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日本人の投票行動と与党の政策戦略を解明
2021/10/02 23:27
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投稿者:Sherfit Baker - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカなどと比較しての日本人の投票行動の在り方、その背景にある日本社会の特質などを解き明かし、不思議とも思っていた自民党の政策の背景が解き明かされた。
自民党の政治家の社会的な価値観は時代遅れにも思えるが、日本人は安保・同盟政策の価値観で投票し続け、社会的・経済的政策は主要な論点になっていない現状が、これからも続くのかが日本政治の焦点と分かった。
自分の価値観を診断できるテストは面白いし、諸外国の社会思想の分布図などの図も紹介されていて、興味深い。
あとは、アメリカ以外の諸外国ではどうなのかとか、戦後の日本でどう変遷しているかとかに興味があるが、アンケートを取れないと難しいですかね?
紙の本
代表制民主主義の限界か
2022/10/01 15:15
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書で一番注目すべき点は、第一にアンケートの設問の重要性である。設問の仕方によってアンケート結果を大幅に操作することが可能である。「本音と建前」の節にはなるほどととても感心した。ポリコレにより、設問も回答も「建前」っぽくなってしまっている。
第二にそのアンケートを二次元に展開した各種の図である。文章で書かれた著者の主張には賛否両論があるだろうが、アンケート結果を展開した各種の図には、それなりの説得力があるし、著者の主張とは違う読み取り方も可能である。
本書の出版から1年半ほど経つが、後半第六章の記述は現状をそのまま説明していると言っても過言ではない。第七章の安全保障問題についてはウクライナ戦争で国民の意識が大きく変わったような気がするがどうだろうか?相変わらず安保は無難な左右対立軸として温存すべきであると政権は考えているのだろうか?
「分断が必要」とは逆説的で一見目新しい説のようだが、半世紀以上前に大平正芳首相が唱えていた「楕円理論」と類似のもののような気もする。いずれにしても「選良」を前提とした代表制民主主義は能力の限界であり、成田悠輔が唱える22世紀の民主主義へ移行してゆくのかと思わせる本であった。
紙の本
今更「分断」とは意味不明。。。
2021/03/02 14:13
6人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ローレンツ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は「民主主義」を何だと思っているのか? 「分断」の意味を分かっているのか? ここまで不安定な精神で「民主主義の未来」を語れるのか? まったく奥深さのない幼稚な考察を本にするとは、害悪の垂れ流しではないか?
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日本にはもっと分断が必要です
は煽りすぎだけどなんか主義・政策の整理が必要だよね
って論旨には賛成
保守・革新から何も整理せずにリベラルが出てきてぐちゃぐちゃになった感じ
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【日本人の価値観をのぞき込む】政治はなぜ変わらないのか? 独自の価値観調査が明かす日本人のホンネ。「分断の時代」に日本政治が取り組むべき真の争点とは?
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三浦瑠璃氏による、ご自身の山猫研究所監修の簡易版価値観調査の説明と結果、そしてそれに関連した価値観の違いによる分断について意見を述べたもの。以前にこの簡易版価値観調査は実施したことがあり、今回、詳しくその見方を理解できたことは有意義であった。さらにその結果から読み取れる日本人の傾向も興味深かった。後半は、調査結果からわかる日本人の価値観の特徴を各政党が活かしきれていない実態と、政治的な議論においては分断を恐れず、むしろ分断した方が状況としては望ましいと述べている。確かに、安全保障や社会保障、原発などエネルギーなどの大きな論点については、賛否両者の議論を真剣に戦わすことにより、早期の進展がみられるのだと思う。正しい分断による議論が必要ということだろう。勉強になった。
「私たちはどれだけ日本社会を実際に「知って」いるのか。経験と勘に基づく印象論で語ることなく、かつ不必要に難解になることなく、ある意味で愚直に客観的にファクトを追求してみようというのが本書の試みだ」p11
「米国は移民の流入が激しく、マイノリティが増えているため、世代交代によらずとも保守が相対的に減少しつつあることが特徴として挙げられる」p21
「これからの米国政治はポピュリストの奪い合いということだ」p26
「(日本の野党の政策)現実問題として外交安保リアリズムをとる人が国民の多数を占めるため、安全保障でリベラル票を惹きつける戦略を維持する限りは、政権交代は難しいということである」p52
