紙の本
百間の評伝
2023/01/23 13:52
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
内田百間(著者はあえてこの表記にしている)の評伝。よくいえば詳細であるが、悪くいえば百間とそれほど関係が深くない人にまで言及していくスタイルは腰が折られるような感じがなくもなかった。もう少し枝葉を落としてコンパクトに仕上げてもよかったのではないかと思う。
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没後五十年を迎えた百間の残した作品と戦前・戦後の膨大な日記を、稀代の日記読みが丹念に読み込み、その人生を再構築する初の評伝
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タイトル通り、本当にしぶとい人だなと思う。人一倍感じやすく、それでいて人一倍大胆で破天荒。百閒の小説に見られる特徴として常に何者/何事かの予感に怯え、それでいてそのおぞましいものに自ら巻き込まれていく受動的な姿勢があると思う。それは(当たり前かもしれないが)百閒本人の性格/人間性そのものだったのだなと思う。著者はこの食えないしぶとい作家の生涯をコクのある、温もりを感じさせる筆致で描き切る。猫にまつわる話題もあれば……と思うのは私の悪い癖か。気難しく、人から嫌われつつも慕われていたそんな百閒が見えてくる本だ
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没後50年。日記解読の達人が書いた内田百閒初の評伝。
没後次第に忘れらていく作家が多い中、コンスタントに再評価される内田百閒。本書は初の評伝という。
借金に追われる偏屈な中年男性というイメージだったが、生誕から没まで丹念に描かれその背景が朧気ながら理解できた。
圧倒的なボリュームの大作。
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(借.新宿区立図書館)
内田百間伝としてかなりまとまっている。(539P+略年表&参考文献)
百閒の日記等著作だけでなく周辺の記録や作品などをももとに、あまり知られない百閒の姿を描いている。若いころの恋や後年まで続く借金苦などなど。それでも前妻と後妻の関係などはかなりぼかされているようだ。借金関係は相当問題があったようだが、収入もそれなりにあるのに何に使ったのだろう?その辺はこの本だけではわからない。資料があまりないのかもしれないが、後は個々の参考文献を読んで確認して行くしかないのか?