもわかった。探求の授業、プロジェクトを回していくにあたって、もう少しその材料が欲しかった、具体例が見たかった…その分だけ星4つとさせてもらった。
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あとがきにある"今、学校では子どもに向けて「明るく」「たくましく」「元気に」「思いやりをもって」などいろいろな言葉が投げかけられているが、その言葉を実践で磨き、子どもたちの生活や学びに結びつけ、事あるごとに言葉の意味するところを問い直し続けることが重要である。"
このことについて、今年度は本当に考えることが多かった。
問い直しを適切に行う楔となる考えが散りばめられた一冊でした。
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意外と読みやすかった。でもまだ「分かったつもり」まずは実践してみて、この本で述べられていることを掴んでいく必要があるな、と思った。
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1〜2章
これまでの学校教育は、工場のスタッフを量産するようなものであった。
公正という言葉がベースの学校ハイテックハイ。探究ベースの学習。
3〜5章
地域を巻き込み、発信を意識したプロジェクトベースの学習の作り方。
プロジェクトを進めていく中で、何度もふりかえりの場を設定する。そのふりかえりでは、自己評価だけでなく、批評を入れた相互評価を行う。
6〜7章
今の学校は,学校の意味合いを感じられず、人生の目標が定められていない生徒で溢れている。
教師自身が、自分の才能と情熱が出会う場所を真剣に学ぶ必要がある。その上で、子どもたちにそうできるように支援していく必要がある。そのためには、何を教えるかは教師次第の方がよいのでは?
PBLに取り組むことで見られる子どもの変化は、学校の外に出たときの大人への対応。
グループワークの醍醐味
・普段コミュニケーションが少ない人とどう関わるか
・意見が対立したときの擦り合わせ
・グループ内の関係維持
人は顕在的に言っていることと潜在的に思っていることが違う場合がよくある。
PBLの学びでは、予想外のことがよく起こる。そのため、教師のこうでなければならないという考えは手放すべきで、むしろ柔軟に対応することが重要である。
このように失敗を恐れない教師を育てるためには、常にチャレンジすることの良さを説き、お互いが共に内省し,励ます文化が大切である。
子どもの内なる声を聴き、それをどう表出させるか、成長させるかを教師は問い続けることが大切。
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プロジェクトベースドラーニング(PBL)について学びたい、そう思い本書を手に取った。
「ハイテックハイ」の事例は期待通り心躍るものであった。
しかし、ただ理想論に終始する閉じた場にはなっていない。対外的に、社会的に求められる評価軸からも目をそらさず、それでいて理想を追い求める姿に教育の真髄をみた思いだ。
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探究。
それが今求められている学習の形態。
しかし、そこに哲学はあるか?
コロナでもブレない芯はあるか?
ハイテックハイには公正という哲学がある。全ては公正のため。それが日本の教育には薄い。あるのはあるのだろうが、多岐に渡っていて、人それぞれになっている。何のために学ぶのか、何を学ぶのかが大事なのはわかるがそれ以上にコアバリューが必要だ。
自分にはあるのか?
