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知人が寄稿していたことから手に取った一冊。
「先生」を「この先を生む人」とは、自分もそう捉えたいと思っていた。
迷宮に入り込んだように閉塞感のある教育改革の強制の中で、自分の周りには「自分の頑張りがまだまだ足りないのだ」と考える教師や、逆に「自分はこれまでの方法でうまくやれてきた。お上の考える教育は現場が見えていないし、周りは使えない教師ばかりだ」と考えて価値観が狭く偏ってしまった教師がかなりいる。
優れた教育実践は、一人一人の子どもが自らの過去を振り返り自己認識を深め、この先の困難を見据えながら具体的な未来を描く中で、今ある課題に向き合う力をつけることだと私は思っている。Teachers initiativeとは教師による率先・発案を意味し、前例主義に陥らず未来を指向するものだと解したが、教師のねらいばかりが先行するのではなく、子どもの一瞬一瞬の気持ちを掴み続けることでこそ実現してほしい。
そのことからも、今求められる「先生」とは、「先に生きてきた」ということから教えを後進に伝えるにとどまらず、「子どもの先を歩かずに、この先を生きる子どもの背中を支える」人であってほしいと考えている。