紙の本
耳を傾けるとき
2023/09/04 06:29
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
圧倒的な暴力の前に黙殺されてきた、女性たちの叫び声が胸にささります。無力感に打ちのめされながらも、言葉の力を信じたいです。
紙の本
考えよう
2022/05/24 02:09
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性だけでなく、みんなで考えないといけない問題だと思います。なぜいつまでもこの地上から戦闘がなくならないのか。
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まだオリジナルを読んでない。次は読んでみたいが、まだまだ先の話か。
でも戦争を語るということは女性に限らす男性も同じことだ。
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番組と連携して読んでいました。
戦争だけではなく、独裁者と戦う為の大変さはあの大祖国戦争の頃と変わらず。
それでも、彼女は小さな声を聞き取るために生き続けることでしょう。
とても美しく尊い言葉を……。
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原書は読んでいない。抄訳版という感覚で読んだ。
ソ連では百万人もの女性が対独戦に従軍していた事を知る。それ程迄にドイツの侵略に苦慮していた、という事。
やがてドイツを撃退すると返す刀で満洲に侵攻する。
女性議員を意図的に増やすという介入は両手を挙げて賛同する訳ではないが、軍事抑止という観点からは一定程度の効果があるのではないか、とも感じる。
原著者は現在自らも戦っている。ベラルーシ・ルカシェンコ政権に抗議し、今ベラルーシから国外退去となっている。
谷島屋書店連尺本店にて購入。
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ノーベル文学賞受賞、漫画化により話題となったアレクシェーヴィチについて、戦争は女の顔をしていないを中心に紹介。
大祖国戦争と呼ばれ女性も含めて戦場に動員したソ連・スターリン。そこには多くの女性兵が参加していたことはあまり知られていない。
第二次世界大戦の犠牲者数はドイツが500万、イギリスは30万、フランスが40万(ちなみに日本は300万)に対して、ソ連は2700万人と桁外れに多い。それはスターリンのプロパガンダによって、多くの人々が戦地に送り込まれ、凄惨な戦いを強いられたからであり、加えて捕虜になった兵士は解放されても、今度はスパイ扱いされてシベリア送りにされたからでもある。独ソ戦も悲惨を極めたことは多くの映画や書籍(岩波新書『独ソ戦』など)などで知ることができるが、シベリアの悲惨さも計り知れないものがある。そのことはソルジェニーツィンの『収容所群島』などによって後世に伝えられている。本書でも『スターリンのジェノサイド』や『レーニンの墓』が紹介されている。
著者の沼野恭子によれば、アレクシェーヴィチの特徴はポリフォニー性にあり、なるほど確かに複数の人々の証言を集め、かつアレクジェーヴィチの声は最低限に抑制されている。これにより、事実を浮かび上がらせるという構成をとっており、それによりオーラルヒストリーの弱点を克服しているという。そしてそのことが、ノンフィクションを文学にまで育てており、それがノーベル賞に帰結している。
『戦争は女の顔をしていない』そのものには、戦場で産んだ幼児を母親自ら殺したり、戦後帰還後には戦場に行かなかった女性から差別される様子などが、描かれているようで、読むのもつらいことが予想されるが、近々読んでみたいと思う。
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「アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』」沼野恭子著、NHK出版、2021.08.01
105p ¥600 C9498 (2021.09.06読了)(2021.07.30購入)
【目次】
【はじめに】「声」のコラージュで戦争を伝える
第1回 証言文学という「かたち」
第2回 ジェンダーと戦争
第3回 時代に翻弄された人々
第4回 「感情の歴史」を描く
☆関連図書(既読)
「チェルノブイリの祈り――未来の物語」スベトラーナ・アレクシエービッチ著・松本妙子訳、岩波現代文庫、2011.06.16
「戦争は女の顔をしていない」スベトラーナ・アレクシエービィチ著・三浦みどり訳、岩波現代文庫、2016.02.16
(アマゾンより)
何百人もの「声」がきこえる。戦争を「事実」ではなく「感情」で描く証言文学の金字塔
プロパガンダに煽られ、前線で銃を抱えながら、震え、恋をし、歌う乙女たち。戦後もなおトラウマや差別に苦しめられつつ、自らの体験を語るソ連従軍女性たちの証言は、凄惨でありながら、圧倒的な身体性をともなって生を希求する。そうした声に寄り添い「生きている文学」として昇華させた本作をはじめ、アレクシエーヴィチの一連の作品は「現代の苦しみと勇気に捧げられた記念碑」と高く評価され、ノンフィクション作家として初のノーベル文学賞を受賞した。原発事故、差別や自由、民主主義等、現代世界に投げかけられた問いを提起し続けるアレクシエーヴィチの文学的価値について、彼女とも親交の深いロシア文学研究者の沼野恭子氏が解説する。
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「100分de名著」に感銘を受けたので、テキストを買う。引用部分はいずれも感動的。原作を買うべきだったろうか。
