紙の本
こんなに考えられたら、、
2021/11/28 11:22
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投稿者:かおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
認知症になってもこんな考え方ができる高齢者でいたいと思えた。これには、自分の他人からの言葉の受け取り方、周りのひとの高齢者に対する住環境をそのひとの目線に立って
考えることがうまく噛み合わないと実現しないなと思う。
紙の本
前向きの老後の人生
2023/09/08 21:15
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投稿者:ピーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんなに一人でしっかりして生きているつもりでも、病や歳のせいで意に添わない選択を選ばざるを得ない時もある。
それを明るく払拭して、前向きに生きていくもちこさん。
女の人はやはり力強い。
北海道弁はこんな言い方をするのか・・・と旅をしたときには感じなかった方言を、文字で確認した。
電子書籍
おもちさん
2023/05/17 01:03
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもちさんは八十三歳、だんだん、高齢化による生活の差し障りができて……というなんだか今の日本の縮図のような。でも、暗いお話ではないのは、救いです。それと、方言がところどころに出てきて、コレもいい!
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北海道で独り暮らしするおもちさん、83歳。夫は施設に入り、娘は東京から日に二度電話をくれる。実は持病が悪化して、家族がおもちさんの生活のすべてを決めていくことに。不安と寂しさと、ほんのちょっとの幸せと、揺れては消えるひとりの老女の内面に寄り添う、人生最晩年の物語。
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若い頃に読んだなら、おもちさんの明るい性格の話でさらっと読んだんだろうなぁ。しかし、ちょうど、自分がちひろ世代だからかな、いろんな事を考えさせられ、歳を重ねるって、、。と寂しく悲しく不安に。特におもちさんが勇さんの介護の様子や、施設で車イス散歩し、プリンを食べさせてあげる場面とか、、、。つらいです。
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朝倉かすみ、大好きだー。
「平場の月」で、胸を抉られ、「にぎやかな落日」は軽いユーモア小説風で、今度は違うタッチで書いたのだな、と油断してた。
今読み終わって泣きそうである。
後半から、一人の老女の人生の断片が少しずつ繋がってくる…けど、なんせ83歳だからなかなか繋がらないし、すぐにどうでもいいものになって流れていく。その記憶のいい加減さが、実にリアルだ。
普通をリアルに描く、ということを、よく心得ている作家だと思う。うまい!
おもちさん(朝倉かすみの)の人間観察は鋭くてドキリとする。
「おもちさんは温厚と言われる人間を世間ほどには評価していなかった。」「心の広さを見せたくて、どんな時でも横綱相撲を取ろうとしているようだ。いや、こちらがいくら頭からぶつかっていっても、オヤオヤどうしましたと軽くいなしたり、ハイハイ参りましたと自ら土俵を割ったりする」
胸のすくような観察眼!私たちの代わりにやな奴をやんわりぶった斬ってくれます。おもちさんというおばあちゃんの皮を被った朝倉さんが(笑)
特養に入った夫への面会のくだりもドキリとした。
「『おもちさんからの会いたさのぶん』は『勇さんからの会いたさのぶん』には、たぶんぜんせん足りていない。勇さんの会いたさの分量は、おもちさんのより、ずっと多く、下の付け根がヒリつくほど切実だと思う」
そう。待ってる人はずーっと待ってる。会いにいく人は、待ってる人の時間を忘れてる、忘れたフリをしてる。
勇さんと思い出す、家族の一コマ。こうやって生きてた一コマ一コマは消えていくのだ。消えていくものの、なんという愛おしさ。
アンソニーホプキンス主演の映画「ファーザー」も、認知症になった老人の目線で出来事が次々辻褄が合わなくなる日時を描いてたけど、「にぎやかな落日」と目線が同じで、どちらも、人間愛のある作品だな。
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島谷もち子、満83歳。周囲の人達から”おもちさん”と呼ばれている。
本当は”まち子”だったのを、出生届を提出する際、父親が「ま」と「も」を間違えて”もち子”になった、という。出生時のエピソードからして笑いをとっているおもちさんは、気さくで交友関係も広く、楽天的で朗らか。息子のお嫁さんとも仲が良く、町内会のカラオケ部で活動するなど日々を楽しくおくっているように見える。
けれど実情を紐解くと、おもちさんなりの葛藤や悩みは尽きないようで…。
夫の老い、自分の老い、持病の悪化、独り暮らし(夫は施設にいるため)の寂しさ、出来ていたことが出来なくなった自分へのもどかしさ。
おもちさんの中で繰り返し生まれる、心情の静と動の大波に読んでいていたたまれなくなった。
嬉しいことも悲しいことも「思い出」の箱に移していって、時々ふっと思い出しては自分なりに折り合いをつけて。そんな風にして人は年を重ね人生の幕を下ろす準備をしていくのかな。
人生の落日。おもちさんみたいに、にぎやかとまではいかなくても、穏やかな気持ちで迎えさせてあげだい、と実家の両親のことに思いを馳せた。
