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巻末付録には納得感あるが、全体的に論旨が粗く不満も残る
2021/02/01 21:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
博覧強記で知られる著者が現在の日本が抱える22の論点について、考えるための「基礎知識」と、「自分の頭で考える」とする著者自身の主張を簡潔に記したもの。
文体は平易で特に基礎知識は簡潔に整理されており読みやすい。挙げられている論点もやや結論ありきのものもあるが、コロナ問題など最新テーマもあって興味を持って読み進められる。
ただし、著者自身の主張の方は、良く言えば、すっきり簡潔だが、バッサリ大鉈の論旨も多く、必ずしも基礎知識の分析によるものというよりは、著者の価値観・悪く言うと決めつけが論拠となっているようなものや、「論点」を議論しているはずなのに、反対意見は「論外」と片付けられているものもあって、満足感は今一つ。
新書一冊に22の論点なので紙面制約上の限界という面もあるかもしれないが。
一方、本書の巻末に「付録」として「自分の頭で考えるための10のヒント」は目新しいものではないが、「確かに」と再認識させられるもので、こちらは、折に触れて読み返し、心掛けたいと感じた。
新聞広告で興味を持ち電子書籍で購入して通読。
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日本の課題を考える本だが、この本において課題は題材に過ぎない。
課題を解決するための命題が与えられるわけだが、そもそも命題そのものを疑い、データを集め、データが出る意味を深掘りし、類似事例と比較し、ロジックを立ていく、という思考過程が楽しい。
頭を使うということはこういうことか、と納得せざるを得ない。
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「自分の頭で考える」とは…
・問いを疑う。
・常識を疑う。
・前提を疑う。
・事実に基づいて考える。
・相手の立場で考える。
・ポジショントークになっていないか疑う。
・深掘りしてみる。
・いままでの類似事例を探してみる(縦軸で考える)
・自分の周りで類似事例を探してみる(横軸で考える)
・隠れているメリット/デメリットを見つける。
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最近出口さん、沢山本を出されていますが、中でも本作は充実していると思います。現在日本が抱えている論点をわかりやすく、かつ自然と自分の頭で考えさせられる作りです!オススメします。
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22の論点に対してファクト(基礎知識)を与えた上で、出口さんの視点で見解を述べた本。
自分に興味のある論点が多く、また出口さんの考えも非常に面白かった。やはり人間は自分の頭で考えてこそ価値のある生き物だと思う。自分の周りの出来事に対して、課題、疑問を立てた上で、自分なりの見解を考える事は非常に大変なことではあるが、意識して継続していきたい。
なお付録として大事なヒントを頂いたので、備忘録として残しておく。
○自分の頭で考えるための10のヒント
1.タテ(時間軸、歴史軸)、ヨコ(空間軸、世界軸)で考える
2.算数、すなわち数字、ファクト、ロジックで考える
3.外付けハードディスクを利用する
4.問題を分類する自分の箱をいくつか持つ
5.武器を持った考える葦になる
6.自分の半径1メートル圏内での行動で世界は変えられると知る
7.人はみんな違って当たり前だと考える
8.人の真贋は言行一致か否かで見極める
9.好き嫌いや全肯定、全否定で評価しない
10.常識は徹底的に疑う
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社会の諸問題についての基礎知識を提示した上で出口さんの見解を述べる、という構成になっています。論点がよく整理されていてわかりやすいです。自分なりに考えてみて、出口さんとは意見が異なっているものもいくつかあるので、『自分の頭で考える』ことができていると思います(笑)。
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博覧強記で鳴る著者が、日本や世界が直面している問題の中から選んだ22の「論点」について、それぞれ基礎知識を解説した上で、自身の考えを述べる。
新型コロナウイルス対応、働き方改革、地球温暖化問題、安楽死、核保有、憲法改正、財政赤字対策等々。
いずれの「論点」も基礎知識がコンパクトにまとめられており、分かりやすい。自身の考えも曖昧模糊としたものでなく、スパッとした切り口でしかも、平易な文章で語られているため、すっきりと読める。
多岐に渡って勉強になる本だが、正解のないあるいは意見が分かれる問題に対し、知識を正しく身につけ、自分の意見をきちっと述べられるようになるには、相当な努力がいると痛感した。
付録として巻末に記された「自分の頭で考えるための10のヒント」を参考に自己研鑽に励まねばと思っている。
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日本のコロナ対策から、民主主義まで幅広いテーマが取り上げられていることから、様々なことを考えさせられる本だった。
テーマごとに「基礎知識」「自分の頭で考える」という構成になっており、基礎知識を読むだけでも社会情勢を学ぶ上で大変勉強になる。