「現状の日本の選挙を眺める限りでは、どうも野党は「自民党を嫌いな人びと」にばかり訴えかけようとしているように見える。いわゆるスキャンダルや政治不信を利用した戦い方はそれにあたる」p55
「(野党の戦い方)結局のところ、日本の選挙で勝とうと思うのならば、価値観を外交安保で中道リアリズム寄りに振ったうえで使える戦略をすべて動員するしかないのだ」p74
「日本の小学校から大学相当の高等教育にかかわる公的支出は、先進国の中で著しく低く(2016年の支出はOECD35か国中最下位)、その代わり、家計が他の先進国とのギャップを担っている。つまり、ごく単純化して言えば、余裕のある家庭が支出する塾代や習い事といった出費があってはじめて「先進国並み」の教育環境が手に入るということになる。私立のお受験、英語教育、インターナショナル・スクール。お金や知識がある親の元で育った子供たちは、英語を身に着けたり、海外へ行ったり、バイオリンを習ったりして、貧しく育った子供たちを引き離す」p77
「日本人ならば誰しもが経験するとおり、日本社会では空気を読む能力が非常に高く評価される傾向にある。抜け駆けをせず、根回しをし、相手の望むところを察することで集団内の秩序を保っている」p89
「各国の経済をめぐる政治的な左右対立を象徴するのは、分配重視か成長重視かだ」p98
「経済や社会政策で多少自民党と価値観がずれていても、外交安保リアリズムの有権者の多くは自民党に投票することを確認してきた」p129
「私は議論の中で「これからは社会政策の革新性をめぐる闘争になるだろう」という見通しを両者(与党と野��)に示した」p132
「(環境政策・グリーン問題)グリーン分野の投資を加速させることでイノベーションを促進し、新たな付加価値を生もうとするもので、環境政策というよりもはや各国の成長戦略の一丁目一番地となっている」p138
「つらいことだが、政治とは、それ程理想が異なるわけではない人々を分断する活動である。双方が同じくらい理想だと思える社会を提供できるはずなのだが、両者の力点の置き所が異なるがゆえに、政治闘争が生じてしまう。そして、本来はそれほど異なるわけではない政敵にレッテル貼りをして、そのレッテルを責める、という不毛なゲームでもある」p141
「(女性活躍)日本の弱点の1つは、その女性幹部比率を上げようとしても振るべき袖がないということだ。少数者の女性は、男性社会で本気の権力闘争を勝ち抜かなければ幹部にはなれない」p148
「保守派ナショナリズムをその核とし、革新派コスモポリタンな世界を思い描いてきた。分かりやすく、「日本」で構想するか、「世界」で構想するかの違いと言ってもよい。もうひとつの根源的な違いは、どれだけ急速に社会を変革するかである」p167
「統治よりも自由を、管理よりも自我を重んじてきたはずの自由主義諸国が格差の拡大につれて民情の安定を失ったとき、それでも自由を選ぶのだと言い切れる人は少ない。その結果として社会から競争が失われて懐古主義が台頭し、ある種のすさまじい競争を国内に抱える中国に負けてしまう。私たちが直面しているのはそういう構図だ」p177
「民主主義が当たり前になった結果として、社会の分断に注目が集まり、与野党による価値観の二極化が批判されているが、政治による分断は、それが内戦ではなくゲームにとどまる限りにおいて存在意義を見直すべきではないだろうか」p200
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『日本の有権者の投票行動がごく限られた憲法や日米同盟をめぐる対立軸によって大きく影響を受けている…政権交代のために必要な対立軸が日本政治には欠けている』
『桜を見る会問題でいったん低下した内閣支持率は、安倍政権が何もせずとも年を越すと回復した…自民党支持に多くあげられる理由は「他に選択肢がないから」つまり野党の魅力が少ない』
『野党政治家が政権への怒りを表明したSNS投稿で稼ぐ、数千から数万程度の「いいね!」は、所詮内輪での「バズり」であり、そうした戦い方では支持を広げることはできない』
『政党が長く存続し、支持を集め続けられるかどうかは、組織運営とリーダーシップに加えてブランド戦略何重要』
『特定の政党だけを支持するのではなく、与野党双方をフェアに評価しようとする人たちがそれなりの数存在することは、日本政治を穏健にしていると言えるだろう。究極的には、それを理解している政治家がどれだけいるかで政治の健全さが決まる』
『日本の女性の社会進出は過去最低で、先進国のなかでも最低残って121位という不名誉な地位』
『日本の弱点の一つは、その女性幹部比率をあげようとしても振るべき袖がない』
『いまの若者のもつ経済・社会的価値観が新たな中道になる。日本の未来の政治の主役は彼らであるのだから、年長世代の価値尺度のみで彼らのことを測ってはならない』
『統治よりも自由を、管理よりも自我を重んじてきたはずの自由主義諸国が格差の拡大につれて民情の安定を失ったとき、それでも自由を選ぶのだと言い切れる人は少ない。その結果として社会から競争が失われて懐古主義が台頭し、ある種のすさまじい競争を国内に抱える中国に負けてしまう』
著者の山猫研究所監修の簡易版「あなたの価値観診断テスト」の説明とその結果の日本人の価値観とは?