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いるいるおもちさんの様な人、わいわいやかましくて、それでいて思いやりがあって、活発な人、小生のよく知ってる人にもいる。おもちさんは83歳私も83歳、そして本作品の最後におやすみなさいで終わる。ワハハと思わず笑ってしまった。
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最近、なにかと話題の“お一人様の老後”を描いた作品。とは言え本書の主人公、83歳のおもちさんはかなり恵まれている。持病はいくつかあるが気をつけていれば大事に至らないし、実の娘や息子の嫁はなにかと気にかけてくれる。経済的にも贅沢しなければ年金と貯金で十分賄える。そんなおもちさんの日常のあれこれに頷きながら読了した。北海道弁(?)に思いの外苦戦したが、なかなか楽しい作品だった。
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日が沈む時、ちょっともの悲しく感傷的になる。
人生のにぎやかな落日。
おもちさんの人生の落日の話も、にぎやかでウイットに富んだ表現に笑いながらも、哀しみが漂う。
83歳のおもちさん、夫の勇さんが特養に入所し一人暮らしだが、糖尿病が悪化し、記憶力も衰え介護付きマンションに入所することになる。
優しい兄嫁、娘、皆に大切にされ幸せなおもちさん。北海道の方言がなんとも優しく心地良い。
おもちさんの心のうちに寄り添い老人の複雑な思いに触れた。
(以下抜粋)
○娘に意見されると、こどものくせに親をイヤな気持ちにさせた「生意気な」という力強い怒りに「いじめられた」という被害者意識が混ざり込み、涙がでてくる。
○「言って聞かせる」口調にカチンとくる。
○感情のネジ、制御するネジ、どちらもばかになっていく不安。
○「ホラあのとき」が思い出せないときの反応は、素直に驚くか、ひとまず話を合わせておくか、とりあえず怒るかの三択となり、どれになるから、そのときにならないと分からない。
○言い分に耳を貸さず、周りが、とにかく言うことを聞きなさいト、そうしていれば間違いはないト、そうするものですト、寄ってたかって丸め込む。
○「しまった」即座にそう思ったが、理由はおもいつかなかった。まずいことを言ってしまったという感触だけがある。
おもちさんの心情は他の老人とも共通だろう、実家の親の心のうちを覗いた気持ちになった。
老いていくことは不安で寂しい、怒りも感じるだろう。複雑で思うようにならないことばかりだけれど、豊かで深みがあり美しいと思えた。
ユーモアの持つ力は偉大だ!
みんな、それまでの人生を思い出の箱につめ、時おり取り出しては笑ったり力を得たり、哀くなったり仕方のない後悔を引っ張りだすことだってある…けれどなんとか折り合いをつけていくのだろう。
おもちさんもそう。思い出がフッと蘇ったり消えたり。
中でも勇さんとの流星の思い出、家族でプリンを食べたエピソードが輝いている。
話の終わりは今のコロナ状況を反映している。
老人施設の大変さには頭が下がります。
実家の親と会えない日々、せめておもちさんの娘のようでありたい。
おもちさんの言葉「いつ死んでもいいよネ」といいながら「でも、今じゃないよ」に対して「『今』がずうっとつづくといいね」と答える娘の気持ちが痛いほど分かる。
避けられないことだけど、どうかそれが今でありませんようにと。
魅力的なおもちさんは、著者のお母さまがモデルだそうだ。
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もち子さんことおもちさん、83歳。「今」を楽しく明るく生きてきたのに持病の糖尿病が悪化し夫は病で弱って施設入り。落日=沈みゆく夕陽、物事の勢いが衰えることの意味通り人間の一生が描かれている。おもちさんは認知症だと思っていたのは私だけなのだろうか?最後の方は優しいと思っていた娘のちひろが急に冷たくなって、無理矢理おもちさんの孤独を強調したように感じて少し残念。生きていくって大変だ。
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朝倉氏らしい乾いた簡潔な文章だから、老いを目前にした辛い現実をユーモアで包んでいる。主人公のもち子さんの生き方、性格も素敵だし、お嫁ちゃんのトモちゃんも可愛い。身につまされるがもち子さんに倣って明るい希望も生まれる。
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歳をとるという事、子どもやお嫁さんに面倒をかけるのかな、いずれやってくるもう遠くない未来が見えてきそうで、なんかせつない。
まだまだコロナの世の中だけど、がんばろう!おもちちゃんみたいにがんばろう!
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久しぶりに朝倉さんの小説を読んだが、その筆力に驚いた。親の老いを描いた数ある小説のなかでも屈指の出来だと思う。私自身、認知症の母を長年介護するなかで、父母の若かった時代に思いを馳せては、はっと何かに気付いたり胸を痛めたりすることが多々あったが、そういう実感、弱っていく親への理解がこの本の中に見事に捉えられている。老いた人の曖昧になる時間や記憶、それを誤魔化そうとするとっさの作り話や苛立ちなども小説ならではの技で描かれて見事。
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最近の傾向か、80代をモデルにした小説が続く。
というのは錯覚で私がそんなジャンルを選定しているのか?
老いというもの、何気ない日々なのだがやはり切なさが湧いてくる。自分と置き換えて考えると、なんだか不安がよぎるお年頃。まだ母の年代の話と思いながらも遠い話でもない。
モロゾフプリンの話がとても心に沁みました。
お父さん、どうしようもなく切ないけれど、思い出があることが幸せなんでしょう。
歳をとること、最近ふと考えることが多くなりましたね。