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人類そのものとこれまでの歩みを、オールカラーのイラストと写真を中心に解説している一冊。
多くのサピエンスがいたはずなのにホモ・サピエンスだけが残った謎、“人種”という概念の遺伝学的無意味さ、環境と文化による多様性など、様々なアプローチで人類の本質に迫ります。
ホモ・サピエンスが他サピエンスより優れている、ある人種が他人種より優れている、といった考え方は当然ながら誤っています。
環境、道具、言語などの多様性こそが現生人類の存在を語る上で最も重要な要素であるようです。
特に印象に残った個所は言語についての記述です。
“私たちはなかなか気づかないが、言語の消滅は単に文化の消滅というだけでなく、人間の集団と生態系が共適応した記憶もすべて失われることになるのだ。”
人類史は科学的に探る方法が第一にありますが、人類は言語や文字でも情報を残してきました。
その言語が失われても解読することで表面上蘇らせることはできますが、単語や音の響きが持つ深い意味は死んだままの気がするのです。
人間の本質、それは遺伝子だけではなく意思にも宿っていると感じました。
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オールカラーで、地図や図版も含めたビジュアルで、サルからヒトへの道のりを描く。多くの可能性からホモ・サピエンスだけが生き残り、アフリカから幾度も出てきて世界中へ広がっていった過程が、絵で飲み込めるのはやっぱり強いなぁ。人類はひとつで「人種」なんてものはないんだと、あらためて思わされる。
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人類は、東アフリカ大地溝帯のサバンナで生まれた。
最初の出アフリカはホモ・エルガステル。
ヨーロッパでは、ホモ・エルガステルの子孫ホモ・アンテセッサー、ホモ・ハイデレウベルゲンシス=ネアンデルタール人の元。
ネオテニー=成人になるまで時間がかかる=脳の学習能力が高まり、文化の継承が進む結果、文明が進歩する。
ホモサピエンスもアフリカで生まれた。
出アフリカは、ホモ属3回目のもの。
ネアンデルタール人と競合した。各地のライバルの数を減らしていった。デニソワ人、フローレンス人など。
創始者効果=集団が分裂すると、分裂した集団には突然変異が少ししか引き継がれない。分裂の先に行くほど集団は同一的になる。アフリカの人が多様性が最も多く、アメリカ、オーストラリアは少ない。
地球の噴火や小惑星の衝突などで人類の流れが大きく変わった。
オーストラリアやアメリカで大型動物が絶滅。
農耕革命は、世界各地で起こった。氷河が後退して温暖化したから。
アフリカでは、中央南側で農耕が始まり、南アフリカで狩猟民族が残った。
アフリカ人のコイサン族同士の遺伝子の違いのほうが、イギリス人と韓国人の違いより大きい。
オーストラリアで磨製石器、日本で土器が使われた。
外見上の特徴に頼ると系統図は出来上がらない。
人種は単なる思い込みにすぎない。
すべての言語の租は存在するのか、不明。
ニューギニア島では、かつて5000以上の言語があった。今は700程度。
アフリカでは、ホモ属と同時に、パラントロプス、アウストラピテクスが共存していた。
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パラパラめくるだけでも楽しい。アウストラロピテクスで終わっている自分の知識から、考古学がここまで進んでいるんだとびっくり。
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サピエンスの誕生から拡散の記録を豊富な写真・図で概観する本...なのだが、解説が細切れでまとまりがなく、系統的に頭に入ってきにくい。素材が豊富なだけに、少々残念な出来栄え。