紙の本
家族とは…
2021/04/13 21:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:花乃子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族とは何かについて考えさせられた本。
この物語は娘の誘拐で家族の大切さを知っていく。
しかし、最後は衝撃の展開…
投稿元:
レビューを見る
ジャンル分けできない小説。読んだ後にジリジリ滲みてきます。上手く機能していても決して満たされてはいない家族。それぞれが秘密と闇を抱え必死に生きている家族。
韓国の小説は初めて読んだけど、訳も素晴らしくて読みやすかったです。とても読み応えのある小説でした。
投稿元:
レビューを見る
本当に大切なものを、絶対に守らなければいけないものを、家族のひとりひとりが知っていたら、ユジが行方不明になることもなかったろう。
11歳の女の子がいなくなったというのに、家族の焦燥は深まるばかりで、捜索は遅々として進まない。進めようとしないのではないか?
冒頭の男性の溺死体と共に物語はサスペンスフルに進んでいくが、真相が、あまりにも深い闇と、ジコチューな家族の面々に暗澹とした。
ヘソンは言う。
「この人たちを理解する日は永遠に来ないだろう」
ただ、ミンにはどこか違う世界で幸せになってほしい。こんな人生を生きるにふさわしい人ではなかったと思うから。
投稿元:
レビューを見る
ヘソンは義母のオギョンから、妹のユジのバイオリンのレッスンをみてくれる先生に月謝を渡してくれと頼まれた。オギョンは実家の母親の具合が悪いので見に行くと言う。ヘソンは義母から頼まれた事が出来なかった。姉のウンソンからの電話を取ったら、「いますぐこっちに来てもらえないか」と男の声が言った。実の姉がナイフを持って騒いでいるという。仕方なくヘソンは姉の住む家に向かった。そしてユジは一人で家に残された。ユジは一人で家を出ていく。それからこの出来事が始まる。家族の形が崩れていく、それぞれの個人の世界を描いた長編小説だ。
投稿元:
レビューを見る
読み応えのある一冊。ソウルに留学していたので、現地の風景が目に浮かび、とても深く入り込めた。オススメします。
投稿元:
レビューを見る
“「いつもそう。なんで自分だけ隠れるの? あんたがほんとに食べたいものとか、ほんとにやりたいことをどうして正直に言わないの?」”(p.206)
投稿元:
レビューを見る
妹の失踪を気に、お互いの事を知らなかった家族が奔走する話。
家族が協力しあってお互いを知るというよりは、何が起こっても徹底的に自分の事ばかり考える人たちの姿が描かれており、韓国の高級住宅街の暮らしに対する皮肉もあるのかもしれない。
それでも最後には救いがあると考えており、中盤以降は話に引き込まれ一気に読みこんでしまった。
投稿元:
レビューを見る
身元不明の水死体から始まる物語。1人の少女の失踪をめぐって、家族の一人一人の行動や思惑が描かれる。韓国の街を舞台にしつつ、台湾や中国、韓国に生きる華僑たちも描かれ、韓国文学を新鮮に読み味わえる。このタイトルの意味を最後に再び突きつけられるようなラスト。ミステリーのようだが、謎解きに重きが置かれるのではなく、一人一人の人間の心の揺らぎに惹きつけられる作品。
投稿元:
レビューを見る
十一歳の少女が、ある日曜日に姿を消した。
あやしげな商で財を成す父、
華僑として生まれ、韓国社会に一線を引く母、
父の連れ子である、医学部生の兄、
衝動的な性格で恋愛依存の姉。
みんな不審。さらに怪しい人々も登場する。
母の愛人、父の闇ビジネスのパートナー、探偵。
キャラクターたちの視点で、失踪前後の事実が明らかになっていく。
失踪した少女は何を思い、何を見ていたのか。
終始、訥々と語られる登場人物ごとの描写は、
後半に行くにつれ、狂気が増していく。
これはハッピーエンドなのか、家族の関係性は変わった。
それまで読んできたそれぞれの内情を思うと、疑問符が残される。
投稿元:
レビューを見る
韓国の華僑、韓国生まれの台湾国籍者が作品に重要な要素となり微妙な影を与えている
ソウルの富裕層であるキムの家族
お互いにろくに会話もせず知ろうともしないで暮らしている 全員が孤独をひとりで抱えている
11歳のユジでさえこころを放てるのはヴァイオリンを弾いているときだけだ 世間一般の家族に対する幻想など入る隙もない人びとの苦しみの物語
希望などすこしも描かれてないが最後まで読まずにいられない作品 ミステリでもあるが著者は特に謎解きはしていない
再読しないではいられない
読了後に表紙の挿画をみると胸が締め付けられそうだ
淡いベビーピンクが痛ましいほどだ
投稿元:
レビューを見る
バラバラの家族、それぞれの感情の機微にリアリティがある。なるようにしかならなそうな、そして多くを語らない結末もわりと好き。延吉に縁があるものとしては苦笑した。
投稿元:
レビューを見る
家族の話だけれど個人個人のことを描いていて、読者にしか彼等の気持ちは知ることはできない構造が家族の孤独や秘密、分かり合えない関係やストーリーを浮き上がらせていて良かった。「家族」というギリギリ保たれていた関係性が、ひとつの事件をきっかけに崩れていく様に冷んやりとした怖さがあった。
この家族程ではないにしろ、どの家族も自分の家族でさえお互いの全てを知っている訳ではないし掘り下げたら意外に怖いだろうなという仄暗さを感じさせる話だった。
投稿元:
レビューを見る
11歳の少女ユジの失踪をきっかけに、次第に明るみになっていく家族それぞれの秘密。
私にとっての初の韓国文学作品。
普遍の家族の問題、在韓華僑のこと、本当にいろいろと心に突き刺さり、深く残る作品でした。
私たちは本当にひとりひとりの存在なんだと。
「あなたは私を知らない、だれも私を知らない—。」
ちょうど現実に家族それぞれ困難な試練に直面していてどうすることもできない私。
私は彼らの心も思いも何をしているかも見えない部分ばかりで本当に知らないんだな‥と響きまくっています。
韓国、台湾、中国が舞台になっていて、民族のアイデンティティ、居場所などについても考えさせられました。