番組の資料映像で、にこやかに行進する女性兵士らを視て、「マンガやアニメみたいなことが現実にあったのか」と思う。
マンガ化されたというが、樹村みのりがもう少し若ければ任せてみたい仕事だった。
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第二次世界大戦期のソ連において軍務に従事した女性兵士への聞き取りをまとめた2015年のノーベル文学賞作品「戦争は女の顔をしていない」を解説した番組をテキスト化したもの。
おもに同作の特徴、文学的意義、アレクシエーヴィチ作品の作風とそのルーツ、大戦当時のソ連の戦時体制について解説している。
「戦争は女の顔をしていない」は500人にもおよぶ元女性兵士への証言記録を連ねた、オーラル・ヒストリーに近い証言文学だ。
内容としては、戦争中の酸鼻な光景、戦後に渡って続くPTSD、男性から・あるいは従軍しなかった女性からの差別、戦場における恋愛など、情緒に訴える体験が多く、
戦略・戦術の評価をしたり、戦争の政治的意義を論じたものではない。
しかし、ソ連のイデオロギーに沿った"正統な"作品が軽視してきた感情の歴史、女性の語りに価値を見出し、ひとりひとりの「生」のディティールをすくい上げることに成功している。
通常、証言とは作者の意見を補強するための資料であるが、同作ではあくまでも証言がメインであり、作者自身の地の文や意見はところどころに挟まれる程度にしか書き添えられていない。
証言とは主観的な記憶によるものであるから当然、思い込みや錯誤はあるのだが、膨大な数の証言(ひとりで行う取材数として500人は相当な人数だろう)を集めることで互いに補正しあい、彼女らの生きた時代の輪郭を浮かび上がらせている。
以上のような独創的な手法をもって証言記録が文学であると認められ、「文学の定義」が拡張された点に、同作の文学的意義がある。
証言文学は社会の言論の自由度によって増補・改訂される可能性があり、実際に同作も2004年に増補版が刊行されている。初版が出版された1985年時点では検閲で削除された内容があり、ペレストロイカ、ソ連崩壊などの社会の大きな変化を経て言論の自由が広まるにつれ、かつての証言者が訂正や証言の追加を求めたため、加筆の必要に迫られたからである。
このように、時代の変化とともに成長する作品、アレクシエーヴィチのいう「生きた文学」の形が示されたことの意義も大きいだろう。
ひとりひとりの証言を丁寧に拾うアレクシエーヴィチの作風はどのようにして生まれたのか。
直接的には、大戦期にパルチザン部隊で活動したベラルーシ人作家アレシ・アダモヴィチの執筆スタイルを受け継いでいるが、「小さな人間」や「ちっぽけな人間」に焦点を当てるのは、プーシキンやゴーゴリ、ドストエフスキーといったロシア文学の伝統に根ざしており、そこにベラルーシ人の父・ウクライナ人の母をもち、ロシア語で執筆するアレクシエーヴィチの、複数のスラブ文化を横断する出自が重なって形成されたと言えるだろう。
アレクシエーヴィチという作家は突然変異的に発生したのではなく、地理的・文化的土壌の下地の上に生まれたのである。
以上のように、作品を読むだけではつかみにくい特徴や考察が述べられており、同作の理解を促進するための良質な副読本になっている。
「戦争は女の顔をしていない」を読む際のかたわらに、あるいは事前に100分de��著を呼んでおくことで、より深い理解を得られるだろう。
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第二次世界大戦に従軍した女性達にインタビューしたものをまとめた本。原作本も読んだ。旧ソ連の体制が変わったことによって、やっと話せる人もいるという、今も続く彼女たちの苦悩。
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Audibleで『戦争は女の顔をしていない』を聞いた後、読む。
証言者からの言葉を引き出すときに、対面でなく、横に座ったり、話したくなるまで静かに待ち続けたり。老女たちが振り返る自身の物語には、虚飾も入り交じるだろうが、小さき人間の語る大祖国戦争がずんと心に入ってくる。
時代背景などの解説も合わせて、「戦争は女の顔をしていない」を文字としておさらいするのには非常にわかりやすかった。
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原作は読んでいないが、ざっくりと本の内容を掴むことができる良書だと思う。
引用部分のどれもに衝撃を受けた。
また、アレクシエーヴィチがどのような人であり、どのような姿勢や手法でこの本を書いたのかということも非常に分かりやすく解説されている。
引き込まれるようにして一気読みした。
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「大きな内容を秘めたちっぽけな人たち」から得た証言文学
「戦争は女の顔をしていない」ー『屋根の下の戦争』(アレシ・アダモヴィッチ)
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「戦争は女の顔をしていない」その本の背景で
わかりにくかった部分が解説されていたので、
より本の理解が深まった。
声を記録する。証言文学。歴史か文学か。
小さき人々の声のコラージュ。
エンパシー。
薄い本だけれど、考えることの多い解説本だった。
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アレクシェーヴィチ戦争は女の顔をしていない 沼野恭子 NHK
沼野さんの通訳を介さずに
本人の本を直に読んで感じるべきだ
「戦争は女の顔をしていない アレクシェーヴィチ 岩波現代文庫」