昨日の教え方で今日教えれば、子どもの明日を奪う
教育は人生そのもの
形だけの探究ではない。本質的な、根源的な学びとしての探究を実践しながら深めていきたい。
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「Most Likely to Succeed(これからの学校の役割)」という教育ドキュメンタリー映画が、2015年よりアメリカ、そして日本を含む35ヵ国以上で上演されました。それは、アメリカ西海岸、メキシコとの国境の町、サンディエゴのハイ・テック・ハイ(High Tech High)」という新しい学校での取組です。ここでは、教師と生徒のチームで非常に高いクオリティのプロジェクトがつくり上げられています。その過程では、非認知能力(「他人への思いやり」「粘り強さ」「人を巻き込む力」「明るさ」等)を十分に伸ばし、学力面でも96%の生徒がカレッジ以上の大学へ進学(生徒の約半数が低所得層の子であるにも関わらず)するなど、大きなパフォーマンスを見せています。この学校は、2000年に生徒数450名の高校生で開校したチャータースクールという形式の公立校で、授業料は無料、決まった教科書や定期試験はなく、授業は完全に教師にゆだねられています。2020年現在では、小学校から高校まで16校、生徒総数は6350人を数えるほどに成長しました。映画では、9年生の2人の成長する姿を追ったものです。
筆者は、政治学、公共政策を学び、公共セクターと民間企業で働いてきた方ですが、娘さんの通った保育園が、汐見稔幸(東京大学名誉教授)先生の信頼する園長先生であったことから、教育に関心をもつようになったそうです。保育園の父母会長として地域の児童の学びを考え始め、「探究学習」に出会い、その普及活動のために2014年に「こたえのない学校」という一般社団法人を設立されました。その後、ご家族のご都合でテキサスに在住し、米国コミュニティカレッジで教職課程を履修したり、公立高校で代理教師をされたりした経験もあります。一時帰国中に、上記映画を岩瀬直樹先生(東京学芸大学教職大学院准教授、現軽井沢風越学園園長)と視聴し、1年後に共に現地の学校を訪問し、日本での研修に奔走することになりました。その際、経済産業省がスタートさせた「未来の教室Learning Innovation」から、教育テクノロジー・個別最適化・分離融合・社会課題解決をキーワードに、新たな教育プログラムの開発・実証を行うための事業の採択を受け、事業を展開されたそうです。
ハイ・テック・ハイの中核の概念は「『公正(Equity)』を実現するためのプロジェクト」です。ここで言う「公正」とは、「誰もが、人種や性別や、性的な意識や、身体的、もしくは認知能力にかかわらず、同じように価値ある人間だと感じることができること」です。そのような社会で、行き切る幸せな子どもたちを育てるためにすべきことはなんであるか、それをハイ・テック・ハイは提案しています。
日本では、「学習指導要領」が改訂され、2020年度から順次導入が進んでいます。文科省は「学校で学んだことが、子供たちの『生きる力』となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしい」「これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい」としています。つまり、日本にもハイ・テック・ハイのような学びが必要になり、その「公正」を実現するための鍵となる学びの方法が「プロジェクト型学習」であり��その上位概念となる「探究」です。本書では「どうしたら生まれた家庭の環境や身体的・認知的特性にかかわらず、すべての子どもが自分に価値を感じ、幸せに生きていくことができるのか」を共に考えようとしています。
【なぜ「探究」する学びが求められたのか】
現在の学びのスタイルも、導入当初は画期的で、教育が一挙に大衆化される有用なものだった。しかし、社会が変化しているのに、学校が変わっていないことには危機感も感じる。ハイ・テック・ハイはチャータースクール(1990年代から米国に広がった学習形態で、全米で7000校以上、全公立学校の生徒のうち約6%が通学)の一つであり、教師によるプロジェクトの協働設計や、非常に高いレベルの教科横断型のプロジェクトなど、独自のカリキュラムを発展させている。