読んでみて、テーマが広いにも関わらず、それぞれのテーマに対する明確な意見を著者が述べていることから、著者の知識の広さを感じることが出来た。これだけ様々なテーマに意見を述べられるということは、著者の読書量が身になっている証であり、読書の重要性を再認識出来た。
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この本は現代的な23の論点を分かりやすく、その論点の分析だけではなく、どうやって考えれば良いのかまで解説しています。さすがに出口治明氏の持論である算数(数字、ファクト、ロジック)で考えるという観点からの「自分の頭で考える」というコーナーを書く論点ごとに書いています。
しかも全ての論点にわたってコロナ後のデータやファクトが登場しますので、本当に新しいのが素晴らしい。価値ある一冊オススメです。
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まさに知の巨人。リベラルアーツの神髄。手放しで推薦できる本。コロナウイルスから地球温暖化、憲法9条問題、安楽死、少子化、がん治療、公的年金まで実に幅広く論じて、全てに説得力がある。並大抵の努力ではこれだけの慧眼を持つことはできないだろう。著者の今までの人生の来し方に敬意を表したい。
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タテ(歴史軸)、ヨコ(世界軸)、数字やファクトの3軸で考えることを学んだ。歴史をもう一度学び直そうと思った。
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分かりやすい基礎知識と、それを踏まえた考え方の解説が非常に勉強になる一冊だった。
論点が22個掲載されているので、個人的に興味・関心・問題意識を抱いた事柄について、本書内で紹介されていた文献等を参照しつつ、自分で考えることを継続しようと思った。
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p112 UK 思想家 エドマンド・バークから始まる近代の保守 人間は本来万能でないという立場に立つ 人々が長年それに沿ってやってきて誰も文句をいわなければ、理屈はともかくとりあえずそれを維持し尊重しよう、問題が生じたらその時変えればいい、という考え方
p123 近代の文明社会は、自由意思という名の虚構の上になりたっている
p129 サラマレー 死者を弔うということ
p155 公務員は中立性と市民住民の信頼確保のために政治的行為を行うことが法律で制限されている 同様に憲法99条は国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員の憲法尊重擁護義務を定めている
p202 陰謀の日本中世史
p190 1492 スペインのイザベル1世とフェルナンド2世がユダヤ人を追放した 富を独占していたのに、ユダヤ人を追放してから一気に衰えた
p198 ユニコーンが生まれるキーワードは女性、ダイバーシティ、高学歴
p242 政治家がある主張をする際に、実態を反映したエビデンスやデータを根拠にしているか、一部のエピソードだけを持ち出して主張しているかは峻別しなっくてはならない
p245 一人7万1億2600万人年間106兆円 夢物語
p290 自由貿易か保護貿易かは、その国家の発展段階に応じた時間軸の問題
p293 食料自給率 カロリーベース 38% 生産額ベースは66 %
p306 イングランド人 子供が18歳になって独立したら、たいていの人が生命保険を解約
p392 日本が衰退してきている原因の一つとして不寛容な社会になっていることがあげられる
アインシュタイン 常識ってなんですか 僕が生まれてからこの18年間の社会の偏見の集合体じゃないいですか そんなものを学んでなんになるんですか
p412 人の真贋は言行一致か否かで見極める
p414 好き嫌いや全肯定、全否定で評価しない
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正解を見つける力から、自分なりの答えを作る力が重要となってきている時代、歴史軸、世界軸、数字・ファクト・ロジックを思考のベースに、自分で考え自分なりの答えを導き出す為の教材として、現状の日本における22の論点をpick upし、其々の論点に対する基礎知識と、併記されている出口氏の考察を読むことにより、自分なりの答えを導き出すトレーニングができる1冊。
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選挙にはみんなが行かないといけないということは漠然と思っていたが数字で説明してもらうと納得。日本は経済成長しなければならないという論調は難しいのでは。経済成長なしでがんばれるよう知恵を絞りたい。
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まず、著者の精力的なアウトプットに感嘆する。
著書は勿論、ビジネス雑誌の多くで名前を見かける。
本書は、現在に考えるべき論点22項について、
まず客観的なファクトを述べ、著者の考えを述べる
構成になっている。
「次にあなたはどう考えるか?」
と、文には無くとも問われている。
最後に、
・付録「自分で考えるための10のヒント」
ご付いてるが、本書の主題はここだ。
理科系の自分にとっては、
社会科学的な観点も論理が明解で読み易い。