平城京 みんなのレビュー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：雨読　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公は阿倍宿奈麻呂の弟で遣唐使船の船長として活躍した阿倍船人という設定である。
藤原京から平城京への遷都のあたり、平城京造営の大役を兄からお願いされ引き受けた船人が、立ちはだかる困難な局面を乗り越えていく物語である。
遷都には天皇家や朝廷内の思惑や対立などが絡み合って、なぜ短期間に遷都が成し遂げられたかの経緯も描かれていました。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：ふみちゃん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

造営したばかりの藤原京を捨てて、奈良に都を移すことになったころのお話。この物語の主人公、阿倍船人は白村江の戦いで有名な阿倍比羅夫の息子で大納言にまで昇進した宿奈麻呂という設定なのだが、どうやら架空の人らしい。主人公を自由に動かそうとしたらそうするのが一番だろう、この作者が作った主人公に、藤原鎌足の息子・不比等、粟田真人、石上麻呂、吉備真備、阿倍仲麻呂そして元明天皇まで実在の大物が絡んでくる、天智天皇派と天武天皇派の争い、そして裏で平城京遷都を妨害しようとしている黒幕は誰なのか、ととにかく楽しい、史実と虚実を混ぜ合わせが自由にできるところを作者自身も楽しんでいるように感じる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：kotep　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

藤原不比等は己の権勢を誇示するため、また天皇家との結びつきを深めるために都を平城に遷都しようとした。そして部下の阿倍宿禰に3年後には唐の長安に並ぶ新都を建造するよう命じた。阿倍野宿禰は建造までの責任者を唐に渡ったことのある弟の船人を推挙した。船人が作業を開始するも地場の葛城一族の立ち退き拒否もあり、思うように進まない日々が続いた。船人は遷都反対者の妨害を受けながらも、兄との約束を果たそうとする・・・。

平城京への遷都には天皇家も含めて権力闘争が隠れていたのですね。