ハイ・テック・ハイは、地元の企業が、必要な人材を獲得するために、エンジニア・技術者・クリエイターを育成するための高校をつくろうとしたことが発端で創設された学校である。校長になった人物は、元大工であり、弁護士であり、ハーバードや高校で教育関連の仕事をしている人である。彼は、手を動かす作業をすると、子どもたちの記憶の定着度がいいことに注目していた。
学校のデザイン指針1.公正(Equality)であること:できるだけ多様なバックグラウンドをもつ子どもを積極的に学校に迎え入れることを入学のポリシーとしており、それぞれの個性を自覚し、その能力を発揮し、その場にいていい、と感じられる、社会の基盤になるような学校をつくる。
学校のデザイン指針2.プロジェクトによる学びと人間的成長:生徒が自発的な学びに向かうことを援助し、推進するように設計されており、生徒たちは「自分とは何か」という問いに向き合い、コミュニティのなかで人間としての成長を遂げるように促される。
学校のデザイン指針3.実社会とつながる美しく真正な学びをする:ロン・バーガーから大きな影響を受けている。学校は生徒たちに、こころと身体の双方をフルに使って「意味があり」「美しい」学びをするように求める。生徒たちは「自分にとって意味があり」「友達や先生、学校にとって意味があり」「学校の外の世界にとっても意味のある」学びをする。
学校のデザイン指針4.教師も協働し、学習する組織を実現する:深い学びの体験をデザインする教育者にとって、最も重要なのはコラボレーションであり、「公正な教育を実現するにはどうしたらいいのか」「新しい学校文化をつくっていくにはどうしたらいいのか」「どのようにしたら意味のある真正な評価ができるのだろうか」というような終わりなき問いに教師も生徒も一緒に取り組んでいく。
学校づくりの基本は、教師による教育の設計であり、綿密なデザインが必要であるが、予定通りにいかなくても大丈夫というおおらかさも必要である。ケン・ロビンソン卿は、人生において「エレメント(自分の才能と情熱が出会う場所)」を見つけることが何より重要だと述べている。こうしたことを実際に実現するのがプロジェクト型学習である。
【プロジェクトベースの学びとは何か】
米国では州別の学習スタンダードしかなかったが、オバマ政権時代2010年からの取組で年長から高3までのコモン・コアという新しい学習スタンダードができた。課題解決型学習(プロブレム・ベースド:複雑な現実の問題に対する探究とその解決を中心に据えて集中して取り組む、体験的(身もこころも使った)学び)より、プロジェクト型学習(生徒が現実世界に主体的に関わること、もしくは個人として意味のあるプロジェクトに取り組むことを支援する教育手法)の実践が日本よりもはるかに進んでいる。
学びの歴史は長く、1762年のルソーの「エミール」、ドイツのカント、スイスのペスタロッチー、フレーベル、イエナプランのペーター・ペーゼン、イタリアのモンテッソーリ、シュタイナー等が様々な形を提唱している。1919年に、20世紀最大の思想家と言われるアメリカのジョン・デューイが実現した実験的な試みが米国における「探究する学び」「プロジェクト型学習」の原型となっている。
「学び」に関する考え方で言えば、大きく分けて「伝達主義:知識・スキルの発展。外部的な働きかけによって“学び”が起きる」と「構成主義:生徒の経験と認知にフォーカス。“学び”は内発的に起こる」に分かれる。後者はスイスのジャン・ピアジェや、ソヴィエトのヴィゴツキー「ZPD発達の最近接領域」、米国のブルーナー「足場かけ(Scaffolding)」へと発展している。ただし、構成的な価値観と伝達的な価値観は入り混じっていることが多く、どちらかが間違っているという訳ではない。学びの目的は「生きた」知識を生むことではあるが、それは、とても時間のかかるものでもある。各校に独自のPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)があり、それは「エクセレンスの倫理を養う(最高のアウトプット、美しい展示に向けて最大限の努力をすること)」が目標になる。そのための教師の5つの習慣として、ロン・バーガーは以下の5つを述べている。①意義ある学習活動を割り当てる、②エクセレンスの事例を研究する、③批評の文化を構築する、④複数回の見直しを要求する、⑤公のプレゼンテーションの場を提供する である。ハイ・テック・ハイには、常に「美的感覚」「ものづくり」「協働」「よりよき市民の育成と民主主義の実現」が織り込まれており、「観察」「考察」「記録」「発表」のプロセスでエクセレンスの倫理を育んでいるのである。
