紙の本
爽やかな読後
2021/07/17 12:55
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の秘境東京藝大と合わせて読みたい。
最後の秘境では、学生の側から見た東京藝大、この本は教える柄からの東京藝大。
どちらも魅力溢れる人ばかり。
日本の底力を感じた。
紙の本
東京藝大のことが色々分かりました
2021/07/03 12:07
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、東京藝術大学の理事に就いている著者が、東京藝大の教授陣、計12人と芸術やそれに関連する社会についてなどの対談をし、その内容を文章に起こした1冊です。
各教授の名前とともに所属学部・学科が記されていて、これを見て東京藝大にどんな学部・学科があるのか、どんなことを学べるのかを知れたのが、私にとって当書を読んで得た最大の収穫です。
しかし、著者が著者だから『クローズアップ藝大』というタイトルになったのには、ナイスネーミングと感心しました。事実、私も書店の店頭でこのタイトルにひかれて衝動買いしました。
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<目次>
第1章 大巻伸嗣
第2章 菅英三子
第3章 山村浩二
第4章 前田宏智
第5章 江口玲
第6章 黒沢清
第7章 熊倉純子
第8章 黒川廣子
第9章 小沢剛
第10章 日比野克彦
第11章 高木綾子
第12章 箭内道彦
<内容>
当然「クローズアップ現代」のもじり。プロデュースは、第12章の箭内道彦教授(いつの間にか藝大の教授なんだ)。そして著者(インタビュアー)の国谷裕子は藝大の理事になっていた。「クロ現」の通り、著者は藝大教授にグイグイ鋭いインタビューが続く。それも面白いが、「芸術」と「社会」とのつながりを皆が真剣に考えていることが凄かった。自分も「芸術家」は浮世離れした人ばかり、と思っていた。しかし藝大生も藝大の先生もそれに悩んでいたのだ。そして、教授たちの活動を紐解いていくと、閉塞感の漂う「現代」に風穴が開きそうな気がする。(この間見ていた「マツコの知らない世界」で、世の中が等身大すぎて、芸能界とかにかつてのような「非日常」が欲しい、と言っていたことを思い出した)
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書店でタイトルを見て、思わず手が伸びました。NHKのドキュメンタリー番組で『クローズアップ現代』のキャスターとして長らくご活躍された国谷裕子さんの著書です。この番組は大好きで、よく見ていました。番組は今も続いていますが、国谷さんが作り出したスタイルは、踏襲されているようです。
著者プロフィールを見ると、1993年〜2016年の間『クローズアップ現代』のキャスターを務め、今は東京藝術大学の理事になられているそうです。そんな縁があって、本書ができたんですね。
芸術と社会との接点を模索している現場の姿を見せていただける書籍になっています。芸術にも様々な形があり、初めて知るものもありました。金属を加工して生み出される芸術作品は、解説を聞かないとなんのことやらわからないと思いました。こんな世界もあるとの学びになりました。また、社会課題を芸術を通して表現していたりした事例も紹介され、とても興味深いものがあります。その道を極め続ける人たちの声を届けてくれます。
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このタイトルを思いついた時点で優勝という感じですが、藝大の教授陣へのインタビューを中心とした本です。このインタビューに出てくる方々は孤高の芸術家ではなく、どの方も社会とのつながりを考えているのが印象的です。他の教授陣もそんな考えなのか、他の方のインタビューも読みたくなりました。
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芸術は,知的生命体の文化文明の結実だと考えるなら,芸術を蔑ろにし,理解しようともしない日本という国の底の浅さに退廃感を拭えない.ここがヨーロッパとの大きな,そして決して埋めることのできない違いだろう.
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東京藝大の理事として、国谷裕子さんが教授にインタビューを行って、東京藝大の良さや今後のあり方を対談形式で記録。インタビュアーが優れていると読み物としても面白く、芸術が現代に必要なこともよく分かる。
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国谷裕子が東京藝術大学で「藝大」を学びながら、「教育」と「アート」と「社会」を考える。
あのクローズアップ現代のキャスター降板後、国谷裕子さんは東京藝術大学理事を務めているという。本書は藝大の教員との対談を通じて、芸術とは何か、社会とのつながり等を考える試み。
あのベストセラーに「秘境」と評された芸大について、焦点を合わせ正にクローズアップする。大学のHPの企画が発展した本。
各教員の芸術に足を踏み入れるきっかけ、恩師との出会いなど。さすが取材のに長けている筆者ならでは。
コロナ禍や不況でメセナ活動ほか芸術に対する風当たりは強い。そんな中だからこその芸術、アートの大切さを教えてくれる有意義な対談でした。
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今の東京藝大を代表する12人の教員たちの芸術や藝大について考えていることを国谷裕子がインタビューで、少しづつ掘り下げていく。理事として、教員のことは知らなければならないとは思うが、インタビューするにはそのために、しっかりと下調べも必要だろう。大変だとは思うが、12人それぞれのスタイルから人となりまで、ある程度しっかりと伝えられており、東京藝大がこれからも、日本の芸術のきちんとした発信地であることがよくわかる。
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藝大が自ら仕掛ける、「クロ現」のパーソナリティが「秘境」の教授達を表に出させる対談集。13人目以降の対談はHPで現在も進行中。
https://www.geidai.ac.jp/cntnr_column/archive/closeup-geidai
コミック『ブルーピリオド』『ピアノの森』を深く読む一助ともなる。
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タイトルが秀逸。「はじめに」で紹介されている二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』のように突飛な人が登場するわけではなく(あちらはあちらですごく面白かったけれど)、芸術に真摯に向き合っている人たちと国やさんの真面目なコラボレーション作品。江口玲さんの「世界に唯一人しかいない自分がどう表現するか」と、高木綾子さんの「『この人の演奏を聞きたい』と言われたい」という章タイトルにぐっと来た。
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題名に惹かれて手に取りました。藝大って先生が「芸術家」なんですね。当たり前かもしれないけど。それと、典型的なクラシカルな音楽と美術のイメージしかなかったけど、映像、アニメ、デザイン、そして社会との関係構築、課題解決、、、。この世に「アート」と関係ない世界はないんではないかと、自らの狭い認識を打ち破っていただきました。なダイバーシティなど寛容な思想が広がる一方で不寛容で排他的な息苦しい空気間に満ちている昨今、AかBのどちらか、ではない、CとかDとかを提示してくれるアートの力、切り札ではないでしょうか。