「分断」と聞くと昨年のアメリカ大統領選挙にあったように人々を二分し、対立を煽る。≠統合や団結と勝手に思っていたが、政治的な議論においては分断を恐れてはいけない。正しい分断の議論が必要である、と書かれている。
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右派と左派。リベラルと保守。日本はいくつかに分かれたほうがよいらしい。
その前に自分のポジションがどこにいるかを知ることが必要。その意味でこの本は有効。
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政治に疎いからかなり難解だった。
多分、内容の4割くらいしか理解できてない。
でも、日本の政治について理解するいい機会になった。もっと知識を蓄えてからまた読みたい。
《概要》
・日本の政党は経済的、社会的な保守と革新でさほど意見が別れてきない。
・日本の政党を分ける論点は憲法改正と日米関係。
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社会的価値観
経済的価値観
という軸で政治家を論じるのは、
前に読んだ「自民党 価値とリスクのマトリクス」に似ていたので、すっと入ってきた。
この本の本題ではないが、日本にも飛び級があってもいいのになと思った。すべてとは言わないが、飛び級したければここに行けみたいなルートがあると面白いんじゃないかと思った。
金槌を持てば全てのものは釘に見える
→イギリスの格言
→知識は大事だが先入観は危険
社会的価値観
経済的価値観
の軸
維新が国政で大きな足掛かりを作れないのは、大阪のような大義がないから
→二重行政廃止や万博招致など
大義は対立軸と深く関係している
★政権を取るためには政権が推し進めている以上にすすめるか、真逆のことを言うしかないが、今は自民党が中道なので、なかなかむずい
★日本は飛び級がない
→優秀な人をとことん育てた方が合理的だとは思う
日本では平等主義の観点から選択的な投資は難しい
日本の教育は
・身の丈、と
・実力主義、と
・平等主義
の三つが組み合わされたものになっている
平等だけを目標とすると人間集団から努力する意思が失われて停滞する
→★社会主義的な
だから、日本は、平等主義の観点から自助努力の価値観を害わない範囲で、つまり成功者に与える見返りをあまり多くしないことで才能を社会に還元させている
→たとえば、ゴーンの報酬が日本では取りすぎだった
日本では抜け駆けをせず、根回しをし、相手の望むところを察する"
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気鋭の政治学者による選挙行動におけるろんてんの分析。的確な分断があるのが真の民主主義。
自民党支持者や他の野党支持者の政治的なイシューに関する分析。保守、革新といえど日本では意見はほとんど変わりがない。結局、小選挙区制下でも二大政党制が実現せず自民が一人勝ちを続ける理由がよく分かる。
一方の野党。どのように政策テーマを掲げて国民を良い意味で分断できる。今の政治と官僚の不信感を煽るだけでは、政権奪取は不可能だろう。そもそも本人たちも諦めているだろうが。
現状の分析から健全な民主主義の実現へ。得るところは多い。
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データに基づく日本の分断 民主主義 を問う。
分断イコール悪というステレオタイプに一石を投じ 何が日本 奇妙な政治的安定をもたらしているかを論じる。秀作だと思う。
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日本の政党が同士がもっと政策でしっかりと対立しないと、グダグダになってダメになるよって話。そういう意味で分断をはっきりさせましょう、それからという感じ。
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日本の分断 私たちの民主主義の未来について。三浦 瑠麗先生の著書。政治の世界は難しくて閉鎖的だから政治に興味を持つ人はなかなか増えない。でも三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士は難しい政治の世界のお話を誰にでもわかりやすく解説してくれる。三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士のような政治学者の先生が増えれば政治の世界に興味を持つ人がもっと増えそう。日本に第二第三の三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士が出てくることに期待したいです。
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選挙の際何を基準に投票政党を選んでいるかを調査を用いて分析している。その結果、よく言われていた「今回の選挙の争点は、増税と年金2000万円問題です」という論述は間違いで、実際は外交安保が理由となっていたらしい。「あなたの価値観診断テスト」やってみたら社会リベラル、やや経済リアリズム寄りのリバタリアンだった。主観ではなくちゃんとしたファクトを基に分析しておられたので大変興味深い内容だったが、政治にさほど詳しくないので、用語などぼんやりとした理解しか持っていない物が多く、少し難しかった。