【プロジェクト型学習が子どもの生きる力を伸ばす】
ハイ・テック・ハイには、9つのPBL要素がある。
1. プロジェクトの開始:毎年複数の教員と生徒で計画する。「発表」から逆算して計画する。プロジェクト・ディスカッション・パターンを使うことが多い。
2. 本質的な問い:①広範で、革新的な思考、そして何層にも重なる探究を促すもの。②簡単には答えが見つからないもの。③生徒の想像力を捉えるもの。④仕事や研究、個人的もしくは家庭的な生活で問われるもの。
3. アイディア出し:生徒と教師が協力して生成・共有する。
4. 批評:定期的に分析、批評し、確認する。
5. 学習スキル・知識・学習態度:教師と協働し、学業におけるマインドセットを確立する。
6. プロトタイプと修正:ますます意味深く、美しい作品の創造に向かう。
7. 発表会:作品を「現実の世界」に持ち込み、プロジェクトの意味合いを深める。
8. 評価:複数の形式で評価
9. 振り返り:思慮深く慎重な実践を促すような質問をし、評価する。
本章では、高校2年生と小学校1年生の実践例を紹介している。
【「美しい仕事」をする生徒たち】
ハイ・テック・ハイのPBLはロン・バーガーの思想が大きく影響している。彼が最も価値があると考えているのは、生徒が「美しい仕事」をすることをサポートすることであり、それを成立させる鍵は「文化」にあると述べている。当校では、「できなかったこと」が「できるようになる」ための努力を惜しまない力(Grit)等を養っていくために「批評」を大切にしている。その基本的な考え方は以下の3つである。①優しく、具体的で、助けになる批評を行う。②コンテンツに対しては厳しく、人には優しく。③自分も話し、人も話せるようにし、すべての人の「声」が受け取られるようにする。批評は、究極的に「しなやかで柔軟なこころを育てる」ためにある。そのために、クラスの中に安全・安心な場をつくるのはもちろんであるが、「より美しい」「より質の高い」ものをつくっていくための相互の批評には「痛み」を伴うこともある。「厳しい指摘をしない」という甘やかしのなかで本来受けるべき建設的な批評を受けることができていないと、学業がうまくいかなくなることが多い。
アメリカには「道徳」という教科はないが、SEL(社会性と情動の学習)を導入する学校が増えており、以下の5つの要素を大切にしている。①自己への気づき、②自己のマネジメント、③社会的な気づき、④関係構築のスキル、⑤意思決定への責任
【「評価」を変えれば子どもも変わる】
「評価」は究極には生徒一人ひとりのためのものである。総括的評価(期末テストや人事評価等)、形成的評価(随時進行する営みのなかでの評価)があるが、当校では後者を重視しており、それは内省を促す「生徒中心の評価」でなされ、自己評価とピア評価を組み合わせている。「評価」は書く教師が実施する学びに合わせて設計していくものであり、「成績」は社会から求められるものである。当校には特別支援において別クラスで授業を行う「取り出し」はほとんど行わず、「人はすべてユニークであり、かけがえのない個性をもつ」という考え方で、すべての子がクラスに受け入れられている。
当校では、プロジェクト型学習中心ではあるが、4年制大学への進学率が53.8%(州平均26.0%)、カリフォルニア州立大学への進学率は17.2%(州平均6.9%)と非常に高い。プロジェクトのゴールに向かうなかで学習項目を取り入れているのである。テストは納得するまで何度でも受けることができ、教師は自分の考える評価法を作成し、その内容をグーグルドライブに保存して共有している。成績は大学受験のためには必要であるが、成績はテストではつけず、受験対策も行わない。ただ、小学校では「リーディング」「ライティング」「算数」の関しては、中学高校と違って、約2/3の時間が充てられている。
【学習し、成長する組織】
ピーター・センゲは、「学習する組織」に必要なのは以下の5つであり、それが「教室」「学校」「コミュニティ」の3つの場所で実行されることで、変貌を遂げることができると述べている。
① 共有ビジョン:「公正」が基軸となっている。
② 自己マスタリー:「自分の才���と情熱が出会う場所」を見つけるために、教師は精一杯の支援を行うことが必要であり、その教師を援助することが大切。
