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紙の本
「エストニアウェブ事典」とはWikiだった
2021/07/16 09:06
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「エストニア情報将校リチャード・マーシング」なる人物についての「記述があるエストニアウェブ事典」なるものが紹介されているが、注釈にあるアドレスを見ると、Wikipediaだ。ここで言及されている小野寺信陸軍少将の項目がある「日本語ウェブ事典」を開いてみると、この人物についてのリンクがある。ただし「エストニアウェブ事典」の他は「ポーランドウェブ事典」しか項目がない。「なおこの項目は翻訳ソフトで日本語に翻訳して読める」とあるが、要は誰でも書き込む事が出来るWikipediaを仰々しく紹介した上で、「エストニアウェブ事典」から何かの「翻訳ソフト」を利用して英語か日本語に機械翻訳したものを読み込んで書きました、という事になるだろう。「STAP細胞はありまーす!」の小保方晴子が博士論文を取得した事で知られる名門大学の教授は、そういうものを使って一般書を書いてもいいわけだ。
何しろ、イギリスとポーランド亡命政府共同の謀略のカモになった小野寺信・百合子夫妻の番組を作ったNHKと伝記を書いた産経の岡部伸記者を「基礎的文献を読まず、番組を作り、本を書くと、当然ながら、こういう事態が起こる」と書いているのだから、Wikipediaは許容範囲内なのだろう。
余談ながら、岡部伸記者の本を元にしてNHKが「百合子さんの絵本」というドラマを製作した事が「日本語ウェブ事典」の「関連項目」にある。
となると、著者は「増補改訂 日本・ポーランド関係史」は当然、著者は読んでいるはずだ。この本は写真入りで小野寺百合子は晩年、ポーランド政府から叙勲された事を紹介している。イギリスとポーランド亡命政府共同の謀略の「カモ」の妻に勲章を授与するほど、ポーランド政府はお人好しなのか?、になる。何しろ小野寺信に協力したポーランド軍将校にイギリス政府は「勲章を与え、居住権を与えていることから」二重スパイだと「証明できる」のだから、いったいどういう事なのか?
扶桑社の出版物なので、マニラの市街戦での出来事がスペインが対日断交をして、日本の利益代表国をやめた事は「保身」なのだろう。
「そもそも、日本が戦争で負けたのはアメリカであって、中国(国民党の)に負けたとは思っていない」というのが著者の認識らしいが、「そもそも、日本が戦争で勝っていないのは支那であって」という事に気がつかないらしい。日本軍が南京を占領したにも関わらず、国民政府を打倒出来ないから、と近衛声明で交渉の道を断ち、汪兆銘政権の成立でますますど壺にはまっていって、援蒋ルートの切断の為に仏印進駐をして、とずるずると主観的に状況を打開しようとすればするほど悪くなって、ついには米英への宣戦となったという「基礎的」な事実認識がないのだろう。
別々に書いたものを1冊の本にしたからか、モロトフの肩書きが章によって「外務大臣」、「外務委員長」、「外務人民委員」とバラバラだ。まだ人民委員会議であって、内閣に移行する前なので「外務人民委員」がいいと思うが。
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