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最近読んでいる三河雑兵心得シリーズの著者の作品。
多くの資料を基に歴史や郷土や熊の生態や猟師の生活を調べ上げて物語のディテールに活かしている。
読み終えてちょっとロス。
Amazonより----------------------------
時は幕末。箱館戦争で敗れて傷を負い、すべてを失った男が、厳しい未開の大地で羆撃ちとなり、人として再生していく本格時代小説!
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明治二年、北海道がまだ蝦夷と呼ばれた頃。箱館戦争で新政府軍に敗退した旧幕府軍の伍長・奥平八郎太は、兄の喜一郎そして戦友の佐吉とともに、箱館のはるか北の遊楽部の森に落ち延びる。深手を負い衰弱する八郎太と佐吉は、このまま犬死にしても意味はないと兄一人を逃がす。だが、その直後に300kg超の巨大な羆(ヒグマ)に襲われてしまう。羆に殴られ森の中で昏倒していた八郎太は、羆撃ちを生業とする元庄内藩士・鏑木十蔵に救われ……すべてを失った敗残兵が北の大地を舞台に羆撃ちとして再生するビルドゥングスロマン。
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「三河雑兵心得シリーズ」の作家。2017年に単行本「維新の熊撃ち」を改題し修正文庫版にした作品。
場所は北海道、頃は五稜郭の攻防後。
五稜郭の敗戦後、薩摩を主とした官軍の追跡を逃れ北に進路を取った幕臣三人。
元幕府遊撃隊士の八郎太、その兄、仲間の御家人の少年、佐吉と逃れるも、北海道の自然はその頃危険以外の何者でもなかった。
官軍以外に狼、ヒグマに襲われる。
まだ少年の佐吉は巨大なクマに襲われ食われてしまう。
兄は弟たちの勧めでそれより以前に味方を探しに難を逃れた。
八郎太は、死を覚悟した直前無我夢中で放った玉が命中し熊は死んだが、結果を見る前に熊からの攻撃で大怪我をして昏倒。
そこを偶然通ったのが老境に差し掛かる元武士の熊猟師、十蔵とその若い妻、喜代。
熊の攻撃で頭を強打した八郎太は視力が激減。
だが、街へ出ることはできずやむなく猟師に。
その葛藤や胸の内、熊との戦い、自然を相手に暮らす知恵。
様々な日常を物語の中に加えつつ、八郎太はいつしか自分自身に問いかけをするように。
素晴らしい作品です。