紙の本
難しい・・・。2
2021/03/29 10:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
痛みを感じない医者の野宮万浬の過去の出来事を振り返り、未来を生きようとする現在を描く。痛みを感じない万浬は自分の行動が相手にどれだけ苦痛を与えるのか全く理解していなかった。それ故、結婚を考えている森悟にも・・・。
結婚相手と子供を生む相手は別、そういう発想はなかったので驚きました。
上下巻を読みましたが、難しく理解し辛かったです。
投稿元:
レビューを見る
登場人物を誰一人好きになれないパターンの小説。
まぁ、天童先生の話は、そんなのばっかりだから良いんだけど・・・それにしても貴井家をメチャクチャにすることはないと思う。
投稿元:
レビューを見る
初めて読む作者。短編小説のようにストーリーの積み重ねから構成されている。唐突に話が変わっていくが、最後には繋がる。構成が上手いと思う。下巻まで読み進めるか迷ったが、後から思えばこの構成の所以かもと思った。
主人公は医学的には先天的な病なのだろう。病を克服するためか、或いはアイデンティティのためか医者になり、無痛症の患者を探し、探究していく。精神ではなく肉体的な痛みを感じない人との共通性、親和性を。主人公の万浬の探究に答えは見つかるのか、見つからないような気がする。万浬は生まれながら心の痛みを持たない。理性的であり、冷静である一方で冷淡な人。人間は痛みを感じれるからこそ生きていけるし、人への愛(自己愛も含め)が生まれる。一方で、戦争や争い、殺人、暴力は精神的な痛みがあるから起こると万浬は語る。
痛みを欲望に置き換えると納得感がある。人間が生まれながらに持った欲望が人を動かす。欲望=痛みがなくなった人は進化した人類であると万浬は考えているが、欲望と言葉を変えてしまうとそうなのかもしれないと思った。しかし人から欲望がなくなるとは到底思えない。
投稿元:
レビューを見る
上巻では、これまでの作風からかなりエンタメ系に偏ったとの印象だったが、下巻では本領発揮、内面の深いところまで追求した展開となった。戦争や世紀末は大仰ながら、心身共に痛みに関して示唆を与えてくれることに間違いない。2022.6.11
投稿元:
レビューを見る
2024.01.12〜01.15
身体的苦痛、心的苦痛。
どちらの苦痛も嫌だと思うのは、こちら側だから。
心的苦痛を感じなければ、世界は変わるのか。
そうなれば、いいのに。
そう思う一方で、不安がある。心的苦痛を感じない人達だけの進化した世界って、どうなのかな。
身体と心の苦痛の対比、苦痛と無痛の対比によって、鮮明に、そして深く思考させられる物語。
投稿元:
レビューを見る
むちゃくちゃエロい小説だった。どM心に刺さりまくりw ノンケ臭がいいっぱいで、亜黎も全然タイプじゃないんだけど、シチュエーションに興奮しちゃいましたw
。。。って、そんなことはどうでもいいですがw 「痛み」について、さまざまな角度から分析されていて興味深かったなあ。無痛症患者の体験から、生物として痛みがどのように防衛機能となっているのか。整形外科通いの高齢者の肉体的な「痛み」、鬱やPTSDのような精神的な「痛み」、失恋の「痛み」など考えさせられる。
肉体で感じるのではなく脳で痛みを感じているのだと思える治療法など、面白かったです。もう一度読んだらもっと気がつく点も出てくるんだろうなあ。