③ チーム学習:うまくいかないことこそがグループワークの醍醐味。当校の生徒は他者に対してより共感的である。協働することで一人ではできないことができ、人文と理系の教師が携わることで学びに深みが出る。
④ メンタル・モデル:「振り返り」「探究」の2つのスキルの実践で、「公正」に基づく理念を軸とした、社会の現実とも折り合い、子どもたちが健全に成長する「学校」となる。
⑤ システム思考:自分たちとシステムとしてつながりつつも、様々な視点をもつ学校外部の人(コミュニティ)と積極的に交流し、より本質的な解決を目指す。
【日本の学校への応用】
実際のプロジェクトがうまく進まないことは日常茶飯事。いったん「学び手」としてゼロから経験することも大事。「学習障害」「発達障害」のレッテルで教室から排除するのは問題。米国ではPISAのスコアが参加国の平均を割っており、教師の待遇もよくない。日本では教職がブラック企業化し、採用倍率も大きく低下している。PISAでは、数学と科学的リテラシーはトップレベルだが、非認知能力においては最下位の結果となっている。日本の学校が「自分の才能と情熱が出会う場所」として機能していない。先述の研修後に、いくつかの提案授業がもたれた。小田原市の小学校4年生(総合)、海老名市の中学校1年(理科)等であり、「問いを生み出す力」「ものごとを探究する力」「仲間と対話する力」が身についたと感じた生徒は85%以上で、学外実力テストの成績は例年並みだった。他にも、地方教育委員会で研修会等が実施され、軽井沢風越学園やかえつ中高等学校では、プロジェクト型学習を導入している。60年以上通知表のない長野県の伊奈小学校では、40年以上探究学習を行っている。日本は学習者の「生活(経験)」を重視した探究に優れた実践が多く、欧米諸国では「教材(教科)」を重視したものが多い。両方のよい点を見ながら、より多様な探究を実践していくことが可能である。
教育と社会は両輪であり、どちらだけが良いという国はない。現在の学校教育に対する批判と欠点とを十分に認識したうえで、「公正」を基軸にして「学校」というものを捉え直して再構成すべきである。
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先輩の先生に勧められ手に取った。
久しぶりに衝撃の1冊に出会った。「そうそう!」と共感・賛同できる部分が多くあり、ゆっくり丁寧にメモを取りながら読み進めた。
公正の実現という確固たる理念のもと、一貫性のある学習活動がなされているハイテック・ハイ。子どもだけでなく教師も生き生きと過ごすこの学校は、学力も高く人気がある。
本書を読んで感じて印象に残ったのは、特別な取組だけを進めているのではなく、大学進学を見据えて学習が進められている点など、現実と折り合いをつけながら特色ある取組がなされているところである。
ここに奈須先生の「個別最適な学びと協働的な学び」と通ずる部分があり、強い関心を持って最後まで読み進めることができたのだと思う。
人生の目的、自分とは何か、教育の目的など、大事だとわかっていても何となく避けていた事柄についても真っ直ぐ言及されていた。やはり「これだな」と感じた。あとがきにあった、「理念の言語化より熱狂し続けることの方が難しい」という点にも大賛成。
取り組む過程こそが探究である。また、協働や挑戦を大切にしようとする文化や忌憚のない批評が進化に繋がるという点も頷ける。振り返りを子どもも教師も大切にしているという点で、一貫性があるからこそ、ここまで素敵な学校になったのだと感じた。
壁はいつでも自分がつくっている。
最大の敵は自分。心に刻もう。
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アメリカの公立校、ハイテックハイで行われているPBLの授業について、プロジェクトの事例だけではなく、学校が大事にしていることや教員の想いなども知ることができた。教育関連の仕事をしているので、とても参考になりました。
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プロジェクト型学習と聞くと、大掛かりで、内容が伴わないものだと認識されがちだ。
しかし、本当の意味で生きていくうえで大切なことを学ぶためには、どのように学ぶかが大切である。
本物の学びは一体どのようにして生じるのかを考え直したいと感じた。